特集の意図
アミロイドとは何かと問われ,即答できる臨床医は少ない。しかし,アミロイド関連疾患は近年,病態や治療の研究の進歩が目覚ましく,臨床医としても情報のフォローアップが必要な時期に来ている。本号では「アミロイドとは何か」という問いに答えることから始め,アミロイドが関与する疾患を末梢から中枢まで網羅する。さらに,最近のトピックスである,①封入体筋炎は変性疾患であるとする説,②初のトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー治療薬「ビンダケル」,③ALアミロイドーシスに対する自己末梢血幹細胞移植療法なども盛り込み,アミロイド関連神経疾患に対する理解を深めたい。
雑誌目次
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩66巻7号
2014年07月発行
雑誌目次
増大特集 アミロイド関連神経疾患のすべて―封入体筋炎からアルツハイマー病まで
扉 フリーアクセス
ページ範囲:P.720 - P.721
アミロイドとは
著者: 矢﨑正英 , 池田修一
ページ範囲:P.723 - P.730
アミロイドーシスは,不溶化した線維状の蛋白質(アミロイド)が組織に沈着して,細胞・組織・臓器の機能障害を引き起こす疾患群である。沈着したアミロイドは,コンゴーレッド染色で赤橙色に染まり,偏光顕微鏡下では緑色偏光を呈する。沈着したアミロイドは常に沈着と融解といった代謝回転を受けており,有効な治療法がなされれば,いくつかのアミロイドーシスでは沈着アミロイドの退縮が期待できる。
アミロイドーシスの分類
著者: 三隅洋平 , 安東由喜雄
ページ範囲:P.731 - P.737
アミロイドーシスは,全身性アミロイドーシスと限局性アミロイドーシスに大別され,さらに前駆蛋白質の種類によって分類される。全身性の代表疾患としてALアミロイドーシス,AAアミロイドーシス,トランスサイレチン関連アミロイドーシス,透析アミロイドーシスなどが挙げられる。限局性にはアルツハイマー病などの脳アミロイドーシス,内分泌性アミロイドーシス,皮膚アミロイドーシスなど,多彩な臨床病型が含まれる。
封入体筋炎とアミロイド
著者: 青木正志 , 鈴木直輝
ページ範囲:P.739 - P.748
封入体筋炎は炎症性筋疾患に分類されるが,筋の「変性疾患」としての側面を持つ。骨格筋には縁取り空胞と呼ばれる特徴的な組織変化や炎症細胞浸潤を伴うと同時にアミロイドの沈着が認められる。免疫学的治療に反応せず難治性である。経過は進行性で5~10年で車椅子生活となるが,嚥下障害や転倒・骨折に注意が必要である。わが国でも患者数が増加しており,2013年に厚生労働省の研究班により新しい診断基準が作成された。
家族性アミロイドポリニューロパチー―臨床と病理
著者: 小池春樹 , 祖父江元
ページ範囲:P.749 - P.762
わが国の家族性アミロイドポリニューロパチーは従来から報告されている二大集積地以外にも,全国に散在していることが明らかになっている。特に,高齢発症例は従来型の若年発症例とは異なる病像を呈するため,診断に難渋する場合が多い。近年の治療に関する研究の進歩により,早期診断の重要性が高まってきており,ニューロパチーの鑑別診断上重要な疾患であることから,神経内科医だけでなく,一般の臨床医への啓発が必要と考えられる。
家族性アミロイドポリニューロパチー―肝移植の現状
著者: 山下太郎
ページ範囲:P.763 - P.771
トランスサイレチン(TTR)関連家族性アミロイドポリニューロパチーにおいては,沈着するアミロイドの原因蛋白質である異型TTRの90%以上が肝臓で産生されるため,異型TTRを血中から除去する肝移植が,唯一の根治的治療法として行われている。肝移植の絶対リスク減少は66.3%,エビデンスレベルはⅢ,推奨グレードはBである。新規治療薬の効果との比較が待たれ,併用療法による治療成績向上が期待される。
