文献詳細
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文献概要
本欄ではこれまでに何度も攣縮(spasm)について取り上げてきましたが,この連載もそろそろ終わりがみえてきたところで最後にもう1度まとめておきたいと思います。
なぜ攣縮という言葉がなかなか理解されにくいのかというと,長い間convulsionとspasmを区別せず,どちらも「痙攣」と訳してきたことに一因があると考えられます。原語にはそれぞれ異なる意味があるにもかかわらず,違いを理解せず一緒くたに翻訳し受容してしまったところから始まったというわけです。外国から文化を輸入し続けてきた日本において翻訳センスの問題は常につきまといますので,学問を志すとすれば,日頃から言葉の感覚を研いでおくことは重要なことだと思います。
なぜ攣縮という言葉がなかなか理解されにくいのかというと,長い間convulsionとspasmを区別せず,どちらも「痙攣」と訳してきたことに一因があると考えられます。原語にはそれぞれ異なる意味があるにもかかわらず,違いを理解せず一緒くたに翻訳し受容してしまったところから始まったというわけです。外国から文化を輸入し続けてきた日本において翻訳センスの問題は常につきまといますので,学問を志すとすれば,日頃から言葉の感覚を研いでおくことは重要なことだと思います。
参考文献
1)Rimbaud L, Anglada J: Spasme de la parole articulée avec hémispasme facial et spasme bilatéral des muscles du cou et de la ceinture scapulaire. Nouv Iconogr Salpêtrière 22: 127-132, 1909
2)Traube L: Zur Lehre von den Larynxaffectionen beim Ileotyphus. Gesammelte Beiträge zur Pathologie und Physiologie. Zweiter Band. August Hirschwald, Berlin, 1871, pp674-677
掲載誌情報