icon fsr

文献詳細

雑誌文献

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩67巻3号

2015年03月発行

学会印象記

7th Pan-Asian Committee on Treatment and Research in Multiple Sclerosis(PACTRIMS)(2014年11月6〜8日,台北)

著者: 三須建郎1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科多発硬化症治療学

ページ範囲:P.342 - P.343

文献概要

 この度,台北市で行われた第7回のPACTRIMSに参加してきました。会場は,台北市のランドマークタワーであり地上500m超の超高層ビル台北101のすぐそばにあるGrand Hyatt Taipeiで,盛会のうちに終了しました。この学会は,アジアや中東地域の多発性硬化症(MS)研究者が一堂に会し,特にアジア地域においてMSや視神経脊髄炎(NMO)の病態研究や治療法について情報を共有し,理解を深めることを目的として開催されています。今回は,大会長にChing-Piao Tsai教授が就任され,日本,韓国,オーストラリア,中国,タイ,インド,マレーシア,シンガポール,イラン,トルコなどの中東アジア地域から約400名の研究者が集い,また欧米からも多数の演者が招かれて,最新のMSやNMOの治療や病態研究についての発表が行われました。

 そもそもアジアや中東地域においては,欧米のヨーロッパMS学会(ECTRIMS)や米国MS学会(ACTRIMS)のような,MSに特化した学会はありませんでした。アジア地域においては2003年10月にタイのバンコクで開催されたPACTRIMSの前身MS Forumが発端となり,この地域におけるMSやNMOの研究と情報共有が急速に進み,さらに2008年からは現在のPACTRIMSが発展的に学会として立ち上がり,以来10年以上にわたってこの地域のMSの理解に貢献してきました。アジアは,従来からMSよりも視神経脊髄型MS(OSMS)やドゥヴィック病(NMO)が多いことが知られ,疫学研究においてもその点についての発表が多かったと思います。折しも,この学会が興った時期は,NMOの病態が急速に解明された時期とちょうど重なり,NMO-IgG(抗アクアポリン4抗体)が発見された2004年を境に一気にその病態に関する議論が沸き起こった時期でした。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1344-8129

印刷版ISSN:1881-6096

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら