文献詳細
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文献概要
今回取り上げた写真は,「多発神経炎と脊髄灰白質炎」と題された講義録1)からのものです。サルペトリエール病院の講義録と言えば,シャルコー(Jean Martin Charcot;1825-1893)によるいわゆる「金曜講義」と「火曜講義」が有名ですが,シャルコー亡き後,次代の教授レイモン(Fulgence Raymond;1844-1910)がそれらの講義を引き継いでいたことはあまり知られていないかもしれません。ライブ感に溢れる臨床講義はシャルコーの才能だけに許されたものだったのか,「火曜講義」はシャルコーの死後6カ月ほどしか続かなかったようですが2),神経疾患についてのスタンダードな講義である「金曜講義」は1903年までに6巻の講義録が発行されています3)。
レイモンの教授就任後,『Nouvelle Iconographie de la Salpêtrière』にも「金曜講義」の講義録が頻繁に掲載されるようになります。「多発神経炎と脊髄灰白質炎」もその中の1つです。
レイモンの教授就任後,『Nouvelle Iconographie de la Salpêtrière』にも「金曜講義」の講義録が頻繁に掲載されるようになります。「多発神経炎と脊髄灰白質炎」もその中の1つです。
参考文献
1)Raymond F: Polynévrite et poliomyélite. Clinique des Maladies du Systeme Nerveux (Hospice de la Salpêtrière). Nouv Iconogr Salpêtrière 12: 1-14, 1899
2)伊藤直樹, 岩崎祐三, 田代邦雄(監訳): 臨床神経学辞典. 医学書院, 東京, 1999, p942
3)Raymond F: Leçons sur les Maladies du Système Nerveux. Octave Doin, Paris, 1896, 1897, 1898, 1900, 1901, 1903(1894〜1901年の講義が収載されている)
掲載誌情報