文献詳細
学会印象記
7th Pan-Asian Committee on Treatment and Research in Multiple Sclerosis(PACTRIMS)(2014年11月6〜8日,台北)
著者: 三須建郎1
所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科多発硬化症治療学
ページ範囲:P.342 - P.343
文献概要
そもそもアジアや中東地域においては,欧米のヨーロッパMS学会(ECTRIMS)や米国MS学会(ACTRIMS)のような,MSに特化した学会はありませんでした。アジア地域においては2003年10月にタイのバンコクで開催されたPACTRIMSの前身MS Forumが発端となり,この地域におけるMSやNMOの研究と情報共有が急速に進み,さらに2008年からは現在のPACTRIMSが発展的に学会として立ち上がり,以来10年以上にわたってこの地域のMSの理解に貢献してきました。アジアは,従来からMSよりも視神経脊髄型MS(OSMS)やドゥヴィック病(NMO)が多いことが知られ,疫学研究においてもその点についての発表が多かったと思います。折しも,この学会が興った時期は,NMOの病態が急速に解明された時期とちょうど重なり,NMO-IgG(抗アクアポリン4抗体)が発見された2004年を境に一気にその病態に関する議論が沸き起こった時期でした。
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