icon fsr

文献詳細

雑誌文献

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩71巻4号

2019年04月発行

連載 臨床で役立つ末梢神経病理の読み方・考え方・1【新連載】

腓腹神経病理の基本

著者: 佐藤亮太1 神田隆1

所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科臨床神経学

ページ範囲:P.423 - P.430

文献概要

はじめに

 近年,腓腹神経生検数は全国的に減少の一途をたどっている。これは電気生理学的検査や遺伝子検査などの発展によって,組織学的な裏付けがなくても,以前より正確な末梢神経障害の臨床診断が可能になってきたためであり,非常に喜ばしいことであると筆者は考える。一方で,腓腹神経生検数が減少することによって,腓腹神経病理を学ぶ機会がない脳神経内科医が増えつつあることに筆者は若干の危機感を持っている。この連載を始めたのは,末梢神経病理の知識を持つことでニューロパチーの臨床への理解がさらに深まることを実感してもらいたいという筆者の願いからである。ニューロパチーの患者を前にして,また,末梢神経伝導検査を施行している最中に,「この患者の末梢神経はこんなふうに変化しているのでは?」というような病理画像が浮かんできたら,この連載の目標はほぼ達成されたものと考えている。

 初回は末梢神経病理の基本事項を解説することとする。腓腹神経生検がまったく不要な検査となってしまうことはなく,末梢神経病理の知識は末梢神経疾患の臨床に非常に有用であることを改めて強調しておきたい。

参考文献

ed. W. B. Saunders, Philadelphia, 2005, pp2405-2414
ed. W. B. Saunders, Philadelphia, 2005, pp2427-2451
3)Kanda T: Usefulness of sural nerve biopsy in the genomic era. Neuropathology 29: 502-508, 2009
4)神田 隆: 医学生・研修医のための神経内科学. 第3版. 中外医学社, 東京, 2018, pp540-541
5)神田 隆: 末梢神経疾患. 総論. 朝長正徳, 桶田理喜(編): 神経病理学—基礎と臨床. 朝倉書店, 東京, 1992, pp442-445
6)Kanda T, Tsukagoshi H, Oda M, Miyamoto K, Tanabe H: Morphological changes in unmyelinated nerve fibres in the sural nerve with age. Brain 114: 585-599, 1991
ed. W. B. Saunders, Philadelphia, 2005, pp733-829

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1344-8129

印刷版ISSN:1881-6096

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら