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雑誌目次

雑誌文献

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩66巻7号

2014年07月発行

雑誌目次

増大特集 アミロイド関連神経疾患のすべて―封入体筋炎からアルツハイマー病まで

フリーアクセス

ページ範囲:P.720 - P.721

特集の意図

 アミロイドとは何かと問われ,即答できる臨床医は少ない。しかし,アミロイド関連疾患は近年,病態や治療の研究の進歩が目覚ましく,臨床医としても情報のフォローアップが必要な時期に来ている。本号では「アミロイドとは何か」という問いに答えることから始め,アミロイドが関与する疾患を末梢から中枢まで網羅する。さらに,最近のトピックスである,①封入体筋炎は変性疾患であるとする説,②初のトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー治療薬「ビンダケル」,③ALアミロイドーシスに対する自己末梢血幹細胞移植療法なども盛り込み,アミロイド関連神経疾患に対する理解を深めたい。

アミロイドとは

著者: 矢﨑正英 ,   池田修一

ページ範囲:P.723 - P.730

アミロイドーシスは,不溶化した線維状の蛋白質(アミロイド)が組織に沈着して,細胞・組織・臓器の機能障害を引き起こす疾患群である。沈着したアミロイドは,コンゴーレッド染色で赤橙色に染まり,偏光顕微鏡下では緑色偏光を呈する。沈着したアミロイドは常に沈着と融解といった代謝回転を受けており,有効な治療法がなされれば,いくつかのアミロイドーシスでは沈着アミロイドの退縮が期待できる。

アミロイドーシスの分類

著者: 三隅洋平 ,   安東由喜雄

ページ範囲:P.731 - P.737

アミロイドーシスは,全身性アミロイドーシスと限局性アミロイドーシスに大別され,さらに前駆蛋白質の種類によって分類される。全身性の代表疾患としてALアミロイドーシス,AAアミロイドーシス,トランスサイレチン関連アミロイドーシス,透析アミロイドーシスなどが挙げられる。限局性にはアルツハイマー病などの脳アミロイドーシス,内分泌性アミロイドーシス,皮膚アミロイドーシスなど,多彩な臨床病型が含まれる。

封入体筋炎とアミロイド

著者: 青木正志 ,   鈴木直輝

ページ範囲:P.739 - P.748

封入体筋炎は炎症性筋疾患に分類されるが,筋の「変性疾患」としての側面を持つ。骨格筋には縁取り空胞と呼ばれる特徴的な組織変化や炎症細胞浸潤を伴うと同時にアミロイドの沈着が認められる。免疫学的治療に反応せず難治性である。経過は進行性で5~10年で車椅子生活となるが,嚥下障害や転倒・骨折に注意が必要である。わが国でも患者数が増加しており,2013年に厚生労働省の研究班により新しい診断基準が作成された。

家族性アミロイドポリニューロパチー―臨床と病理

著者: 小池春樹 ,   祖父江元

ページ範囲:P.749 - P.762

わが国の家族性アミロイドポリニューロパチーは従来から報告されている二大集積地以外にも,全国に散在していることが明らかになっている。特に,高齢発症例は従来型の若年発症例とは異なる病像を呈するため,診断に難渋する場合が多い。近年の治療に関する研究の進歩により,早期診断の重要性が高まってきており,ニューロパチーの鑑別診断上重要な疾患であることから,神経内科医だけでなく,一般の臨床医への啓発が必要と考えられる。

家族性アミロイドポリニューロパチー―肝移植の現状

著者: 山下太郎

ページ範囲:P.763 - P.771

トランスサイレチン(TTR)関連家族性アミロイドポリニューロパチーにおいては,沈着するアミロイドの原因蛋白質である異型TTRの90%以上が肝臓で産生されるため,異型TTRを血中から除去する肝移植が,唯一の根治的治療法として行われている。肝移植の絶対リスク減少は66.3%,エビデンスレベルはⅢ,推奨グレードはBである。新規治療薬の効果との比較が待たれ,併用療法による治療成績向上が期待される。

