特集の意図
神経内科というと,「難解で,治らない病気を診ている特殊な集団」というイメージがいまだ払拭されていないのではないだろうか。しかし,実はいわゆるcommon diseaseを最も多く診ている,あるいは診ることを期待されている診療科でもある。これら多数の患者は実際にどの科が引き受けているのか,診療が不十分な原因は何か,神経内科が解決すべき課題は何かなど,6つの疾患・症候について取り上げた。
雑誌目次
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩65巻9号
2013年09月発行
雑誌目次
特集 Common diseaseは神経学の主戦場である―現状と展望
扉 フリーアクセス
ページ範囲:P.1005 - P.1005
―鼎談―神経内科はcommon diseaseを診ているか?
著者: 河村満 , 神田隆 , 桑原聡
ページ範囲:P.1007 - P.1015
はじめに
神田 神経内科というのは,おそらく内科の中では最大の患者数を擁する部門で,守備範囲も一番広いと思います。ただ,common diseaseをたくさん診ている割には,common diseaseを診る科,あるいは総合診療に一番近い科として世間に認識されているかというと,決してそうではないと思います。
私も,学生の講義で,神経内科とはどういう科かというのを最初に話すときには,厚生労働省の特定疾患治療研究事業の対象疾患が56あるうち,神経内科プロパーの病気が17個あり,神経内科が関与する病気がそれに14個足されるので,半分以上は神経内科が診るのだとしゃべります。実際には,それ以上に,common diseaseも診ているわけですが,世間では「難病を診ている科」という見方をされているように思います。
本日は,神経内科はcommon diseaseをたくさん診ている科であるにもかかわらず世の中ではそのように認識されていないということ,そして,これだけの数のcommon diseaseを診ているにもかかわらず,世間から「神経内科医が足りない」という声があまり起こってこないのはどうしてか,ということについて,今後の展望も含めて本誌編集委員の3人で議論してみたいと思います。
河村・桑原 よろしくお願いします。
認知症
著者: 森悦朗
ページ範囲:P.1017 - P.1022
Ⅰ.認知症の疫学
認知症というのは,大脳の病変によってもたらされる症候群をさすのであり,認知症という疾患が存在するのではない。認知症をきたした大脳疾患という意味で,包括的に「認知症」と称すことは,認知症という疾患があるかのような誤解を引き起こすことにもなりかねず好ましいとは思えない。しかし地域住民を対象とした疫学調査では原因疾患までの検討は難しく,「認知症」の有病率(正確には有症率)が検討されている。
『認知症疾患治療ガイドライン 20101)』では,わが国の65歳以上の高齢者における認知症有病率は3.8~11.0%である(グレードB)とされている。しかし厚生労働省研究班による2009~2012年度に全国8市町で行われた疫学調査の最新の報告2)では,65歳以上の高齢者のうち認知症の人は推計15%(95%信頼区間12~17%)と報告されている。2012年時点の65歳以上人口3,079万人に当てはめて計算すると,約462万人に上ると推定される。有病率は,74歳までは10%以下だが,85歳以上で40%超となる。この調査で示された有病率は,前回(1985年)の全国調査に基づいた2010年時点における推計の2倍,介護保険のデータに基づき厚生労働省が昨年発表した推計の1.5倍であった。これに加え,軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)の高齢者も13%,2012年時点で約400万人いると推計される。
急性期脳梗塞の診断と治療
著者: 芝﨑謙作 , 木村和美
ページ範囲:P.1023 - P.1030
はじめに
わが国における脳卒中患者数は約170万人程度であり,2020年には300万人に達すると推測されている。脳卒中は死因の第4位,寝たきりの原因の第1位,要介護の原因の第1位であり,まさにcommon diseaseである。一方で,全医師に対する日本脳卒中学会認定専門医の比率は1.1%と低く1),また半数以上は脳神経外科医が脳卒中の初期対応を行っている現状がある2)。しかしながら,脳卒中患者のほとんどが外科的処置を必要とはせず,神経内科医がみるべき疾患である。
本特集の執筆にあたり,脳梗塞診療における担当診療科の実際や,本疾患を神経内科が診療することの意味,また,今後どのような診療体制を築くべきかといった展望を概説するよう依頼があった。しかしながら,本特集の他項で取り上げる疾患とは違い,そういった現状についてのデータに乏しく,そのような論点でまとめることは難しい。
そこで本稿では,大きく変貌した脳梗塞診療,すなわち一過性脳虚血発作(transient ischemic attack:TIA),バイオマーカー,遺伝子組換え組織プラスミノゲンアクチベータ(recombinant tissue plasminogen activator:rt-PA)療法,新規経口抗凝固薬について概説する。脳梗塞診療において神経内科医が果たすべき役割はますます大きくなってきている。
