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文献詳細

雑誌文献

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩69巻4号

2017年04月発行

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あとがき/読者アンケート用紙 フリーアクセス

著者: 酒井邦嘉

ページ範囲:P.500 - P.500

文献概要

 天文観測は「月に始まり,月に終わる」といわれる。月は最も身近な天体であると同時に,最も奥深い天体でもあるのだ。楕円軌道や潮汐力など,天文に関するさまざまな現象が月に集約されているといっても過言ではない。さらに月の影響は,生体のバイオリズムから暦(旧暦)といった慣習にまで幅広くみられる。「月はみているときにしか存在しないのか」と問うて,量子力学の解釈を批判したのはアインシュタインであった。

 月の満ち欠けの周期(朔望月)は,平均で約29.530589日であるが,実際には約29.3日から29.8日の間を1年ほどかけて変動する。しかも月の楕円軌道の向きが回転するため,朔望月の変動の幅は約9年周期で半分以下にまで変わっていく。新月が月齢ゼロと決められているが,こうした月の複雑な運動のため,満月(月と太陽の黄道上の角度が180°となるとき)は月齢15日とは限らない。自分の腕時計に付いていたムーンフェイズ(月相)がなかなか実際と合わないので調べてみたところ,そうした理由があったのだった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1344-8129

印刷版ISSN:1881-6096

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