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文献詳細

雑誌文献

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩71巻7号

2019年07月発行

書評

「脳の機能解剖と画像診断 第2版」—Heinrich Lanfermann,Peter Raab,Hans-Joachim Kretschmann,Wolfgang Weinrich【原著】 真柳佳昭,渡辺英寿【訳】 フリーアクセス

著者: 新井一1

所属機関: 1順天堂大学脳神経外科

ページ範囲:P.792 - P.792

文献概要

 このたび,『脳の機能解剖と画像診断 第2版』が出版される運びとなった。本書は,ハノーファー医科大学のKretschmann教授,Weinrich教授らによる原著の邦訳であるが,その最初は『〔日本語訳〕CT診断のための脳解剖と機能系』(1986年)に遡ることができる。画像診断の進歩に伴い『〔日本語訳〕画像診断のための脳解剖と機能系』(1995年),『〔日本語訳〕脳の機能解剖と画像診断 初版』(2008年)と続編が出版されてきたが,いずれも世界そして本邦において高い評価を受けている。実際のところ,私どもの施設の脳神経外科の医局や神経放射線科の読影室の書籍棚には,表紙の磨り減ったこれらの図書が鎮座しており,今回の『脳の機能解剖と画像診断 第2版』も同様の運命をたどることになると思われる。

 本書の特徴は,MRI・CT画像と図譜との絶妙なコンビネーションであり,これが読者を魅了する。冠状断と矢状断はMRI-T1・T2強調画像と図譜に続いて骨条件のCT画像,水平断についてはMRI-T2強調画像と図譜,そして脳および骨条件のCT画像が示されている。その後に,脳幹,錐体骨に焦点を絞った画像が呈示され,脳室,動脈,静脈の画像・図譜が続くことになる。特に,動脈についてのコンピューターグラフィクスは出色であるし,図譜を用いた動脈の支配領域に関する解説は臨床家にとっては極めて有用である。そのほか,拡散強調画像による白質内線維束の描出,新生児・乳児から幼児に至る髄鞘化の変容,顔面頭蓋・頭頸移行部の図譜による解説,そして神経伝導路の詳細な局在表示など,大変に盛りだくさんの内容になっている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1344-8129

印刷版ISSN:1881-6096

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