文献詳細
書評
「TIAと脳卒中」—Sarah T. Pendlebury, Matthew F. Giles, Peter M. Rothwell●原著 水澤 英洋●監訳 フリーアクセス
著者: 山口武典12
所属機関: 1国立循環器病センター 2日本脳卒中協会
ページ範囲:P.1200 - P.1200
文献概要
TIAと脳梗塞は一連の病態であるので,その定義あるいは診断基準を定めることは極めて難しい。最初に米国で定められた定義は「24時間以内に症状が消失し,脳に器質的病変を残さないもの」とされているが,最近の画像診断の発達によって症状持続時間と画像上の変化による定義付けは困難との考えから,米国心臓協会(AHA)/脳卒中協会(ASA)では「持続が短時間で画像所見を残さない」というあいまいなものとなっている。しかし,本書では最も古典的な「24時間」という定義を採択しているため,われわれにとっては親しみやすい。ちなみに厚労科研による研究班(班長:国立循環器病研究センター峰松一夫副院長)でも,現在のところ24時間という定義を用いることを提言している。
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