てんかん
著者: 溝渕雅広
ページ範囲:P.1031 - P.1040
はじめに
てんかんは最も頻度の高い神経疾患の1つであり,有病率はおおむね0.8%1,2)で日本全体に100万人の患者が存在する3)。したがって,神経内科医は日常臨床で多くのてんかん患者の診療にあたることになる。しかし,神経内科医の中でてんかんを専門と考えて診療している医師は5%程度4)と少なく,ニーズに対して十分な診療が行えているかは疑問である。てんかんの疫学,日本と外国の現状,今後の神経内科医の関わりについて概説する。
頭痛
著者: 竹島多賀夫 , 菊井祥二
ページ範囲:P.1043 - P.1055
はじめに
頭痛はありふれた症状で,頭痛を感じた人のすべてが患者として病院を訪れるわけではない。頭痛を契機に,脳腫瘍や脳血管障害などを心配して,精査を希望する人もある。一方,一次性頭痛として治療されるべき頭痛患者が,必ずしも適切とはいえない市販の頭痛薬を自己判断で乱用しているような例もある。わが国では,2000年頃を境に,トリプタンをはじめとする有効な頭痛治療薬が順次,使用可能となり,また,片頭痛予防薬も認可され,頭痛医療が注目されるようになってきている。
世界保健機関(WHO)のAtlas of Neurological Disease(2004)1)では,世界102カ国の調査でプライマリケア医を受診する神経疾患としてトップに頭痛が挙げられており,頭痛診療の需要が極めて多いことが示されている(Fig.1)。WHOの調査では,片頭痛の疾病による重荷(burden)はすべての疾患の中で第19番目であると記載されている。さらに,WHOからAtlas of headache disorders and resources in the world 20112)が公開されている。このAtlasに集められた情報が,グローバルに世界各国における頭痛性疾患に対する意識を高め,頭痛の診療の質的向上に寄与することが大きな目標として掲げられている。
本稿ではまず一次性頭痛の疫学と概要を示し,次にこのAtlasのデータを紹介し,わが国の現状と国際的な状況を対比しながら,神経内科における頭痛医療の方向性について考察する。
めまい
著者: 城倉健
ページ範囲:P.1057 - P.1069
はじめに
平衡感覚は,前庭感覚,視覚,深部感覚の3つの感覚情報を中枢神経系で統合することで得られている。めまいは,これらの感覚情報間のミスマッチや統合異常で生じる異常感覚なので,理論的にはどの感覚情報の伝達ないし統合経路に障害があっても生じうる。しかしながら,視覚や深部感覚の障害では,めまいよりはむしろ眼が見えにくい,足がしびれる,などの症状が前景に立つことが多く,中枢神経系の障害でも,やはり麻痺などのめまい以外の症状が前景に立つことが多い。したがって実際のめまいは,末梢における前庭感覚の異常に起因するものが圧倒的に多い1)。
めまいの原因の多くが末梢前庭障害であるせいか,現在多くの施設において,めまいは耳鼻咽喉科で診療されている。しかしながら一方で,急性発症のめまい患者が最も心配し検査をしてもらいたい臓器は,実は耳ではなく脳なのである(Fig.1)。しかも脳からくる(中枢神経系の障害による)めまいは,末梢前庭障害によるめまいよりも重篤で,緊急を要する疾患である可能性が高い。したがって,原疾患の頻度という観点でみれば,耳鼻咽喉科によるめまい診療は合理的といえるが,原疾患の重症度や緊急度の観点からみると,めまいは神経内科や脳神経外科などの神経の専門家が最初に診察すべきといえる。
今回,国内外におけるめまい診療の現況と展望についてレビューするよう依頼されたが,上記のような現状を踏まえると,多くの神経内科医がめまい診療に必要となる正確な知識を持つことこそが重要と考える。本稿では,めまいの原疾患を末梢性と中枢性に分けて概説し,その後,原疾患の特徴と頻度を踏まえた効率的なめまいの鑑別法を紹介する。
末梢神経障害
著者: 桑原聡
ページ範囲:P.1071 - P.1075
はじめに
末梢神経障害は間違いなくcommon diseaseである。Hughesらによれば一般人口の2.4%,55歳以上の8.0%が何らかの末梢神経障害を有するとされている1,2)。これらの数字は認知症性疾患,脳血管障害とほぼ同様であるが,後述のように末梢神経障害患者数はさらに多いことが推定される。末梢神経障害は病変の分布から多発ニューロパチー,多発単ニューロパチー,単ニューロパチーに分類されるが,それぞれの病型においてさらにさまざまな原因がある。多発ニューロパチーでは糖尿病性・アルコール性・薬剤性(癌化学療法)ニューロパチーが,単ニューロパチーでは手根管症候群が頻度の高い疾患であり,それぞれわが国において数百万人が罹患している。さらに末梢神経障害が存在するかについては四肢の感覚障害,腱反射低下・消失,自律神経症状などの症候により判断されるが,最も鋭敏な補助検査である神経伝導検査を用いた早期診断を加えると,はるかに末梢神経障害患者数は増加する。このように末梢神経障害は膨大な疾患群を含んでおり,日常診療において非常に重要な位置を占めている。
総説
古くて新しいビタミンB12と末梢神経障害
著者: 田中啓之
ページ範囲:P.1077 - P.1082
はじめに
ビタミンB12は末梢神経障害や,ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血に対して30年以上にわたり使用され続けている薬剤である。日本でも発売当初の1980年代には盛んに研究が行われ研究会なども開催されていたが,2000年代になるとその研究も下火となっている。しかしながら,近年,分子生物学の格段の進歩により,ビタミンB12における神経細胞内シグナルなどの詳細なメカニズムが徐々に明らかにされつつある。本稿では,この“古くて新しい薬剤”であるビタミンB12と末梢神経障害について,その歴史から最近の知見まで述べることとする。
原著
日本人小児部分てんかんに対するレベチラセタム併用療法の有効性と安全性の検討―多施設共同非盲検試験(N01223)14週間での評価
著者: 中村秀文 , 大澤真木子 , 横山輝路 , 吉田克己 , 鈴木淳
ページ範囲:P.1083 - P.1092
はじめに
てんかんの年齢別発症率は二峰性を呈し1),小児期と高齢期に発症率が高くなる。小児期はてんかんの好発時期であり,岡山県で行われた疫学研究によると,日本の13歳以下の小児てんかん有病率(/1,000)は5.32)と推定される。小児においててんかん発作が十分にコントロールされない状態は,発作による脳神経細胞への影響とともに心理的・精神的不安による日常生活や学業への支障をきたす。また,重積発作,危険な場所での意識消失発作,転倒発作などは時に生命に危険を及ぼすこともあり,小児期から適切な治療を開始することは重要である。
「小児てんかんの包括的治療ガイドライン」(日本てんかん学会)3)では,小児も成人と同様に抗てんかん薬による薬物治療が中心とされ,発作型に基づき適切な薬剤を選択するべきとしている。しかしながら,小児では小児特有の成長・発達,行動面や学業面への影響を配慮することが重要であり,行動や認知への好ましくない作用を持つ薬剤の使用は躊躇される。現状わが国で小児てんかん患者に使用可能な抗てんかん薬は限られており,小児てんかん治療の選択肢を増やすことは急務である。
レベチラセタム(LEV)は日本を含む90以上の国と地域で承認・発売されている,幅広い発作型に有効な抗てんかん薬である4)。LEVは前シナプス終末に存在する神経伝達物質の放出に関連した膜構成蛋白質のsynaptic vesicle protein 2A(SV2A)に親和性を示し,既存の抗てんかん薬には認められないSV2Aとの結合による神経伝達物質放出の調整を主たる作用機序とすると考えられている4)。LEVは欧米において,成人部分てんかんに対する単剤および併用療法に加え,特発性全般てんかんの強直間代発作およびミオクロニー発作に対する併用療法,さらに小児部分発作に対する併用療法の承認も取得しており,英国のてんかんの薬物治療ガイドライン(2012年改訂)では,小児においても併用療法で最初に試みる抗てんかん薬として位置づけられている5)。このような海外での状況に鑑み,新規抗てんかん薬を用いた薬物治療ガイドライン(日本てんかん学会)6)において,LEVは初発の成人/小児部分てんかん/混合てんかんに対する単剤療法,成人/小児難治部分てんかんに対する併用療法,強直間代発作ならびに若年ミオクロニーてんかんに対する併用療法で有効と評価されている。
N01223試験は,日本人小児部分てんかん患者を対象としたLEV併用療法の有効性,安全性および薬物動態7)を検討した臨床試験であり,有効性を検証する第1期ならびに長期投与時の安全性を検討する第2期で構成された。本試験では,新たに開発されたLEVのドライシロップ剤も合わせて使用された。本稿では本試験の第1期の結果からLEVの有効性および安全性について報告する。さらに,健康成人で実施されたLEVのドライシロップ剤と錠剤の生物学的同等性試験の結果についても追補として合わせて報告する。
統合失調症の治療反応性予測マーカーとしてのトランスサイレチン―プロテオミクスによる予備的解析
著者: 中川伸明 , 八尾博史 , 中原辰雄 , 猪股晋作 , 橋本喜次郎 , 黒木俊秀
ページ範囲:P.1093 - P.1099
はじめに
2003年にヒトゲノムの解読が終了し,その後,生体内で機能を発現する蛋白質レベルでの研究が増えてきている。これらの研究は,ある生物学的な系における蛋白質の総体を意味する「プロテオーム」と遺伝子の網羅的な研究を意味する「ゲノミクス」を合わせ,「プロテオミクス(プロテオーム解析)」と称される。プロテオミクスの技術は,ポストゲノム時代の新しい生化学的解析技術として注目され,癌や免疫疾患などの診断や治療に応用されつつある。プロテオミクスを用いて疾患ないし病態特異的な多数の機能性蛋白質群の変化をパターンとして読み取るマルチマーカー解析により,感受性および特異性の高いバイオマーカー群を確定することが可能になる。したがって,この技術は多因子が関与する統合失調症の複雑な病態の解明にも貢献するものと期待される。
