文献詳細
連載 脳神経内科領域における医学教育の展望—Post/withコロナ時代を見据えて・1【新連載】
文献概要
はじめに
脳神経内科学の教育には,他の診療科の教育とは異なる難しさが学ぶ側,教える側のいずれにもあるように思います。まず学ぶ側には「脳神経系は難しい」という苦手意識を持つ者が多いですし,教える側も脳神経内科学という広範な領域を限られた時間の中で「いかに教えるか,何を教えるか(how to teach,what to teach)」は非常に難しく,その教育を担当することに戸惑いを覚える医師も多いように思います。しかし,もし臨床現場で教育を担当する医師と基礎の神経科学教育を担う教官,さらに最新の臨床教育の理論や方法を研究する医学教育のエキスパートが,より密接に連携すれば,その教育効果は非常に大きなものになるのではないでしょうか。
こうした背景を踏まえつつ,神経科学の基礎・臨床教育において,学ぶ側,教える側にどのような特殊性があるのか,これからどのような教育を行っていくべきかを議論することを目的として,本連載を企画しました。連載開始にあたり本稿ではまず脳神経内科学教育を困難にしている学ぶ側の要因を検討し,本連載で取り上げるべき教育課題について議論したいと思います。
脳神経内科学の教育には,他の診療科の教育とは異なる難しさが学ぶ側,教える側のいずれにもあるように思います。まず学ぶ側には「脳神経系は難しい」という苦手意識を持つ者が多いですし,教える側も脳神経内科学という広範な領域を限られた時間の中で「いかに教えるか,何を教えるか(how to teach,what to teach)」は非常に難しく,その教育を担当することに戸惑いを覚える医師も多いように思います。しかし,もし臨床現場で教育を担当する医師と基礎の神経科学教育を担う教官,さらに最新の臨床教育の理論や方法を研究する医学教育のエキスパートが,より密接に連携すれば,その教育効果は非常に大きなものになるのではないでしょうか。
こうした背景を踏まえつつ,神経科学の基礎・臨床教育において,学ぶ側,教える側にどのような特殊性があるのか,これからどのような教育を行っていくべきかを議論することを目的として,本連載を企画しました。連載開始にあたり本稿ではまず脳神経内科学教育を困難にしている学ぶ側の要因を検討し,本連載で取り上げるべき教育課題について議論したいと思います。
参考文献
1)Jozefowicz RF: Neurophobia: the fear of neurology among medical students. Arch Neurol 51: 328-329, 1994
2)Tarolli CG, Józefowicz RF: Managing neurophobia: how can we meet the current and future needs of our dtudents? Semin Neurol 38: 407-412, 2018
3)Fred HL: Hyposkillia: deficiency of clinical skills. Tex Heart Inst J 32: 255-257, 2005
4)Wartenberg R(著), 佐野圭司(訳): 神経学的診察法. 医歯薬出版, 東京, 1956
5)Zha AM, Chung LS, Song SS, Majersik JJ, Jagolino-Cole AL: Training in neurology: adoption of resident teleneurology training in the wake of COVID-19: telemedicine crash course. Neurology 95: 404-407, 2020
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