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書評
「脳の機能解剖と画像診断 第2版」—Heinrich Lanfermann,Peter Raab,Hans-Joachim Kretschmann,Wolfgang Weinrich【原著】 真柳佳昭,渡辺英寿【訳】 フリーアクセス
著者: 新井一1
所属機関: 1順天堂大学脳神経外科
ページ範囲:P.792 - P.792
文献概要
本書の特徴は,MRI・CT画像と図譜との絶妙なコンビネーションであり,これが読者を魅了する。冠状断と矢状断はMRI-T1・T2強調画像と図譜に続いて骨条件のCT画像,水平断についてはMRI-T2強調画像と図譜,そして脳および骨条件のCT画像が示されている。その後に,脳幹,錐体骨に焦点を絞った画像が呈示され,脳室,動脈,静脈の画像・図譜が続くことになる。特に,動脈についてのコンピューターグラフィクスは出色であるし,図譜を用いた動脈の支配領域に関する解説は臨床家にとっては極めて有用である。そのほか,拡散強調画像による白質内線維束の描出,新生児・乳児から幼児に至る髄鞘化の変容,顔面頭蓋・頭頸移行部の図譜による解説,そして神経伝導路の詳細な局在表示など,大変に盛りだくさんの内容になっている。
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