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文献詳細

雑誌文献

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩74巻5号

2022年05月発行

増大特集 次の一手—神経筋疾患難治例をどのように治療するか

複数の医療機関を経て受診した筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群—診断と治療の要点

著者: 下村登規夫1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構さいがた医療センター

ページ範囲:P.660 - P.667

文献概要

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)は,疲労感を主体とする症状を示す症候群である。決定的バイオマーカーの存在がないため,診断に専門的知識が必要であり,治療における確実に有効な薬物・方法がないことも問題である。治療には,漢方薬,ビタミン製剤,カルニチン製剤などが用いられるが決定的改善は認められていない。しかし,新型コロナウイルス感染症の後遺症が,ME/CFS類似の症状を示すことから注目され,研究の進展も見られるようになりつつある。

参考文献

1)倉恒弘彦: 慢性疲労症候群の疫学, 病態, 診断基準. 日本臨床65: 983-990, 2007
2)下村登規夫, 大嶋崇文, 山下達也: 見逃してはならないカルニチン補充療法チェックポイント. 医学と看護社, 東京, 2014, pp18-23
3)慢性疲労症候群診断基準改定委員会(委員長:倉垣弘彦): 特集 慢性疲労症候群診断基準の改訂に向けて. 日疲労学誌3: 1-40, 2008
4)Kimura Y, Sato N, Ota M, Shigemoto Y, Morimoto E, et al: Brain abnormalities in myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome: evaluation by diffusional kurtosis imaging and neurite orientation dispersion and density imaging. J Magn Reson Imaging 49: 818-824, 2019
C-(R)-PK11195 PET study. J Nucl Med 55: 945-950, 2014
6)Jason LA, Boulton A, Porter NS, Jessen T, Gloria M, et al: Classification of myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome by types of fatigue. Behav Med 36: 24-31, 2010
7)Ano Y, Kita M, Kitaoka S, Furuyashiki T: Leucine-histidine dipeptide attenuates microglial activation and emotional disturbances induced by brain inflammation and repeated social defeat stress. Nutrients 11: 2161, 2019[doi: 10.3390/nu11092161]

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1344-8129

印刷版ISSN:1881-6096

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