家族性アミロイドポリニューロパチー―新規薬物療法(ジフルニサルとタファミジス)
著者: 関島良樹
ページ範囲:P.773 - P.781
家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)に対しては肝移植の有効性が確立しているが,適応外の患者が多くを占める。TTR遺伝子変異に起因するトランスサイレチン四量体の不安定化が本症のアミロイド形成の原因であることから,近年トランスサイレチン四量体安定化薬(ジフルニサル,タファミジス)を用いたFAP治療のランダム化比較試験が実施され有効性が証明された。この結果を受け,タファミジスは2011年に欧州で,2013年にわが国でFAP治療薬として認可された。
透析アミロイドーシスの診断と治療―手根管症候群を中心に
著者: 西慎一
ページ範囲:P.783 - P.793
透析アミロイドーシスは,透析患者の血中に増加する小分子蛋白β2ミクログロブリンが前駆蛋白である全身性アミロイドーシスの1つである。透析アミロイドーシスは多彩な骨関節障害を呈するが,手根管症候群はその代表的な症状である。近年この手根管症候群手術既往症例の比率は減少している。そこには,透析療法の進歩が関与していると推測される。
ALアミロイドーシス
著者: 鈴木憲史 , 清水淑子
ページ範囲:P.795 - P.809
ALアミロイドーシスは,異常形質細胞が単クローン性に増殖し,その産物である免疫グログリン(M蛋白)の軽鎖に由来するアミロイド蛋白(free light chain:FLC)が,全身の諸臓器(心臓,腎臓,消化器,末梢神経など)に沈着して臓器障害をきたす疾患である。FLC,BNP,そして尿中アルブミンなどの新しいマーカーを用いた的確な早期診断と,メルファラン/デキサメタゾン併用療法,新規薬剤の併用や自家末梢血幹細胞移植などの治療で予後は著しく改善されてきている。
AAアミロイドーシス
著者: 吉崎和幸
ページ範囲:P.811 - P.815
AAアミロイドーシスは,炎症により増加する血清アミロイドA(SAA)を前駆物質とするAAアミロイド分子が組織に沈着して発症する。脳や神経系への沈着は,ほとんど報告されていない。本項ではAAアミロイドーシスの発症機序とSAAの産生機序を述べる。さらに,IL-6によるSAAの発現とともに,IL-6のALアミロイド産生の可能性を示す。また,Aβアミロイドーシスは,Aβのプロモーター領域がSAAのそれに類似しているため,IL-6によるAPPの産生を推定する。
老人性全身性アミロイドーシス
著者: 矢﨑正英 , 樋口京一
ページ範囲:P.817 - P.826
老人性全身性アミロイドーシス(SSA)は,野生型トランスサイレチンがアミロイド線維として組織に沈着することで発症する。アミロイドの沈着は心筋に最も顕著に認められ,不整脈や心不全症状をきたす。以前は80歳以上の高齢者に注意すべき疾患であったが,50~60代で発症する患者も存在する。また,心不全症状出現前に手根管症候群を罹患する患者が多く,手根管症候群はSSAを疑わせる鍵となる症状になりうる。
脳アミロイドアンギオパチー
著者: 坂井健二 , 山田正仁
ページ範囲:P.827 - P.835
脳アミロイドアンギオパチー(CAA)は髄膜および脳内の小~中径の血管にアミロイドの沈着を認める疾患である。CAAは沈着するアミロイドの前駆蛋白により分類され,孤発性と遺伝性に分かれるが,アミロイドβ蛋白(Aβ)による孤発性Aβ型CAAが大多数を占める。CAAは再発性の脳出血を引き起こすが,皮質の小梗塞,白質の還流障害を基盤とした認知機能障害やCAA関連炎症/脳血管炎などの原因にもなる。
脳アミロイドーシスとしてのアルツハイマー病
著者: 東海林幹夫
ページ範囲:P.837 - P.847
アルツハイマー病は緩徐進行性の認知症疾患で,脳にアミロイドβ蛋白(Aβ)沈着,神経原線維変化と神経細胞脱落を示す。主要症状は記憶障害,失語,視空間機能障害,遂行機能障害と人格変化である。診断は認知症の存在,非アルツハイマー型認知症の除外,海馬,側頭頭頂葉の進行性萎縮,後部帯状回,楔前部,側頭頭頂葉における血流・糖代謝低下とアミロイドPET陽性,脳脊髄液Aβ42低下とタウ上昇による。病態修飾薬の開発が望まれている。
プリオン病とアミロイド
著者: 坪井義夫
ページ範囲:P.849 - P.855
プリオン病は伝搬性海綿状脳症とも呼ばれる致死性の神経変性疾患であり,同時にヒトのみならず動物にも同様な疾患を呈することから,人畜共通感染症の側面もある。プリオン病では正常脳細胞に存在する正常型プリオン蛋白PrPCが,病的状態で高次構造変化を生じ,不溶性異常型プリオン蛋白PrPScに変化し病原性を持つと考えられる。プリオン病の脳病理においてPrPScの凝集,蓄積がみられ,さらに海綿状変化,グリオーシス,細胞脱落などの特徴的病理を呈している。PrPScはβシート構造に富んでおり,アミロイド原性を有する。この病態はアミロイドーシスと共通しており,実際にプリオン病ではアミロイド沈着も認められることから,限局性(脳)アミロイドーシスにも分類される。この総説では限局性アミロイドーシスとしてのプリオン病を概説する。
総説
ANCA関連血管炎による末梢神経障害の診断と治療
著者: 服部直樹
ページ範囲:P.857 - P.862
ANCA関連血管炎に伴う末梢神経障害は,末梢神経を栄養する小型血管を標的に壊死性血管炎が生じ,虚血性の機序により軸索変性による障害が惹起されることによって起こる。運動機能障害のみならず感覚障害や疼痛のため日常生活機能や生活の質に重大な影響を及ぼす。末梢神経系はANCA関連血管炎の主たる病変部位であることを十分に認識して,迅速な早期診断と適切な治療介入が肝要である。
ヒステリー(転換性障害)の神経学
著者: 園生雅弘
ページ範囲:P.863 - P.871
シャルコーのヒステリー研究は神経学と精神医学両者の母体となった。器質性疾患とヒステリーの鑑別法として,バビンスキー徴候が発見された。ヒステリーの診断を除外診断として行うのは過剰検査の危険があり,避けるべきである。また,バビンスキーも主張したように,心的原因の有無や心理学的特質からヒステリーと診断するのも正しくない。神経症候そのもの,即ち,ヒステリーの陽性徴候から,早期に積極診断を目指すべきである。
症例報告
多発脳神経麻痺を呈したIgG4関連肥厚性硬膜炎の1例
著者: 津川潤 , 合馬慎二 , 深江治郎 , 坪井義夫 , 坂田則行 , 井上亨
ページ範囲:P.873 - P.878
症例は75歳女性。多発脳神経麻痺を呈したIgG4関連肥厚性硬膜炎を経験した。約10カ月の経過で左聴神経障害,拍動性の左側頭部痛,右迷走神経・副神経障害が順次出現し,その後,突然両側視力障害を呈した。造影頭部MRIで硬膜肥厚を認め,診断目的で脳硬膜生検を行った。病理所見では,肥厚した硬膜の線維性変化,リンパ球を中心とした炎症細胞浸潤およびIgG4陽性形質細胞浸潤を認め,また一部に硬膜動脈周囲の炎症細胞浸潤を伴っていた。ステロイド療法により視力は急速に回復し,画像所見でも肥厚した硬膜の改善がみられた。本症例の臨床像は特発性肥厚性硬膜炎であり,病理組織は近年提唱されているIgG4関連疾患の像を呈していた。これまで特発性肥厚性硬膜炎と考えられていたものの中には,このようなIgG4関連疾患が含まれていると考えられる。
神経画像アトラス
複視と眼瞼下垂を呈した多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫症)の1例
著者: 北原真紀子 , 金澤雅人 , 畠山公大 , 柳村文寛 , 坂上拓郎 , 河内泉 , 西澤正豊
