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文献詳細

雑誌文献

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩65巻4号

2013年04月発行

連載 神経学を作った100冊(76)

マリネスコ『脊髄空洞症における腫脹手と筋萎縮』(1897)

著者: 作田学1

所属機関: 1日本赤十字社医療センター神経内科

ページ範囲:P.488 - P.489

文献概要

 マリネスコ(Georges Marinesco:1863-1938)はルーマニアに神経学の伝統を打ち立てた人である(ルーマニア語ではGheorghe Marinescuであるが,そのほとんどの著作をフランス語表記のGeorges Marinescoで行った)。

 マリネスコは1863年にルーマニアのブカレスト(ルーマニア語ではブクレシュティ)で生まれた。医学の勉強をブカレストのブランコバン病院で始めた。1889年に卒業すると国費の政府留学生として9年間をパリでの神経学研修にあてることが許され,シャルコー(Jean-Martin Charcot;1825-1893)の主宰するサルペトリエール病院で研修を始めた。シャルコーから教えを受けたのは4年間に過ぎなかったが,彼は終生シャルコーを信奉し続けた。1893年にシャルコーが亡くなった後はフランクフルトの神経病理学者ワイゲルト(Carl Weigert:1845-1904)とベルリンの生理学者デュボア・レイモン(Emil Heinrich du Bois-Reymond;1818-1896)の教えを受けた。

参考文献

1) Catala M, Poirier J: Georges Marinesco (1863-1938): neurologist, neurohistologist and neuropathologist. Rom J Morphol Embryol 53: 869-877, 2012
2) Marinesco G: Main Succulente et Atrophie Musculaire dans la Syringomyélie. Masson, Paris, 1897
3) Marinesco G, Radovici A: Sur un réflexe cutané nouveau: réflexe palmo-mentonnier. Rev Neurol (Paris) 27: 237-240, 1920

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1344-8129

印刷版ISSN:1881-6096

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