しかしながら,プロテオミクスによる統合失調症の病態研究は,これまでのところ海外でも髄液,血液,死後脳を対象とした研究報告1-5)がわずかにあるのみで,治療反応性の予測マーカーとして応用した研究は国内外ともほとんどない。そこで筆者らは,急性精神病状態の治療反応性を予測する感受性および特異性の高いバイオマーカーを検出するために,プロテオミクス解析技術の1つである表面増強レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析(surface enhanced laser desorption/ionization-time of flight mass spectrometry:SELDI-TOF-MS)を用いて,統合失調症急性期の治療前後において特異的に変化する血漿蛋白質を網羅的に探索した。
学会印象記
14th International Congress on Schizophrenia Research(2013年4月21~25日,フロリダ)
著者: 竹内啓善
ページ範囲:P.1100 - P.1101
2013年4月21日(日)~25日(木)にフロリダ,オーランドで開催された14th International Congress on Schizophrenia Researchに参加しましたので,その様子を報告させていただきます。この学会はその名が表すとおり,臨床・基礎を問わず統合失調症に関するあらゆる研究についての国際学会であり,1987年に初めて開催されたときの抄録数は100以下だったのが,現在は1,200を超えるまでの規模に成長しています。発表された研究の抄録は『Schizophrenia Bulletin』誌に掲載されます。本学会のヨーロッパ版ともいえるSchizophrenia International Research Conference(抄録は『Schizophrenia Research』誌に掲載)と交互に,隔年で開催されています。
今回の開催地であるオーランドはディズニー・ワールドがあるため,学会後に「動物の生態観察」にいそしまれた参加者も多かったのではないでしょうか。しかし,会場となったマリオットホテル(写真1,2)周辺は何もなく,ほとんどの参加者がここか隣のリッツカールトンホテルに宿泊していました。
17th International Congress of Parkinson's Disease and Movement Disorders(2013年6月16~20日,シドニー)
著者: 小澤鉄太郎
ページ範囲:P.1102 - P.1103
オーストリアのシドニーにて,6月16~20日に開催された,17th International Congress of Parkinson's Disease and Movement Disordersに参加しましたのでご報告いたします。この学術集会は,Movement Disorder Society(MDS)の年次学術集会であり,MDSの会員数の増加を反映して,参加者は年々増加の傾向をみせています。昨年のダブリン(アイルランド)での参加人数は5,100人と伝えられています(http://www.mdscongress2012.org/)ので,今年はさらにそれを上回るかどうか公式の発表が待たれるところです。
夏の日本から南半球にあるシドニーに降り立つと,そこは冬の6月であり,予想以上に肌寒さを感じました。シドニーは,オーストラリア東南部に位置するニューサウスウェールズ州の州都であり,オーストラリア最大の人口を有し(約400万人),オセアニアを代表する国際都市です。シドニー港に面したベネロング岬に位置するオペラハウスは,この都市を象徴する建造物であり,観光の名所ともなっています。学会の会場となったSydney Convention Center(写真1)は,ダーリング港に面した賑やかな地区に建つ会議・展示施設でした。
連載 神経学を作った100冊(81)
ルントボルク『進行性ミオクローヌスてんかん』(1903)
著者: 作田学
ページ範囲:P.1104 - P.1105
ルントボルク(Herman Bernhard Lundborg;1868-1943)はスウェーデンの医師である。1868年4月7日にスウェーデンのヴェルムランドに生まれ,1943年5月9日にエストハンマーで亡くなった。
ミオクローヌス(μυς:筋, κλὀνος:混乱した動き/ギリシャ語)とは臨床的に,1筋または数筋が急激かつ短時間,不随意的に収縮する現象をいう。
書評
「今日の神経疾患治療指針 第2版」―水澤英洋,鈴木則宏,梶 龍兒,吉良潤一,神田 隆,齊藤延人●編 フリーアクセス
著者: 金澤一郎
ページ範囲:P.1041 - P.1041
この度,医学書院から表題の本が上梓された。第2版である。だが,これがほぼ20年ぶりの改訂であることがすぐにわかる人は少ないだろう。亀山正邦・高倉公朋両先生編集による初版の序にすでに,神経学は「遺伝子レベルの研究が最も盛んな領域」であり,「高齢化によって,わが国では,神経疾患対策が強く要請されている」とある。そのほかに,この20年間に臨床や研究の内容が縦にも横にも著しく拡がった。例えば,認知症が増加したうえにその鑑別診断も細分化したし,MRIをはじめとする画像診断が精緻化し,神経免疫学的病態の知見も増大した。疾患概念そのものが変わったものもある。精密になる一方の診断へのアルゴリズムも均てん化されてきた。当然,それに並行して治療法も進展した。新しい薬物や手術も開発され,治療の選択肢が多くなった。そればかりでなく,EBMの概念も定着し,いくつかの疾患について,「治療ガイドライン」も学会などの責任で作成されてきた。また,20年前にはそれこそ「夢物語」でしかなかった神経変性疾患の根本的治療も,遺伝子治療や細胞治療などによって「もしかしたら」と思わせるような時代になったことを忘れてはならない。
「誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた 重篤な疾患を見極める!」―岸田直樹●著 フリーアクセス
著者: 大曲貴夫
ページ範囲:P.1076 - P.1076
研修医たちと接していると感じるのは,彼らが急性上気道炎(以下,本書に倣い「風邪」と表記する)の診かたを知らないということである。市中肺炎や腎盂腎炎,髄膜炎の診療は知っているのに,である。何とも不思議な状況であるが,無理もない。かわいそうなことに,医学教育の流れの中で,風邪を系統的に教わることはまずないのだ。こんなにありふれた疾患であるにもかかわらず,だ。
おそらく多くの医師は,風邪自体を「そんなことは当たり前」として,そもそも医療上の問題として捉えていないと思われる。いわば医療化されることのない,体調不良の一種として捉えていることがほとんどである。しかし当事者である患者が風邪による症状に対して,民間療法では対処不能として医療を求めはじめたとき,結果として施される診療の中身は,顔をしかめてしまうものが多い。
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次号予告 フリーアクセス
ページ範囲:P.1099 - P.1099
投稿規定 フリーアクセス
ページ範囲:P.1106 - P.1107
「読者からの手紙」募集 フリーアクセス
ページ範囲:P.1107 - P.1107
あとがき フリーアクセス
著者: 神田隆
ページ範囲:P.1108 - P.1108
神経内科医は必要でしょうか? 本誌の読者の皆様は,何を阿呆な質問を,と笑い飛ばされることと思いますが,実は真剣な問いかけです。本号の鼎談でも一部をご紹介しましたが,私の奉職する山口大学の地域医療学の教授が,数年前に県内の病院長に“不足している診療科”のアンケートをとったことがあります。この結果の解析については『山口医学』誌の第58巻4号に掲載されておりますので,ご興味のある方はそちらをご覧いただきたいと存じます。ここでは不足感の高い診療科として,神経内科,整形外科,呼吸器内科の3科がベスト3として挙げられていました。大学でもっと神経内科医を育ててどんどん地域に還流させよ,との叱咤激励と前向きに捉えることのできる嬉しい結果でしたが,細かいデータを見ているとあることに気づきました。山口県は7つの医療圏があり,私の教室では,大学病院のある宇部市に加えて,最大都市である下関市と県立の中核病院のある防府市の計3カ所に,3人以上の常勤を擁する神経内科拠点を現在構築しています。神経内科医が比較的充足しているこの3地域からは“非常に不足している”というアンケート結果が出る一方,大学から常勤/非常勤神経内科医を派遣していない,われわれから見れば神経内科の空白地帯と考えざるを得ない医療圏の中には,“不足”のリストにすら挙げてもらっていない地域が複数存在しているという事実です。その地域に神経疾患の患者がいないわけはないので,いったいどんな診療がそれらの患者さんに対してなされているのか,まったく冷や汗の出るような状況が想像できますが,よくわからない,治らないが急変もしない難しい病気を診ている変わり者の集団,common diseaseとは縁のない医師――いたら便利だが,いなければいないで何とかなる,という神経内科医への認識は,いまだ拭いがたくあるのかなと思います。
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基本情報
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バックナンバー
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76巻11号(2024年11月発行)
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76巻10号(2024年10月発行)
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76巻9号(2024年9月発行)
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76巻2号(2024年2月発行)
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76巻1号(2024年1月発行)
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75巻10号(2023年10月発行)
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75巻6号(2023年6月発行)
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75巻5号(2023年5月発行)
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74巻2号(2022年2月発行)
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73巻9号(2021年9月発行)
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73巻8号(2021年8月発行)
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73巻7号(2021年7月発行)
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73巻6号(2021年6月発行)
特集 Lower Spine Neurology
73巻5号(2021年5月発行)
増大特集 中枢神経の自己免疫性・炎症性疾患ハンドブック
73巻4号(2021年4月発行)
特集 片頭痛・群発頭痛治療の新たな夜明け
73巻3号(2021年3月発行)
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73巻2号(2021年2月発行)
特集 筋炎と壊死性筋症
73巻1号(2021年1月発行)
特集 Neuro-Oncology
72巻12号(2020年12月発行)
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72巻11号(2020年11月発行)
増大特集 脳の発振現象—基礎から臨床へ
72巻10号(2020年10月発行)
特集 COVID-19—脳神経内科医が診るための最新知識
72巻9号(2020年9月発行)
特集 皮質性小脳萎縮症へのアプローチ
72巻8号(2020年8月発行)
特集 サルコイドーシス
72巻7号(2020年7月発行)
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72巻6号(2020年6月発行)
特集 前頭側頭葉変性症の今日的理解
72巻5号(2020年5月発行)
特集 多発性硬化症の現在と未来
72巻4号(2020年4月発行)
増大特集 神経疾患の診断における落とし穴—誤診を避けるために
72巻3号(2020年3月発行)
特集 でこぼこの脳の中でおしくらまんじゅうする脳機能
72巻2号(2020年2月発行)
特集 αシヌクレイノパチーの新たな展開
72巻1号(2020年1月発行)
特集 神経難病をクスリで治す—薬物開発の現況と近未来への展望
71巻12号(2019年12月発行)
特集 小脳と大脳—Masao Itoのレガシー
71巻11号(2019年11月発行)
増大特集 ALS2019
71巻10号(2019年10月発行)
特集 認知症と遺伝
71巻9号(2019年9月発行)
特集 神経疾患のドラッグ・リポジショニング—新時代へ
71巻8号(2019年8月発行)
特集 パーキンソン病診療の現在地—200年の変遷と新規治療
71巻7号(2019年7月発行)
増大特集 人工知能と神経科学
71巻6号(2019年6月発行)
特集 補体標的治療の現状と展望
71巻5号(2019年5月発行)
特集 NPSLE
71巻4号(2019年4月発行)
増大特集 神経学のための皮膚アトラス
71巻3号(2019年3月発行)
特集 Spine Neurology
71巻2号(2019年2月発行)
特集 “スポーツ”を生み出す脳
71巻1号(2019年1月発行)
特集 人工知能の医療応用Update
70巻12号(2018年12月発行)
特集 主訴に沿う—俯瞰し収束する画像診断の目
70巻11号(2018年11月発行)
増大特集 脳科学で解き明かす精神神経症候
70巻10号(2018年10月発行)
特集 「左脳と右脳」の現在
70巻9号(2018年9月発行)
特集 脳神経内科診療に役立つ精神科の知識
70巻8号(2018年8月発行)
特集 レヴィ小体型認知症の新知見
70巻7号(2018年7月発行)
増大特集 記憶と忘却に関わる脳のしくみ—分子機構から健忘の症候まで
70巻6号(2018年6月発行)
特集 芸術を生み出す脳
70巻5号(2018年5月発行)
特集 非アルツハイマー型認知症の病理学
70巻4号(2018年4月発行)
増大特集 Antibody Update 2018
70巻3号(2018年3月発行)
特集 『認知症疾患診療ガイドライン2017』を読み解く
70巻2号(2018年2月発行)
特集 知っておきたい神経感染症
70巻1号(2018年1月発行)
特集 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の今
69巻12号(2017年12月発行)
特集 運動異常症をみる—Web動画付録つき
69巻11号(2017年11月発行)
増大特集 こころの時間学の未来
69巻10号(2017年10月発行)
特集 成人てんかん—知っておきたい6つのトピック
69巻9号(2017年9月発行)
特集 ミクログリアと精神・神経疾患
69巻8号(2017年8月発行)
特集 遺伝性脊髄小脳失調症の病態と治療展望
69巻7号(2017年7月発行)
増大特集 あしたのアルツハイマー病治療
69巻6号(2017年6月発行)
特集 局在病変の神経心理学
69巻5号(2017年5月発行)
特集 Voxel-Based Morphometry—体積からわかること
69巻4号(2017年4月発行)
増大特集 ブロードマン領野の現在地
69巻3号(2017年3月発行)
特集 磁気刺激の新たな展開
69巻2号(2017年2月発行)
特集 Stroke-Like Diseases—鑑別時に注意を要する5病態
69巻1号(2017年1月発行)
特集 近年注目されている白質脳症
68巻12号(2016年12月発行)
特集 炎症性神経・筋疾患の新たな展開
68巻11号(2016年11月発行)
増大特集 連合野ハンドブック
68巻10号(2016年10月発行)
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特集 自己免疫性脳炎・脳症
68巻8号(2016年8月発行)
特集 こころと汗
68巻7号(2016年7月発行)
増大特集 認知症の危険因子と防御因子
68巻6号(2016年6月発行)
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68巻5号(2016年5月発行)
特集 手の症候学—生理学・解剖学からみた新知見
68巻4号(2016年4月発行)
増大特集 治せる認知症
68巻3号(2016年3月発行)
特集 末梢神経の血管炎
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67巻12号(2015年12月発行)
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特集 神経難病の終末期医療
67巻7号(2015年7月発行)
増大特集 神経疾患と感染症update
67巻6号(2015年6月発行)
特集 脳と「質感」
67巻5号(2015年5月発行)
特集 NCSE(非痙攣性てんかん重積状態)
67巻4号(2015年4月発行)
増大特集 大脳皮質vs.大脳白質
67巻3号(2015年3月発行)
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67巻2号(2015年2月発行)
特集 「食べる」を考える
67巻1号(2015年1月発行)
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66巻12号(2014年12月発行)
特集 Orthopaedic Neurology—神経内科と整形外科の狭間で
66巻11号(2014年11月発行)
増大特集 神経症候学は神経学の“魂”である
66巻10号(2014年10月発行)
特集 分子を撃つ 神経疾患治療の新しい水平線
66巻9号(2014年9月発行)
特集 痙縮の臨床神経学
66巻8号(2014年8月発行)
特集 神経系の悪性リンパ腫update
66巻7号(2014年7月発行)
増大特集 アミロイド関連神経疾患のすべて―封入体筋炎からアルツハイマー病まで
66巻6号(2014年6月発行)
特集 ミラーニューロン
66巻5号(2014年5月発行)
特集 アセチルコリンと神経疾患―100年目の現在地
66巻4号(2014年4月発行)
増大特集 タッチ・ビジョン・アクション
66巻3号(2014年3月発行)
特集 神経筋疾患の超音波診断
66巻2号(2014年2月発行)
特集 糖尿病の神経学revisited
66巻1号(2014年1月発行)
特集 日常生活の脳科学
65巻12号(2013年12月発行)
特集 プロテイノパチーの神経病理学
65巻11号(2013年11月発行)
増大特集 Close Encounters―臨床神経学と臨床免疫学の遭遇と未来
65巻10号(2013年10月発行)
特集 神経系の発達メカニズム―最近の話題
65巻9号(2013年9月発行)
特集 Common diseaseは神経学の主戦場である―現状と展望
65巻8号(2013年8月発行)
特集 こころの時間学―現在・過去・未来の起源を求めて
65巻7号(2013年7月発行)
増大特集 あしたの脳梗塞
65巻6号(2013年6月発行)
特集 見せる・仕分ける―脳機能解析の新手法
65巻5号(2013年5月発行)
特集 てんかん―新しいパースペクティブ
65巻4号(2013年4月発行)
増大特集 Antibody Update
65巻3号(2013年3月発行)
特集 次世代シーケンサーによる神経変性疾患の解析と展望
65巻2号(2013年2月発行)
特集 血液脳関門研究の進歩
65巻1号(2013年1月発行)
特集 Corticobasal Syndrome
64巻12号(2012年12月発行)
特集 The Border-Land of Dementia
64巻11号(2012年11月発行)
増大特集 痛みの神経学―末梢神経から脳まで
64巻10号(2012年10月発行)
特集 辺縁系をめぐって
64巻9号(2012年9月発行)
特集 高次脳機能イメージングの脳科学への新展開
64巻8号(2012年8月発行)
特集 線条体の基礎と臨床
64巻7号(2012年7月発行)
増大特集 顔認知の脳内機構