ページ範囲:P.880 - P.881
〈症 例〉55歳,男性
主 訴 左眼瞼下垂,複視,鼻閉,咳嗽
既往歴 高血圧症にて内服治療中
Isolated cerebellar hemiatrophyの1例
著者: 岩波久威 , 岩崎晶夫 , 岡村穏 , 川崎亜紀子 , 定翼 , 中村利生 , 国分則人 , 平田幸一
ページ範囲:P.882 - P.884
小脳皮質萎縮症の原因は小脳炎,小脳梗塞,小脳腫瘍,脊髄小脳変性症などの一次性と,アルコール性,フェニトインやリチウムなどによる薬剤性,水銀,マンガン,鉛,タリウムによる中毒性,甲状腺機能低下症による内分泌性,傍腫瘍性などの二次性に大別される1)。片側に小脳萎縮を認めることは稀であり,今回,明らかな原因がなく約5年の経過で右半身の小脳失調が出現・進行したisolated cerebellar hemiatrophyの1例を経験したので報告する。
Neurological CPC特別編
疾患概念はどう変わったか―Neuro CPC10年間の症例を振り返って
著者: 中野今治 , 横地正之 , 河村満 , 後藤淳 , 織茂智之 , 福田隆浩 , 藤ヶ﨑純子 , 鈴木正彦 , 星野晴彦
ページ範囲:P.885 - P.895
河村 満(昭和大学神経内科) 今日は,たくさんの方にお集まりいただいて,ありがとうございます。今日で本会も第20回,ちょうど10年目を迎えました。これを記念して本日は,特別記念講演を自治医科大学の中野今治教授にお願いいたします。中野先生には,これまで本会に発表された症例のまとめをしていただきたいと,資料をお渡ししました。この10年で神経疾患の疾患概念もずいぶん変わっていますので,そのあたりを神経病理学の立場からご講義いただきます。
中野先生は,1974年に東京大学を卒業されまして,1980年にニューヨークのモンテフィオーレ・メディカルセンターで,フェローとして平野朝雄先生の下で神経病理学を研鑽なさって,お帰りになってから,また東大病院にお勤めになって,いくつかの施設にお移りになったあと,1996年6月から自治医科大学の神経内科の教授として教壇に立っておられます。
学会印象記
第23回欧州脳卒中学会(2014年5月6~9日,ニース)
著者: 森貴久
ページ範囲:P.896 - P.897
2014年の欧州脳卒中学会(European Stroke Conference 2014:ESC2014)はフランスのニースで開催された。ニースでESCが開催されるは2回目だ。ニースはフランスの南東に位置するプロヴァンス地方,モナコとカンヌの間の都市。地中海に面していて,一帯の海岸はコート・ダジュール(Côte d'Azur)と呼ばれる風光明媚な地である。イタリアから続く美しい海岸は「リヴィエラ」とも呼ばれる(写真1)。
ESC2014はそのようなニースのアクロポリス・コンベンション・センターで開催された(写真2)。学会の受付で手続きを済ませ学会バッジを受け取りプログラム集をpick-upしたとき,受付デスクで学会特製Lignes d'Azurチケットを渡された。ニース中心部の移動に便利なトラム(写真3)に会期中毎日乗り放題の4日間有効チケットである。ホテルと学会場との往復に毎日使うことができた。Lignes d'Azurそのものは下調べで知っていてトラム・ステーションで購入するつもりだったのと,しかも学会特製でもあり嬉しかった。
連載 神経学を作った100冊(91)
フルトン『神経系の生理学』(1938)
著者: 作田学
ページ範囲:P.898 - P.899
