文献詳細
連載 臨床神経学プロムナード—60余年を顧みて・17
「脊髄性間歇性跛行」をめぐって:本邦初報告から久しく絶えた(1929〜1967)意外な理由
著者: 平山惠造12
所属機関: 1千葉大学(神経学講座) 2日本神経治療学会
ページ範囲:P.942 - P.943
文献概要
「間歇性跛行」の歴史は古く,Charcot(1858)1)の記述に遡るが,それはさておき「脊髄性」間歇性跛行はDejerine(1906,1911)2,3)が,彼の門下生のSottas(1894)の学位論文4)に初めて記述させたものである。筆者が臨床神経学の道に進んで以来(1956〜),日本でこれを聞く機会はなかった。その後,Garcin教授のもとに留学して(1962〜1964),Salpêtrière病院での先生の毎日の廻診や外来でのconsultationの中で2回,これを耳にした。講義ではなく,consultationの中なので断片的であるが,1回目は「脊髄性間歇性跛行」がmyélomalacie(脊髄軟化症)の前駆症状を呈することがあること,2回目はCharcotの「有痛性」間歇性跛行1)と異なり痛みを生じることなく,脱力により歩けなくなること,が留学ノートに記されている。
参考文献
掲載誌情報