64巻6号(2012年6月発行)
特集 睡眠と覚醒の脳内機構
64巻5号(2012年5月発行)
特集 神経疾患のバイオマーカー
64巻4号(2012年4月発行)
増大特集 パーキンソン病の新しい側面
64巻3号(2012年3月発行)
特集 アカデミアから新規治療の実現へ―トランスレーショナルリサーチの現状
64巻2号(2012年2月発行)
特集 生物学的精神医学の進歩
64巻1号(2012年1月発行)
特集 iPS細胞と神経疾患
63巻12号(2011年12月発行)
特集 神経心理学と画像解析の融合
63巻11号(2011年11月発行)
増大特集 筋疾患update
63巻10号(2011年10月発行)
特集 緩徐進行性高次脳機能障害の病態
63巻9号(2011年9月発行)
特集 脳卒中の最新画像診断
63巻8号(2011年8月発行)
特集 日本人の発見した神経症候
63巻7号(2011年7月発行)
増大特集 神経筋接合部―基礎から臨床まで
63巻6号(2011年6月発行)
特集 ニューロパチー
63巻5号(2011年5月発行)
特集 神経系と血管内リンパ腫
63巻4号(2011年4月発行)
増大特集 てんかんの新しい治療
63巻3号(2011年3月発行)
特集 サイバーナイフ治療
63巻2号(2011年2月発行)
特集 続・日本人の発見した神経疾患
63巻1号(2011年1月発行)
特集 血管腫
62巻12号(2010年12月発行)
特集 頸部頸動脈狭窄症の診断と治療
62巻11号(2010年11月発行)
増大特集 歩行とその異常
62巻10号(2010年10月発行)
特集 ブレインバンク
62巻9号(2010年9月発行)
特集 視神経脊髄炎(NMO)update
62巻8号(2010年8月発行)
特集 辺縁系脳炎
62巻7号(2010年7月発行)
増大特集 アルツハイマー病―研究と診療の進歩
62巻6号(2010年6月発行)
特集 改正臓器移植法の問題点とその対応
62巻5号(2010年5月発行)
特集 神経画像のピットフォール―見落としと読み過ぎ
62巻4号(2010年4月発行)
特集 傍腫瘍性神経筋疾患update
62巻3号(2010年3月発行)
特集 神経回路解析法の最近の進歩
62巻2号(2010年2月発行)
特集 ニューロリハビリテーションの最前線
62巻1号(2010年1月発行)
特集 神経救急
61巻12号(2009年12月発行)
特集 Somatotopy再考
61巻11号(2009年11月発行)
特集 前頭側頭葉変性症
61巻10号(2009年10月発行)
特集 片頭痛の予防療法
61巻9号(2009年9月発行)
特集 脳血管障害治療の進歩
61巻8号(2009年8月発行)
特集 神経・筋疾患の分子標的治療
61巻7号(2009年7月発行)
特集 脳腫瘍研究の最前線―遺伝子解析から治療まで
61巻6号(2009年6月発行)
特集 脊椎・脊髄外科の最近の進歩
61巻5号(2009年5月発行)
特集 Restless legs syndrome
61巻4号(2009年4月発行)
特集 大脳基底核―分子基盤から臨床まで
61巻3号(2009年3月発行)
特集 Microneurography(微小神経電図法)の臨床応用
61巻2号(2009年2月発行)
特集 神経系の再興感染症と輸入感染症
61巻1号(2009年1月発行)
特集 脳神経倫理
60巻12号(2008年12月発行)
特集 痙縮
60巻11号(2008年11月発行)
特集 脳卒中と遺伝子
60巻10号(2008年10月発行)
特集 若年者の脳卒中
60巻9号(2008年9月発行)
特集 知・情・意の神経学
60巻8号(2008年8月発行)
特集 脳硬膜動静脈瘻
60巻7号(2008年7月発行)
増大特集 学習と記憶――基礎と臨床
60巻6号(2008年6月発行)
特集 Crow-深瀬症候群(POEMS症候群)
60巻5号(2008年5月発行)
特集 「痛み」の研究と治療の最前線
60巻4号(2008年4月発行)
増大特集 神経系の発生とその異常
60巻3号(2008年3月発行)
特集 特発性正常圧水頭症(iNPH)―最近の話題
60巻2号(2008年2月発行)
特集 がん治療と神経障害
60巻1号(2008年1月発行)
特集 日本人の発見した神経疾患
59巻12号(2007年12月発行)
特集 損傷神経の再生―温存的治療法の開発
59巻11号(2007年11月発行)
特集 手根管症候群をめぐって
59巻10号(2007年10月発行)
増大特集 ALS―研究と診療の進歩
59巻9号(2007年9月発行)
特集 パーキンソン病の認知機能障害
59巻8号(2007年8月発行)
特集 パーキンソン病の分子遺伝学―最近の知見
59巻7号(2007年7月発行)
増大特集 情報伝達処理におけるグリアの機能と異常
59巻6号(2007年6月発行)
特集 職業性神経障害の新しい展開
59巻5号(2007年5月発行)
特集 脳画像最前線
59巻4号(2007年4月発行)
増大特集 最近注目される脳神経疾患治療の研究
59巻3号(2007年3月発行)
特集 分子イメージング
59巻2号(2007年2月発行)
特集 進行性多巣性白質脳症の新しい展開―PMLが治る時代へ向けて
59巻1号(2007年1月発行)
特集 高次視覚研究の最近の進歩