フルトン(John Farquar Fulton;1899-1960)は米国中西部ミネソタ州のセントポールに1899年11月1日に生まれた。ハーバード大学を1921年に卒業し,オックスフォード大学へ留学して1925年にMAとPh-Dの学位を得た。オックスフォード大学では1923~1925年に生理学の実地授業助手としてシェリントンのもとで仕事をした。1925年に米国に戻り,ハーバード大学の生理学実験助手を1928年まで続け,1927年にハーバード大学で学位を取得した。1928年にはクッシング(Harvey Williams Cushing;1869-1939)のもとで一時働いた。1929年にイェール大学生理学教授に選ばれ,1951年までその任にあった。
ちなみに,フルトンは1935年にオックスフォード大学のシェリントンの後継教授に指名されたが,これを断っている。米国が研究設備の点でも,予算の点でも既に英国をリードしていたことの表れだと思われる。
書評
「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」―日本神経学会/日本頭痛学会●監修 慢性頭痛の診療ガイドライン作成委員会●編 フリーアクセス
著者: 髙橋良輔
ページ範囲:P.856 - P.856
診療ガイドラインに必要な条件はまず,EBMの手法に忠実にのっとって作成されていることであるが,次にどれだけ読みやすく使い勝手がよいかという,読者の利便性を考慮することが挙げられると私は考えている。ガイドラインの目的は医療の標準化であり,広く読まれなければその目的を達成することができないからである。
本書は,その前版の,日本頭痛学会による『慢性頭痛の診療ガイドライン』(2006年)から読者への配慮が行き届いているのが印象的であった。臨床的に重要な問題がクリニカルクエスチョンに網羅されているだけでなく,クリニカルクエスチョンも推奨文も短い文章にまとめられ,解説,文献まで含めて2~3ページ以内に収められている。短時間でポイントがわかる構成をとっており,薬物治療では容量など具体的な記載が充実しているため,若手医師や頭痛の非専門医にとってもベッドサイドで使いやすく,私も大変重宝していた。私自身,日本神経学会編『パーキンソン病治療ガイドライン2011』の作成に携わったが,上記の点で慢性頭痛のガイドラインを良いお手本として参考にさせていただいたものである。
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次号予告 フリーアクセス
ページ範囲:P.895 - P.895
投稿規定 フリーアクセス
ページ範囲:P.900 - P.901
「読者からの手紙」募集 フリーアクセス
ページ範囲:P.901 - P.901
あとがき フリーアクセス
著者: 酒井邦嘉
ページ範囲:P.902 - P.902
半年ほど前から,フルートを習い始めた。先生について習ったことのある楽器はヴァイオリンだけだったので,管楽器のトレーニングは初めての経験である。私の場合,木工技術の粋であるヴァイオリンから木製のリコーダーやトラヴェルソへと関心が広がり,金属製のモダン・フルートにたどり着いた次第である。自然な息が音に変化するという爽快感は,弦楽器とは違った魅力だと改めて思うようになった。
約4万年前の笛が出土しており,これが現存する最古の楽器だというから,フルートは実に息の長い楽器である。古代の笛は,鳥の中空な骨などを利用して途中に横穴を開けたものであった。横笛の系譜をたどると,日本では古来の龍笛や篠笛がそのまま現代まで続いている一方,西洋では円筒管のルネサンス・フルートから,バロック期に円錐管のフラウト・トラヴェルソへと発展した。ベーム式のモダン・フルートに移行してからは150年余りしか経っていない。19世紀後半のアルテスによる教本が今なお使われている一方で,基礎的な演奏技法をめぐる対立した見解は珍しくない。音が出る原理をよく理解して,理にかなった習得法を選びたいものである。
著作財産権譲渡承諾書 フリーアクセス
ページ範囲:P. - P.
読者アンケート用紙 フリーアクセス
ページ範囲:P. - P.
