icon fsr

雑誌目次

雑誌文献

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩66巻4号

2014年04月発行

雑誌目次

増大特集 タッチ・ビジョン・アクション

フリーアクセス

ページ範囲:P.316 - P.317

特集の意図

 「触れる」,「見る」ことをとおして外界を知覚し,そこから得た情報をもとに外界へのアウトプットを「実行」するというあまりにも自明な行為において脳が何を行っているのか。本号は,タッチ・ビジョン・アクションと題し,この疑問にまつわる近年の知見を1本の特集としてまとめあげることを試みた。読者諸氏が本特集に「触れて」,「見た」後で,何かしらの「行動」に駆り立てることができれば幸いである。

タッチと体性感覚野―最新の知見

著者: 岩村𠮷晃

ページ範囲:P.319 - P.328

体性感覚野について,最近の研究の進展を紹介した。最近はヒトでの研究が主流となっているが,その中でここではサルでの実験成果に関連するものに着目した。本稿で取り上げた主な項目は,①体性感覚野における情報処理の階層性,②中心後回における身体両側情報の統合,③視覚と体性感覚の多感覚的統合,④痛覚と体性感覚野である。体性感覚野が単なる体部位再現の場ではなく,多様な情報処理の場であることを示した。今後研究がさらに進展するにつれ,新たな魅力的側面が浮かび上がることが期待される。

触覚における時間と空間―腕交差による主観的時間順序逆転現象

著者: 山本慎也

ページ範囲:P.329 - P.339

触覚の情報処理過程において,「いつ」「どこで」発生したイベントであるかをコードすることは,外界を再構成するうえで必要不可欠である。本総説では,「腕交差によって主観的な時間順序が逆転する」という現象を取り上げ,時間と空間の情報処理が密接に絡み合っていることを示す。さらに,この現象に関するさまざまな知見を取り上げ,触覚における時間と空間の情報処理がどのように行われているのか,そのメカニズムに迫りたい。

脳梁と体性感覚

著者: 井堀奈美 ,   河村満

ページ範囲:P.341 - P.350

脳梁病変3例に各種体性感覚の移送と触覚性呼称,体性感覚性音読課題を実施し,病変部位との関連を検討した筆者らの研究を紹介する。より高次の体性感覚および体性感覚を介する言語課題に必要な統合された体性感覚情報の半球間移送には,脳梁幹後部の前方または背側が重要であることが示唆された。この結果に基づき,より高次の体性感覚と体性感覚を介する言語情報の脳内処理機構について仮説を提示する。

身体図式の障害

著者: 鶴谷奈津子 ,   小早川睦貴

ページ範囲:P.351 - P.361

身体図式の異常とされてきた障害にはさまざまなものがあるが,身体図式がどのような認知基盤なのかは不明な点が多かった。その中で自己身体部位失認は身体図式について直接的に検討できる症候として着目されてきた。身体図式は身体に特異的な処理システムなのか否か,入出力感覚モダリティとの関連はどのようか,という点について研究がなされてきた。純粋例の報告は少数であるが,身体図式は複数のモダリティや座標系に支えられた下位システムからなるとするモデルが提唱されている。

体感幻覚―身体の非自己化の体験

著者: 前田貴記 ,   三村將

ページ範囲:P.363 - P.366

統合失調症でみられる体感幻覚は,自己と一体であったはずの身体が,外界の属性を帯びて異質なものとなり,非自己化されて体験されているということである。統合失調症の前駆状態にみられることが多いが,身体は主体にとって最も至近にある外界であり,統合失調症による非自己化の影響がまず現れることは必然である。体感幻覚は自我障害の萌芽であり,体感異常を捉えることは,統合失調症の早期診断・早期介入において重要かと思われる。

