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文献詳細

雑誌文献

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩72巻4号

2020年04月発行

増大特集 神経疾患の診断における落とし穴—誤診を避けるために

脳腫瘍

著者: 小森隆司1

所属機関: 1東京都立神経病院検査科

ページ範囲:P.399 - P.405

文献概要

脳腫瘍,特にグリオーマはいわゆる希少がんに該当し,発生頻度が低い反面,種類が多く,WHOの国際分類においても,その数は140を超えている。さらに近年では,分子遺伝学的な異常が多数報告され,遺伝子診断を行わないと適切な診断が得られない事例に遭遇する機会が急速に増えてきている。中でも,組織型と遺伝型に乖離が生じる腫瘍においては,適切な遺伝子検査の選択が鍵となる。一方で,わが国では,希少がん患者の集約がなされていないうえに,脳腫瘍の遺伝子検査が保険収載されていないため,大学病院においても,適切な診断が困難な場合が少なくない。本論においては,成人における最も代表的な浸潤性グリオーマである悪性星細胞腫の分子遺伝学的な診断手順とそのピットフォールを紹介する。

参考文献

1)Louis DN, Ohgaki H, Wiestler OD, Cavenee WK, Ellison DW, et al: WHO Classification of Tumours of the Central Nervous System 4th ed. WHO Press, Geneva, 2016
2)Komori T: Pathology and genetics of diffuse gliomas in adults. Neurol Med Chir (Tokyo) 55: 28-37, 2015
3)Louis DN, Perry A, Burger P, Ellison DW, Reifenberger G, et al: International Society of Neuropathology: haarlem consensus guidelines for nervous system tumor classification and grading. Brain Pathol 24: 429-435, 2014
4)日本脳腫瘍病理学会(編): 脳腫瘍病理カラーアトラス 第4版. 医学書院, 東京, 2017
5)小森隆司, 廣瀬隆則(編): 腫瘍病理鑑別診断アトラス 脳腫瘍. 文光堂, 東京, 2017
6)日本脳神経外科学会, 日本病理学会(編): 臨床・病理 脳腫瘍取扱い規約 第4版. 金原出版, 東京, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1344-8129

印刷版ISSN:1881-6096

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