基本情報
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76巻11号(2024年11月発行)
特集 ALS 2024
76巻10号(2024年10月発行)
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76巻9号(2024年9月発行)
特集 治療可能な認知症としてのアルツハイマー病
76巻8号(2024年8月発行)
特集 Common diseaseは神経学の主戦場である—revisited
76巻7号(2024年7月発行)
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76巻6号(2024年6月発行)
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76巻5号(2024年5月発行)
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76巻4号(2024年4月発行)
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75巻11号(2023年11月発行)
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75巻10号(2023年10月発行)
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75巻9号(2023年9月発行)
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72巻3号(2020年3月発行)
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72巻2号(2020年2月発行)
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71巻8号(2019年8月発行)
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71巻7号(2019年7月発行)
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71巻6号(2019年6月発行)
特集 補体標的治療の現状と展望
71巻5号(2019年5月発行)
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71巻4号(2019年4月発行)
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71巻3号(2019年3月発行)
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71巻2号(2019年2月発行)
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特集 人工知能の医療応用Update
70巻12号(2018年12月発行)
特集 主訴に沿う—俯瞰し収束する画像診断の目
70巻11号(2018年11月発行)
増大特集 脳科学で解き明かす精神神経症候
70巻10号(2018年10月発行)
特集 「左脳と右脳」の現在
70巻9号(2018年9月発行)
特集 脳神経内科診療に役立つ精神科の知識
70巻8号(2018年8月発行)
特集 レヴィ小体型認知症の新知見
70巻7号(2018年7月発行)
増大特集 記憶と忘却に関わる脳のしくみ—分子機構から健忘の症候まで
70巻6号(2018年6月発行)
特集 芸術を生み出す脳
70巻5号(2018年5月発行)
特集 非アルツハイマー型認知症の病理学
70巻4号(2018年4月発行)
増大特集 Antibody Update 2018
70巻3号(2018年3月発行)
特集 『認知症疾患診療ガイドライン2017』を読み解く
70巻2号(2018年2月発行)
特集 知っておきたい神経感染症
70巻1号(2018年1月発行)
特集 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の今
69巻12号(2017年12月発行)
特集 運動異常症をみる—Web動画付録つき
69巻11号(2017年11月発行)
増大特集 こころの時間学の未来
69巻10号(2017年10月発行)
特集 成人てんかん—知っておきたい6つのトピック
69巻9号(2017年9月発行)
特集 ミクログリアと精神・神経疾患
69巻8号(2017年8月発行)
特集 遺伝性脊髄小脳失調症の病態と治療展望
69巻7号(2017年7月発行)
増大特集 あしたのアルツハイマー病治療
69巻6号(2017年6月発行)
特集 局在病変の神経心理学
69巻5号(2017年5月発行)
特集 Voxel-Based Morphometry—体積からわかること
69巻4号(2017年4月発行)
増大特集 ブロードマン領野の現在地
69巻3号(2017年3月発行)
特集 磁気刺激の新たな展開
69巻2号(2017年2月発行)
特集 Stroke-Like Diseases—鑑別時に注意を要する5病態
69巻1号(2017年1月発行)
特集 近年注目されている白質脳症
68巻12号(2016年12月発行)
特集 炎症性神経・筋疾患の新たな展開
68巻11号(2016年11月発行)
増大特集 連合野ハンドブック
68巻10号(2016年10月発行)
特集 アディクション—行動の嗜癖
68巻9号(2016年9月発行)
特集 自己免疫性脳炎・脳症
68巻8号(2016年8月発行)
特集 こころと汗
68巻7号(2016年7月発行)
増大特集 認知症の危険因子と防御因子
68巻6号(2016年6月発行)
特集 脳とフローラ
68巻5号(2016年5月発行)
特集 手の症候学—生理学・解剖学からみた新知見
68巻4号(2016年4月発行)
増大特集 治せる認知症
68巻3号(2016年3月発行)
特集 末梢神経の血管炎
68巻2号(2016年2月発行)
特集 筋疾患の認知機能障害
68巻1号(2016年1月発行)
特集 シャルコー・マリー・トゥース病
67巻12号(2015年12月発行)
特集 視床と高次脳機能
67巻11号(2015年11月発行)
増大特集 ギラン・バレー症候群のすべて—100年の軌跡
67巻10号(2015年10月発行)
特集 非・日常生活の脳科学
67巻9号(2015年9月発行)
特集 酵素補充療法
67巻8号(2015年8月発行)
特集 神経難病の終末期医療
67巻7号(2015年7月発行)
増大特集 神経疾患と感染症update
67巻6号(2015年6月発行)
特集 脳と「質感」
67巻5号(2015年5月発行)
特集 NCSE(非痙攣性てんかん重積状態)
67巻4号(2015年4月発行)
増大特集 大脳皮質vs.大脳白質
67巻3号(2015年3月発行)
特集 中枢神経の血管炎
67巻2号(2015年2月発行)
特集 「食べる」を考える
67巻1号(2015年1月発行)
特集 ニューロトキシコロジー
66巻12号(2014年12月発行)
特集 Orthopaedic Neurology—神経内科と整形外科の狭間で
66巻11号(2014年11月発行)
増大特集 神経症候学は神経学の“魂”である
66巻10号(2014年10月発行)
特集 分子を撃つ 神経疾患治療の新しい水平線
66巻9号(2014年9月発行)
特集 痙縮の臨床神経学
66巻8号(2014年8月発行)
特集 神経系の悪性リンパ腫update
66巻7号(2014年7月発行)
増大特集 アミロイド関連神経疾患のすべて―封入体筋炎からアルツハイマー病まで
66巻6号(2014年6月発行)
特集 ミラーニューロン
66巻5号(2014年5月発行)
特集 アセチルコリンと神経疾患―100年目の現在地
66巻4号(2014年4月発行)
増大特集 タッチ・ビジョン・アクション
66巻3号(2014年3月発行)
特集 神経筋疾患の超音波診断
66巻2号(2014年2月発行)
特集 糖尿病の神経学revisited
66巻1号(2014年1月発行)
特集 日常生活の脳科学
65巻12号(2013年12月発行)
特集 プロテイノパチーの神経病理学
65巻11号(2013年11月発行)
増大特集 Close Encounters―臨床神経学と臨床免疫学の遭遇と未来
65巻10号(2013年10月発行)
特集 神経系の発達メカニズム―最近の話題
65巻9号(2013年9月発行)
特集 Common diseaseは神経学の主戦場である―現状と展望
65巻8号(2013年8月発行)
特集 こころの時間学―現在・過去・未来の起源を求めて
65巻7号(2013年7月発行)
増大特集 あしたの脳梗塞
65巻6号(2013年6月発行)
特集 見せる・仕分ける―脳機能解析の新手法
65巻5号(2013年5月発行)
特集 てんかん―新しいパースペクティブ
65巻4号(2013年4月発行)
増大特集 Antibody Update
65巻3号(2013年3月発行)
特集 次世代シーケンサーによる神経変性疾患の解析と展望
65巻2号(2013年2月発行)
特集 血液脳関門研究の進歩
65巻1号(2013年1月発行)
特集 Corticobasal Syndrome
64巻12号(2012年12月発行)
特集 The Border-Land of Dementia
64巻11号(2012年11月発行)
増大特集 痛みの神経学―末梢神経から脳まで
64巻10号(2012年10月発行)
特集 辺縁系をめぐって
64巻9号(2012年9月発行)
特集 高次脳機能イメージングの脳科学への新展開
64巻8号(2012年8月発行)
特集 線条体の基礎と臨床
64巻7号(2012年7月発行)
増大特集 顔認知の脳内機構
64巻6号(2012年6月発行)
特集 睡眠と覚醒の脳内機構
64巻5号(2012年5月発行)
特集 神経疾患のバイオマーカー
64巻4号(2012年4月発行)
増大特集 パーキンソン病の新しい側面
64巻3号(2012年3月発行)
特集 アカデミアから新規治療の実現へ―トランスレーショナルリサーチの現状
64巻2号(2012年2月発行)
特集 生物学的精神医学の進歩
64巻1号(2012年1月発行)
特集 iPS細胞と神経疾患
63巻12号(2011年12月発行)
特集 神経心理学と画像解析の融合
63巻11号(2011年11月発行)
増大特集 筋疾患update
63巻10号(2011年10月発行)
特集 緩徐進行性高次脳機能障害の病態
63巻9号(2011年9月発行)
特集 脳卒中の最新画像診断
63巻8号(2011年8月発行)
特集 日本人の発見した神経症候
63巻7号(2011年7月発行)
増大特集 神経筋接合部―基礎から臨床まで
63巻6号(2011年6月発行)
特集 ニューロパチー
63巻5号(2011年5月発行)
特集 神経系と血管内リンパ腫
63巻4号(2011年4月発行)
増大特集 てんかんの新しい治療
63巻3号(2011年3月発行)
特集 サイバーナイフ治療
63巻2号(2011年2月発行)
特集 続・日本人の発見した神経疾患
63巻1号(2011年1月発行)
特集 血管腫
62巻12号(2010年12月発行)
特集 頸部頸動脈狭窄症の診断と治療
62巻11号(2010年11月発行)
増大特集 歩行とその異常
62巻10号(2010年10月発行)
特集 ブレインバンク
62巻9号(2010年9月発行)
特集 視神経脊髄炎(NMO)update
62巻8号(2010年8月発行)
特集 辺縁系脳炎
62巻7号(2010年7月発行)
増大特集 アルツハイマー病―研究と診療の進歩
62巻6号(2010年6月発行)
特集 改正臓器移植法の問題点とその対応
62巻5号(2010年5月発行)
特集 神経画像のピットフォール―見落としと読み過ぎ
62巻4号(2010年4月発行)
特集 傍腫瘍性神経筋疾患update
62巻3号(2010年3月発行)
特集 神経回路解析法の最近の進歩
62巻2号(2010年2月発行)
特集 ニューロリハビリテーションの最前線
62巻1号(2010年1月発行)
特集 神経救急
61巻12号(2009年12月発行)
特集 Somatotopy再考
61巻11号(2009年11月発行)
特集 前頭側頭葉変性症
61巻10号(2009年10月発行)
特集 片頭痛の予防療法
61巻9号(2009年9月発行)
特集 脳血管障害治療の進歩
61巻8号(2009年8月発行)
特集 神経・筋疾患の分子標的治療
61巻7号(2009年7月発行)
特集 脳腫瘍研究の最前線―遺伝子解析から治療まで
61巻6号(2009年6月発行)
特集 脊椎・脊髄外科の最近の進歩
61巻5号(2009年5月発行)
特集 Restless legs syndrome
61巻4号(2009年4月発行)
特集 大脳基底核―分子基盤から臨床まで
61巻3号(2009年3月発行)
特集 Microneurography(微小神経電図法)の臨床応用
61巻2号(2009年2月発行)
特集 神経系の再興感染症と輸入感染症
61巻1号(2009年1月発行)
特集 脳神経倫理
60巻12号(2008年12月発行)
特集 痙縮
60巻11号(2008年11月発行)
特集 脳卒中と遺伝子
60巻10号(2008年10月発行)
特集 若年者の脳卒中
60巻9号(2008年9月発行)
特集 知・情・意の神経学
60巻8号(2008年8月発行)
特集 脳硬膜動静脈瘻
60巻7号(2008年7月発行)
増大特集 学習と記憶――基礎と臨床
60巻6号(2008年6月発行)
特集 Crow-深瀬症候群(POEMS症候群)
60巻5号(2008年5月発行)
特集 「痛み」の研究と治療の最前線
60巻4号(2008年4月発行)
増大特集 神経系の発生とその異常
60巻3号(2008年3月発行)
特集 特発性正常圧水頭症(iNPH)―最近の話題
60巻2号(2008年2月発行)
特集 がん治療と神経障害
60巻1号(2008年1月発行)
特集 日本人の発見した神経疾患
59巻12号(2007年12月発行)
特集 損傷神経の再生―温存的治療法の開発
59巻11号(2007年11月発行)
特集 手根管症候群をめぐって
59巻10号(2007年10月発行)
増大特集 ALS―研究と診療の進歩
59巻9号(2007年9月発行)
特集 パーキンソン病の認知機能障害
59巻8号(2007年8月発行)
特集 パーキンソン病の分子遺伝学―最近の知見
59巻7号(2007年7月発行)
増大特集 情報伝達処理におけるグリアの機能と異常
59巻6号(2007年6月発行)
特集 職業性神経障害の新しい展開
59巻5号(2007年5月発行)
特集 脳画像最前線
59巻4号(2007年4月発行)
増大特集 最近注目される脳神経疾患治療の研究
59巻3号(2007年3月発行)
特集 分子イメージング
59巻2号(2007年2月発行)
特集 進行性多巣性白質脳症の新しい展開―PMLが治る時代へ向けて
59巻1号(2007年1月発行)
特集 高次視覚研究の最近の進歩