家族性アミロイドポリニューロパチー―新規薬物療法(ジフルニサルとタファミジス)

著者: 関島良樹

ページ範囲:P.773 - P.781

家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)に対しては肝移植の有効性が確立しているが,適応外の患者が多くを占める。TTR遺伝子変異に起因するトランスサイレチン四量体の不安定化が本症のアミロイド形成の原因であることから,近年トランスサイレチン四量体安定化薬(ジフルニサル,タファミジス)を用いたFAP治療のランダム化比較試験が実施され有効性が証明された。この結果を受け,タファミジスは2011年に欧州で,2013年にわが国でFAP治療薬として認可された。

透析アミロイドーシスの診断と治療―手根管症候群を中心に

著者: 西慎一

ページ範囲:P.783 - P.793

透析アミロイドーシスは,透析患者の血中に増加する小分子蛋白β2ミクログロブリンが前駆蛋白である全身性アミロイドーシスの1つである。透析アミロイドーシスは多彩な骨関節障害を呈するが,手根管症候群はその代表的な症状である。近年この手根管症候群手術既往症例の比率は減少している。そこには,透析療法の進歩が関与していると推測される。

ALアミロイドーシス

著者: 鈴木憲史 ,   清水淑子

ページ範囲:P.795 - P.809

ALアミロイドーシスは,異常形質細胞が単クローン性に増殖し,その産物である免疫グログリン(M蛋白)の軽鎖に由来するアミロイド蛋白(free light chain:FLC)が,全身の諸臓器(心臓,腎臓,消化器,末梢神経など)に沈着して臓器障害をきたす疾患である。FLC,BNP,そして尿中アルブミンなどの新しいマーカーを用いた的確な早期診断と,メルファラン/デキサメタゾン併用療法,新規薬剤の併用や自家末梢血幹細胞移植などの治療で予後は著しく改善されてきている。

AAアミロイドーシス

著者: 吉崎和幸

ページ範囲:P.811 - P.815

AAアミロイドーシスは,炎症により増加する血清アミロイドA(SAA)を前駆物質とするAAアミロイド分子が組織に沈着して発症する。脳や神経系への沈着は,ほとんど報告されていない。本項ではAAアミロイドーシスの発症機序とSAAの産生機序を述べる。さらに,IL-6によるSAAの発現とともに,IL-6のALアミロイド産生の可能性を示す。また,Aβアミロイドーシスは,Aβのプロモーター領域がSAAのそれに類似しているため,IL-6によるAPPの産生を推定する。

老人性全身性アミロイドーシス

著者: 矢﨑正英 ,   樋口京一

ページ範囲:P.817 - P.826

老人性全身性アミロイドーシス(SSA)は,野生型トランスサイレチンがアミロイド線維として組織に沈着することで発症する。アミロイドの沈着は心筋に最も顕著に認められ,不整脈や心不全症状をきたす。以前は80歳以上の高齢者に注意すべき疾患であったが,50~60代で発症する患者も存在する。また,心不全症状出現前に手根管症候群を罹患する患者が多く,手根管症候群はSSAを疑わせる鍵となる症状になりうる。

脳アミロイドアンギオパチー

著者: 坂井健二 ,   山田正仁

ページ範囲:P.827 - P.835

脳アミロイドアンギオパチー(CAA)は髄膜および脳内の小~中径の血管にアミロイドの沈着を認める疾患である。CAAは沈着するアミロイドの前駆蛋白により分類され,孤発性と遺伝性に分かれるが,アミロイドβ蛋白(Aβ)による孤発性Aβ型CAAが大多数を占める。CAAは再発性の脳出血を引き起こすが,皮質の小梗塞,白質の還流障害を基盤とした認知機能障害やCAA関連炎症/脳血管炎などの原因にもなる。

脳アミロイドーシスとしてのアルツハイマー病

著者: 東海林幹夫

ページ範囲:P.837 - P.847

アルツハイマー病は緩徐進行性の認知症疾患で,脳にアミロイドβ蛋白(Aβ)沈着,神経原線維変化と神経細胞脱落を示す。主要症状は記憶障害,失語,視空間機能障害,遂行機能障害と人格変化である。診断は認知症の存在,非アルツハイマー型認知症の除外,海馬,側頭頭頂葉の進行性萎縮,後部帯状回,楔前部,側頭頭頂葉における血流・糖代謝低下とアミロイドPET陽性,脳脊髄液Aβ42低下とタウ上昇による。病態修飾薬の開発が望まれている。

プリオン病とアミロイド

著者: 坪井義夫

ページ範囲:P.849 - P.855

プリオン病は伝搬性海綿状脳症とも呼ばれる致死性の神経変性疾患であり,同時にヒトのみならず動物にも同様な疾患を呈することから,人畜共通感染症の側面もある。プリオン病では正常脳細胞に存在する正常型プリオン蛋白PrPCが,病的状態で高次構造変化を生じ,不溶性異常型プリオン蛋白PrPScに変化し病原性を持つと考えられる。プリオン病の脳病理においてPrPScの凝集,蓄積がみられ,さらに海綿状変化,グリオーシス,細胞脱落などの特徴的病理を呈している。PrPScはβシート構造に富んでおり,アミロイド原性を有する。この病態はアミロイドーシスと共通しており,実際にプリオン病ではアミロイド沈着も認められることから,限局性(脳)アミロイドーシスにも分類される。この総説では限局性アミロイドーシスとしてのプリオン病を概説する。

総説

ANCA関連血管炎による末梢神経障害の診断と治療

著者: 服部直樹

ページ範囲:P.857 - P.862

ANCA関連血管炎に伴う末梢神経障害は,末梢神経を栄養する小型血管を標的に壊死性血管炎が生じ,虚血性の機序により軸索変性による障害が惹起されることによって起こる。運動機能障害のみならず感覚障害や疼痛のため日常生活機能や生活の質に重大な影響を及ぼす。末梢神経系はANCA関連血管炎の主たる病変部位であることを十分に認識して,迅速な早期診断と適切な治療介入が肝要である。

ヒステリー(転換性障害)の神経学

著者: 園生雅弘

ページ範囲:P.863 - P.871

シャルコーのヒステリー研究は神経学と精神医学両者の母体となった。器質性疾患とヒステリーの鑑別法として,バビンスキー徴候が発見された。ヒステリーの診断を除外診断として行うのは過剰検査の危険があり,避けるべきである。また,バビンスキーも主張したように,心的原因の有無や心理学的特質からヒステリーと診断するのも正しくない。神経症候そのもの,即ち,ヒステリーの陽性徴候から,早期に積極診断を目指すべきである。

症例報告

多発脳神経麻痺を呈したIgG4関連肥厚性硬膜炎の1例

著者: 津川潤 ,   合馬慎二 ,   深江治郎 ,   坪井義夫 ,   坂田則行 ,   井上亨

ページ範囲:P.873 - P.878

症例は75歳女性。多発脳神経麻痺を呈したIgG4関連肥厚性硬膜炎を経験した。約10カ月の経過で左聴神経障害,拍動性の左側頭部痛,右迷走神経・副神経障害が順次出現し,その後,突然両側視力障害を呈した。造影頭部MRIで硬膜肥厚を認め,診断目的で脳硬膜生検を行った。病理所見では,肥厚した硬膜の線維性変化,リンパ球を中心とした炎症細胞浸潤およびIgG4陽性形質細胞浸潤を認め,また一部に硬膜動脈周囲の炎症細胞浸潤を伴っていた。ステロイド療法により視力は急速に回復し,画像所見でも肥厚した硬膜の改善がみられた。本症例の臨床像は特発性肥厚性硬膜炎であり,病理組織は近年提唱されているIgG4関連疾患の像を呈していた。これまで特発性肥厚性硬膜炎と考えられていたものの中には,このようなIgG4関連疾患が含まれていると考えられる。

神経画像アトラス

複視と眼瞼下垂を呈した多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫症)の1例

著者: 北原真紀子 ,   金澤雅人 ,   畠山公大 ,   柳村文寛 ,   坂上拓郎 ,   河内泉 ,   西澤正豊

ページ範囲:P.880 - P.881

〈症 例〉55歳,男性

 主 訴 左眼瞼下垂,複視,鼻閉,咳嗽

 既往歴 高血圧症にて内服治療中

Isolated cerebellar hemiatrophyの1例

著者: 岩波久威 ,   岩崎晶夫 ,   岡村穏 ,   川崎亜紀子 ,   定翼 ,   中村利生 ,   国分則人 ,   平田幸一

ページ範囲:P.882 - P.884

 小脳皮質萎縮症の原因は小脳炎,小脳梗塞,小脳腫瘍,脊髄小脳変性症などの一次性と,アルコール性,フェニトインやリチウムなどによる薬剤性,水銀,マンガン,鉛,タリウムによる中毒性,甲状腺機能低下症による内分泌性,傍腫瘍性などの二次性に大別される1)。片側に小脳萎縮を認めることは稀であり,今回,明らかな原因がなく約5年の経過で右半身の小脳失調が出現・進行したisolated cerebellar hemiatrophyの1例を経験したので報告する。

Neurological CPC特別編

疾患概念はどう変わったか―Neuro CPC10年間の症例を振り返って

著者: 中野今治 ,   横地正之 ,   河村満 ,   後藤淳 ,   織茂智之 ,   福田隆浩 ,   藤ヶ﨑純子 ,   鈴木正彦 ,   星野晴彦

ページ範囲:P.885 - P.895

河村 満(昭和大学神経内科) 今日は,たくさんの方にお集まりいただいて,ありがとうございます。今日で本会も第20回,ちょうど10年目を迎えました。これを記念して本日は,特別記念講演を自治医科大学の中野今治教授にお願いいたします。中野先生には,これまで本会に発表された症例のまとめをしていただきたいと,資料をお渡ししました。この10年で神経疾患の疾患概念もずいぶん変わっていますので,そのあたりを神経病理学の立場からご講義いただきます。

 中野先生は,1974年に東京大学を卒業されまして,1980年にニューヨークのモンテフィオーレ・メディカルセンターで,フェローとして平野朝雄先生の下で神経病理学を研鑽なさって,お帰りになってから,また東大病院にお勤めになって,いくつかの施設にお移りになったあと,1996年6月から自治医科大学の神経内科の教授として教壇に立っておられます。

学会印象記

第23回欧州脳卒中学会(2014年5月6~9日,ニース)

著者: 森貴久

ページ範囲:P.896 - P.897

 2014年の欧州脳卒中学会(European Stroke Conference 2014:ESC2014)はフランスのニースで開催された。ニースでESCが開催されるは2回目だ。ニースはフランスの南東に位置するプロヴァンス地方,モナコとカンヌの間の都市。地中海に面していて,一帯の海岸はコート・ダジュール(Côte d'Azur)と呼ばれる風光明媚な地である。イタリアから続く美しい海岸は「リヴィエラ」とも呼ばれる(写真1)。

 ESC2014はそのようなニースのアクロポリス・コンベンション・センターで開催された(写真2)。学会の受付で手続きを済ませ学会バッジを受け取りプログラム集をpick-upしたとき,受付デスクで学会特製Lignes d'Azurチケットを渡された。ニース中心部の移動に便利なトラム(写真3)に会期中毎日乗り放題の4日間有効チケットである。ホテルと学会場との往復に毎日使うことができた。Lignes d'Azurそのものは下調べで知っていてトラム・ステーションで購入するつもりだったのと,しかも学会特製でもあり嬉しかった。

連載 神経学を作った100冊(91)

フルトン『神経系の生理学』(1938)

著者: 作田学

ページ範囲:P.898 - P.899

 フルトン(John Farquar Fulton;1899-1960)は米国中西部ミネソタ州のセントポールに1899年11月1日に生まれた。ハーバード大学を1921年に卒業し,オックスフォード大学へ留学して1925年にMAとPh-Dの学位を得た。オックスフォード大学では1923~1925年に生理学の実地授業助手としてシェリントンのもとで仕事をした。1925年に米国に戻り,ハーバード大学の生理学実験助手を1928年まで続け,1927年にハーバード大学で学位を取得した。1928年にはクッシング(Harvey Williams Cushing;1869-1939)のもとで一時働いた。1929年にイェール大学生理学教授に選ばれ,1951年までその任にあった。

 ちなみに,フルトンは1935年にオックスフォード大学のシェリントンの後継教授に指名されたが,これを断っている。米国が研究設備の点でも,予算の点でも既に英国をリードしていたことの表れだと思われる。

書評

「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」―日本神経学会/日本頭痛学会●監修 慢性頭痛の診療ガイドライン作成委員会●編 フリーアクセス

著者: 髙橋良輔

ページ範囲:P.856 - P.856

 診療ガイドラインに必要な条件はまず,EBMの手法に忠実にのっとって作成されていることであるが,次にどれだけ読みやすく使い勝手がよいかという,読者の利便性を考慮することが挙げられると私は考えている。ガイドラインの目的は医療の標準化であり,広く読まれなければその目的を達成することができないからである。

 本書は,その前版の,日本頭痛学会による『慢性頭痛の診療ガイドライン』(2006年)から読者への配慮が行き届いているのが印象的であった。臨床的に重要な問題がクリニカルクエスチョンに網羅されているだけでなく,クリニカルクエスチョンも推奨文も短い文章にまとめられ,解説,文献まで含めて2~3ページ以内に収められている。短時間でポイントがわかる構成をとっており,薬物治療では容量など具体的な記載が充実しているため,若手医師や頭痛の非専門医にとってもベッドサイドで使いやすく,私も大変重宝していた。私自身,日本神経学会編『パーキンソン病治療ガイドライン2011』の作成に携わったが,上記の点で慢性頭痛のガイドラインを良いお手本として参考にさせていただいたものである。

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次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.895 - P.895

投稿規定 フリーアクセス

ページ範囲:P.900 - P.901

あとがき フリーアクセス

著者: 酒井邦嘉

ページ範囲:P.902 - P.902

 半年ほど前から,フルートを習い始めた。先生について習ったことのある楽器はヴァイオリンだけだったので,管楽器のトレーニングは初めての経験である。私の場合,木工技術の粋であるヴァイオリンから木製のリコーダーやトラヴェルソへと関心が広がり,金属製のモダン・フルートにたどり着いた次第である。自然な息が音に変化するという爽快感は,弦楽器とは違った魅力だと改めて思うようになった。

 約4万年前の笛が出土しており,これが現存する最古の楽器だというから,フルートは実に息の長い楽器である。古代の笛は,鳥の中空な骨などを利用して途中に横穴を開けたものであった。横笛の系譜をたどると,日本では古来の龍笛や篠笛がそのまま現代まで続いている一方,西洋では円筒管のルネサンス・フルートから,バロック期に円錐管のフラウト・トラヴェルソへと発展した。ベーム式のモダン・フルートに移行してからは150年余りしか経っていない。19世紀後半のアルテスによる教本が今なお使われている一方で,基礎的な演奏技法をめぐる対立した見解は珍しくない。音が出る原理をよく理解して,理にかなった習得法を選びたいものである。

基本情報

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1344-8129

印刷版ISSN 1881-6096

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