文献詳細
LETTERS
文献概要
はじめに
この表題はあまりにも当然過ぎることである。
それにもかかわらず,筆者1)は神経細胞機能障害を神経細胞体の脱落数だけで論ずるという,誠に稚拙な考察をしてしまった。
腦構造の基本は神経細胞体から多数の垂直や水平方向の樹状突起を伸ばし,それらにそれぞれ数萬個ものシナプスを付け,他の神経細胞からの情報を受信している特異性にあることは,いまや萬人の知ることであると言うのに。
それは永年の間,水俣病症状の軽重を,せめて医師間で少しでも「理」にかなう,できれば数値で語り合える手段はないものかと思案の末に,たどり着いたのが「認知機能障害発現と神経細胞脱落数」についてのTerryら2)や,Andrade-Moraesら3)の数値での検索結果であった。
この表題はあまりにも当然過ぎることである。
それにもかかわらず,筆者1)は神経細胞機能障害を神経細胞体の脱落数だけで論ずるという,誠に稚拙な考察をしてしまった。
腦構造の基本は神経細胞体から多数の垂直や水平方向の樹状突起を伸ばし,それらにそれぞれ数萬個ものシナプスを付け,他の神経細胞からの情報を受信している特異性にあることは,いまや萬人の知ることであると言うのに。
それは永年の間,水俣病症状の軽重を,せめて医師間で少しでも「理」にかなう,できれば数値で語り合える手段はないものかと思案の末に,たどり着いたのが「認知機能障害発現と神経細胞脱落数」についてのTerryら2)や,Andrade-Moraesら3)の数値での検索結果であった。
参考文献
1)生田房弘: 水俣病症状の診断と認定と判決の根底にある実態—神経細胞脱落数から. Brain Nerve 70: 938-942, 2018
2)Terry RD, Peck A, DeTeresa R, Schechter R, Horoupian DS: Some morphometric aspects of the brain in senile dementia of the Alzheimer type. Ann Neurol 10: 184-192, 1981
3)Andrade-Moraes CH, Oliveira-Pinto AV, Castro-Fonseca E, da Silva CG, Guimarăes DM, et al: Cell number changes in Alzheimer's disease relate to dementia, not to plaques and tangles. Brain 136: 3738-3752, 2013
4)Terry RD, DeTeresa R, Hansen LA: Neocortical cell counts in normal human adult aging. Ann Neurol 21: 530-539, 1987
5)生田房弘: 老化でグリア細胞数も減少するのでしょうか? Clinical Neuroscience 23: 1324-1325, 2005
6)Scheibel ME, Lindsay RD, Tomiyasu U, Scheibel AB: Progressive dendritic changes in aging human cortex. Exp Neurol 47: 392-403, 1975
7)Terry RD, Masliah E, Salmon DP, Butters N, DeTeresa R, et al: Physical basis of cognitive alterations in Alzheimer's disease: synapse loss is the major correlate of cognitive impairment. Ann Neurol 30: 572-580, 1991
掲載誌情報