ヒトの身体図式の脳内表現と身体的自己意識

著者: 内藤栄一 ,   守田知代

ページ範囲:P.367 - P.380

筋肉や関節に由来する固有受容器感覚はヒトの身体図式の形成にとって本質的である。このうち筋紡錘からの運動感覚信号は,第一次運動野を中心とする運動領野回路で潜在的な運動指令に変換され,四肢の運動知覚を支える。身体各部に由来する体性感覚は,頭頂感覚連合野で統合されて身体図式の基盤が形成され,右半球前頭-頭頂回路は,身体的自己意識に密接に関連する自己身体状態の監視や身体図式の更新に関与すると推測される。

ビジョン

著者: 泰羅雅登

ページ範囲:P.381 - P.384

2つの視覚情報経路の概念がほぼ確立されて,視覚情報処理に関する全体像が理解されるようになった。皮質の視覚領域は神経解剖学的,神経生理学的に細分化され,ヒトに近いサルにおいて個々の領域の性質が調べられ,先の概念の中に個々のパーツとして組み込まれることでさらに理解が進んだ。その一方で,全体像として理解できても,個々のパーツの連関については理解が残された部分も多い。また,ヒトにとって当たり前の知覚についての神経基盤の解明はこれからであろう。

視覚的注意とその制御メカニズム

著者: 小川洋和

ページ範囲:P.385 - P.392

視覚的注意は,厳しい処理制限を持つ脳が膨大な視覚情報の処理を効率的に処理するための心的メカニズムである。これまで実験心理学の分野で多くの研究知見が蓄積され,また認知神経科学の分野でも非常に注目されているトピックスである。本稿は,その膨大な研究知見を整理し,現在わかっている視覚的注意の性質を,注意が「何に対して向けられるか」と「どのように向けられるか」に着目して概説する。

相貌失認・表情認知

著者: 小山慎一

ページ範囲:P.393 - P.402

本稿では臨床神経心理学的研究を概観し,人物・性別・人種などの認知と表情認知が異なる脳内機構によって行われていることを示す。人物同定には紡錘状回の活動が不可欠であり,特に右紡錘状回が重要である。表情認知には上側頭溝領域,扁桃体,前頭葉内側部が重要な役割を担っている。顔認知と表情認知はいずれも脳の広範な部分が関与する高度な知的作業であり,日常生活の中で非常に重要な意味を持っているといえる。

先天性相貌失認―症候論,認知機能,神経科学的研究について

著者: 飯高哲也

ページ範囲:P.403 - P.411

先天性相貌失認とは視覚および知的能力に問題がないにもかかわらず,生下時から一生にわたる顔認知の障害を持つものである。臨床的には明らかな中枢神経系疾患を認めず,かつ通常の画像検査でも脳器質的疾患はない。欧州における疫学研究では,その罹患率は約2.5%と報告されている。発端者の第一度近親者に,類似した顔認知の障害を持つ者がいることがある。このような症状を持つ者の認知心理学的研究,脳科学的研究について考察する。またわれわれが翻訳した日本語版先天性相貌失認質問紙についても述べる。

アクション

著者: 泰羅雅登

ページ範囲:P.413 - P.415

近年,意思決定の脳内メカニズムが明らかにされつつある。行動においても,運動発現までにいくつかの行動選択のステップが前頭葉を中心に明らかになりつつある。その一方で最後の詰めを残している部分もある。高次運動野は運動をプログラムすると理解されているが,その実態はよくわかっていない。運動は関連する筋肉群の時系列的な収縮の結果であるが,それをコントロールする神経基盤の解明はこれからであろう。

島の機能と自己感

著者: 大平英樹

ページ範囲:P.417 - P.427

ラバーハンド錯覚に象徴的に表されているように,身体保持感は多感覚信号の統合により構成される。島は,側頭頭頂結合や運動前野とともに,脳と身体のインターフェースという特別な位置にあることにより,多感覚統合に重要な役割を果たしている。島,特にその前部はまた,身体内の生理的状態の感覚である内受容感覚が表象され意識される場所でもある。最近の研究は,内受容感覚は視覚や触覚などの外受容感覚と統合され,身体保持感にも影響することを示している。本稿では,身体保持感における島の機能に関する実証的知見と仮説的モデルを紹介する。さらに,そのモデルを内受容感覚の意思決定における意義を説明するために拡張することを試みる。

身体運動の冗長な運動記憶―脳内表象との関連

著者: 野崎大地

ページ範囲:P.429 - P.437

身体運動キネマティクスの脳内表象は,多くの研究者が取り組んできながらもまだ解決されていない問題である。しかし,膨大な数の神経細胞を考えれば,ある身体運動の脳内表象はそもそも唯一とは限らず,むしろ冗長性を持ちうる。本稿では,まず,脳内表象と運動記憶との関連を議論する。次に,われわれの研究結果を紹介しながら,脳内表象の冗長性が,文脈に応じて異なる運動記憶を切替えるという運動制御系の性質に反映されうることを示す。

視覚情報に基づくアクションの神経機構

著者: 星英司

ページ範囲:P.439 - P.450

視覚システムが高度に発達したヒトにおいて,視覚情報に基づくアクションの生成は,脳機能の中で重要な位置を占める。運動前野は,頭頂連合野から受け取った視覚空間情報に基づくアクション生成に関与する。一方,視覚特徴(色や形など)を処理する下側頭皮質から運動前野へ至る経路上に存在する前頭前野と大脳基底核は,視覚特徴に基づくアクション生成に関与する。したがって,運動前野に収束するネットワークが視覚空間ならびに視覚特徴に基づくアクション生成において主要な役割を果たす。

頭頂葉と前頭葉の機能連関と行動

著者: 二村明徳 ,   河村満

ページ範囲:P.451 - P.460

Liepmannは失行を肢節運動失行と観念運動性失行,観念性失行に分類し,その機序を推定した。現在でも前頭葉は動機づけと環境に従って,行為に通じる戦略を選び,その行為は頭頂葉などの感覚連合皮質によって果たされると考えられる。近年,ミラーニューロンシステムの発見や,ブローカ野病変による失行,パーキンソン病の失行,頭頂葉性運動失調が新たな前頭葉-頭頂葉連関や大脳皮質と大脳基底核や小脳との機能連関が明らかになりつつある。

総説

脳活動から探る夢の内容

著者: 堀川友慈 ,   神谷之康

ページ範囲:P.461 - P.469

夢は,睡眠中に生じる主観的体験であり,鮮やかな視覚内容を伴う。夢はその主観性ゆえに,客観的な解析が困難な対象であるとされていたが,睡眠中の急速眼球運動の発見から,脳活動をはじめとする生理指標と夢見との関係に関する知見が蓄積されてきた。本稿では,まず夢見と神経生理・行動指標との関係を調べた研究を概観し,その後,睡眠中のヒトの脳計測データから,見ている夢の内容を解読した最近の研究について紹介する。

原著

パーキンソン病における酸化DJ-1測定のバイオマーカーとしての意義の検討

著者: 小川郁子 ,   斎藤芳郎 ,   西郷和真 ,   細井幸恵 ,   三井良之 ,   野口範子 ,   楠進

ページ範囲:P.471 - P.477

パーキンソン病(PD)について,従来,血液の分析による簡便なバイオマーカーの報告は数少ない。今回筆者らは,赤血球内の酸化DJ-1蛋白(oxDJ-1)をELISA法により定量して検討した。さらに,MIBG心筋シンチグラフィーの結果について比較した。その結果,未治療PD患者13例では142.2±21.8ng oxDJ-1/mg proteinであった。一方レボドパ治療PD群10例では85.6±10.1ng oxDJ-1/mg protein,コントロール群17例の平均は56.0±6.2ng oxDJ-1/mg proteinであり,各群間で有意差を認めた。oxDJ-1測定の診断感度は86%であった。同時に検査を行ったMIBG心筋シンチグラフィーによる診断感度は88%であり,oxDJ-1はMIBG心筋シンチグラフィーと同程度の診断感度であった。赤血球内のoxDJ-1の測定はPDの早期診断バイオマーカーとして有用と考えられる。

現代神経科学の源流・5

シーモア・ベンザー【中編】

著者: 堀田凱樹 ,   酒井邦嘉

ページ範囲:P.479 - P.484

カウンター・カレント法

酒井 前回までのお話で,ベンザーはファージ研究での大仕事を経て,スペリー(Roger Wolcott Sperry;1913-1994)の研究室に入り,46歳にしてようやくショウジョウバエ研究にたどり着きました。

堀田 長かったね。ようやく私も留学します(笑)。1968年から1972年のことです。

連載 神経疾患の疫学トピックス・5

体脂肪が低いと筋萎縮性側索硬化症を発症しやすい。

著者: 桑原聡 ,   佐藤泰憲

ページ範囲:P.485 - P.487

今回は体脂肪(やせ~肥満)と筋萎縮性側索硬化症の発症リスクについて検討した大規模疫学研究について紹介する。統計学的手法についてはCox回帰分析について概説する。

神経学を作った100冊(88)

メリット『神経学教科書』(1955)

著者: 作田学

ページ範囲:P.490 - P.491

 メリット(Hilam Houston Merritt Junior;1902-1979)は,米国の神経学者であり,神経学界では20世紀を代表する,最も偉大な人物の1人と目されている。ノースカロライナ州のウィルミントンの裕福ではない家に生まれた。ウィルミントン高校を16歳のときに卒業し,ノースカロライナ大学に進んだが,1年生のときに,8つの科目で95点以上を取ったと新聞の一面で報じられたという。その後,ヴァンダービルト大学に移り学部学生を3年で卒業し,次いで1926年にジョンズホプキンス大学医学校を26歳で卒業した。インターンはイェール大学で行い,1928年に神経学のトレーニングのためにボストン市民病院のコブ(Stanley Cobb;1887-1968)の下に移った。米国の神経学のトレーニングシステムと専門医試験は1934年に制度化されるが,当時はそのようなものは存在していなかった。レジデントを終えると,ドイツ・ミュンヘンの神経病理学者として知られるシュピールマイヤー(Walther Spielmeyer;1879-1935)の下で勉強した。その後,ボストンに戻るとメリットはハーバード大学の教員になり,1944年にここを去る頃には教授職にあった。同時に,ボストン市民病院との関係も続けていた。メリットの論文は1930年から出版されるようになった。

 1945年にコロンビア大学の教授とモンテフィオーレ病院の神経学部長に招聘され,1948年にはニューヨーク神経学研究所長も任された。1959年にコロンビア大学の医学部長に選ばれ,1970年までこの地位にいることになる。同時に副学長に選ばれた。この間,1957年に設立されたパーキンソン病基金の会長に就任し,ヤール(Melvin David Yahr;1917-2004)がその研究施設の研究部長となった1)

特別寄稿

レヴィ小体の命名をめぐって―平山惠造先生の手紙から

著者: 河村満

ページ範囲:P.488 - P.489

 最近の本誌を熱心に読まれている読者ならば,このタイトルにピンときたかもしれない。本頁を掲載することになったのは,ちょうど2年前の本誌2012年4月号に掲載した鼎談『100年目のレヴィ小体研究』が発端である。まずは,筆者が書いた同号のあとがきを引用するのがわかりやすい。

お知らせ

第25回日本末梢神経学会学術集会 フリーアクセス

ページ範囲:P.361 - P.361

会期 2014年8月29日(金),30日(土)

会場 ホテルルビノ京都堀川(京都市上京区東堀川通下長者町)

書評

「大うつ病性障害・双極性障害 治療ガイドライン」―日本うつ病学会●監修 気分障害の治療ガイドライン作成委員会●編 フリーアクセス

著者: 久住一郎

ページ範囲:P.362 - P.362

 本書は,日本うつ病学会の治療ガイドライン作成委員会が3年越しで作成した双極性障害ならびに大うつ病性障害の治療ガイドラインを書籍の形にまとめたものである。日本うつ病学会は,ガイドライン作成にあたって可能な限り最新の情報を提供することを重視して,学会ホームページにそれらを公開し,随時更新する方針で臨んでおり,本書の発行後も学会ホームページから最新情報を補完することを推奨している。また,本ガイドラインは,うつ病および双極性障害の診療の手引きになることを意図したものであり,実際の診療は医師の裁量権に基づいて行われるべきものであること,実地臨床においては多くの個別要因が臨床的判断に影響するため,本ガイドライン通りの診療でなければ正しい医療水準ではないとはいえないことを繰り返し強調している。

