文献詳細
連載 神経学を作った100冊(97)
文献概要
重症筋無力症はウィリス(Thomas Willis;1621-1675)によって1672年に最初の報告が行われた1)。この報告は『De Anima Brutorum』に記載されている[1683年には,ポーデージ(Samuel Pordage)により『The London Practice of Physick』として英訳された]。「四肢の筋力が朝は十分にあり,歩くこともできる。昼前になると,四肢の筋力だけではなく舌の筋力も低下する。その正直な女性患者は四肢だけではなく,長く話したり,急いであるいは熱心に話すと言葉を発することができなくなり,1〜2時間唖者のようになってしまう。」
エルプ(Wilhelm Heinrich Erb;1840-1921)が1879年に報告した3例は眼瞼下垂,外眼筋麻痺,舌の軽い麻痺,嚥下障害,四肢筋の麻痺があったが,下部顔面筋は正常であった。
エルプ(Wilhelm Heinrich Erb;1840-1921)が1879年に報告した3例は眼瞼下垂,外眼筋麻痺,舌の軽い麻痺,嚥下障害,四肢筋の麻痺があったが,下部顔面筋は正常であった。
参考文献
1) Guthrie LG: "Myasthenia gravis" in the seventeenth century. Lancet 1: 330-331, 1903
2) Walker MB: Treatment of myasthenia gravis with physostigmine. Lancet 1: 1200-1201, 1934
3) Walker MB: Case showing the effect of prostigmin on myasthenia gravis. Proc R Soc Med 28: 759-761, 1935
4) Osserman KE: Myasthenia Gravis. Grune & Stratton, New York, 1958
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