文献詳細
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書評 「〈アクチュアル 脳・神経疾患の臨床NEXT〉免疫性神経疾患 病態と治療のすべて」—吉良潤一【専門編集】 辻 省次【総編集】 フリーアクセス
著者: 糸山泰人1
所属機関: 1国際医療福祉大学
ページ範囲:P.1213 - P.1213
文献概要
例えば,免疫性神経疾患の代表的疾患である多発性硬化症を例にとってみますと,わが国で難病対策が始まった1970年代の本症の認識は,「病態に免疫の異常が関与しているも,再発を抑える治療はない」というものでしたが,本書ではその認識が一変していることが分かります。即ち,「多発性硬化症はその主な病態機序は明らかにされ,それに対する分子標的療法を含む各種の病態修飾薬が奏効し,再発はほぼコントロールされるようになり,今後は長期予後を改善させる個別化医療が模索されている」という認識です。本書では,多発性硬化症に限らず多くの疾患で,これに類する病態解明や治療法の進歩が示されています。
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