文献詳細
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書評 「慢性痛のサイエンス 脳からみた痛みの機序と治療戦略」—半場道子【著】 フリーアクセス
著者: 高橋和久1
所属機関: 1前・千葉大大学院整形外科学
ページ範囲:P.1300 - P.1300
文献概要
本書は,慢性痛を侵害受容性,神経障害性,非器質性に分け,そのメカニズムについて脳科学,神経科学の観点から最新の知見を紹介している。近年の脳機能画像や基礎医学的な研究成果を基に,脳を中心とする神経系のダイナミックな機能を解説している。さらに,解明されたメカニズムを基に慢性痛に対する各種の治療法と,その科学的根拠について述べている。それぞれ興味深い内容であるが,中でも「骨格筋は分泌器官であり,筋活動は慢性痛の軽減に有効である。また,筋活動により多くの疾患の原因となる慢性炎症を抑制でき,疾患の予防につながる」という事実は大変興味深く,日常診療でも患者さんの指導に役立てたい知識である。
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