文献詳細
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著者: 河村満1 岡本保2 菊池雷太3
所属機関: 1昭和大学病院附属東病院 2富坂診療所 3汐田総合病院神経内科
ページ範囲:P.1118 - P.1119
文献概要
彼の神経学における業績は大きく3つあります。1つ目は,1875年に粘液水腫の症候の詳細を記載したことです。2つ目は,1883年に上肢の「paréso-analgésie」(麻痺-痛覚脱失症,モルヴァン病)と呼ばれる脊髄空洞症(モルヴァン自身は,脊髄空洞症とは考えませんでした)の神経症候を記載したことです。この疾患は当時フランスで大変な注目を浴びました。3つ目は,1890年に「chorée fibrillaire」(線維性舞踏病,モルヴァン症候群)を初めて記載したことです。当時は残念ながら,麻痺-痛覚脱失症ほど注目度は高くなかったようです。しかし近年,モルヴァン症候群は,電位依存性カリウムチャネルの免疫性障害に合併する,シナプス病理を持つ傍腫瘍性神経症候群として,非常に大きな関心が寄せられています。
参考文献
掲載誌情報