「外来で目をまわさない めまい診療シンプルアプローチ」―城倉 健●著 フリーアクセス

著者: 田中章景

ページ範囲:P.412 - P.412

 神経症候学は,19世紀の神経学者ジャン-マルタン・シャルコー(Jean-Martin Charcot)らが活躍した時代に,神経症候を神経病理所見と対比することで症候に特異的な責任病巣を明らかにするという手法により確立した。この当時の知見は現代に至るまで脈々と受け継がれてきている。そして,現代においても神経症候学が色あせないのは,神経学の分野では,患者を問診し診察で神経症候を明らかにするというスタイルが,最先端の診断機器と比較しても遜色ないほど多くの情報をもたらすことに起因している。

 しかし,一方でMRIをはじめとする診断機器は客観的かつ正確に責任病巣を描出しうるし,遺伝子検査により100%確実な診断を下せる病気もある。このように患者から情報を得るツールが増え,その精度が飛躍的に向上するにつれ,古典的な神経症候学の相対的地位は低下してきているといわざるをえない。

「大人の発達障害ってそういうことだったのか」―宮岡 等,内山登紀夫●著 フリーアクセス

著者: 黒木俊秀

ページ範囲:P.478 - P.478

 本書は,今年(2013年)5月に福岡市にて開催された第109回日本精神神経学会学術総会に出店していたすべての書店で最も売れ,ついには完売御礼となった一冊であるという。確かに,このタイトルなら思わず手に取り,この2人の対談なら興味をそそられ,この章立てと構成なら心を動かされ,この装丁と価格なら即購入したいと思うだろう。それほどよくできた対談集である。

 宮岡等氏によれば,この対談は,「大人の精神科医の視点で,一般精神科医が理解し実践できる『大人の発達障害精神医学』を,発達障害の専門家から聞き出し,接点,共通点,相違点を探ろうとする試み」であり,「日本ではどこか壁のある大人の精神科医と子どもの精神科医をつなぎたい」と願った企画であるという。なるほど,本書は,2人の共著ではなく,対談だからこそ成功しているのかも知れない。というのも,「大人の発達障害精神医学」は,今日,なお新興の未開の領域であるからだ。

--------------------

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.437 - P.437

投稿規定 フリーアクセス

ページ範囲:P.492 - P.493

あとがき フリーアクセス

著者: 泰羅雅登

ページ範囲:P.494 - P.494

 2月の東京は2度にわたる大雪。幸いなことにいつも週末だったので,市民生活に大きな支障が出なかったのは幸いです。個人的な趣味の話で申し訳ないのですが,残念なことに,この雪でいくつかのマラソン大会が中止になってしまいました。名前だけはお聞きになったことがあるかと思いますが,市民マラソン大会の草分けである青梅マラソンも除雪が追いつかず中止になりました。青梅から先のJR線がその後しばらく運休になっていましたから,どれだけ積もったかは推して知るべしでしょうか。今回は関東甲信の山に近い地区で大きな被害が出ましたが,読者の先生方の中にも被害にあわれた方がいらっしゃるかもしれません。ご苦労をお察し申し上げます。

 災害といえば,ここに書くことが適切かどうかはわかりませんが,ちょうど今,STAP細胞の論文の件でてんやわんやのお騒ぎになっています。この編集後記を書いている時点でSTAP細胞が本当にできていたのか(あるいは,できるのか)についての決着はついていないのですが(これについては,まだ細胞が残っているとのことなので,第三者に検証してもらうことになるのでしょう),論文写真の流用などについてはほぼ申し開きのできない状況と思われます。また,学位論文に対するいくつかの疑惑も報道されています。

基本情報

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1344-8129

印刷版ISSN 1881-6096

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら