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特集 動的環境への適応系としての歩行
文献概要
周期的な四肢の運動,身体全体の重心移動は,日頃無意識に行っているため,歩行は極めて原始的な機能のようにも思われる。しかし,さまざまな環境の中で歩行を支える神経機構は,大脳皮質も含む,階層的な調節系で極めて複雑な調節を行っている。本特集では,歩行を動的な環境の中で,動物が適応する環境-身体の一体化されたシステムと捉えて,げっ歯類,哺乳類,霊長類,ヒトなどさまざまな動物種に加えて多様な方法論での研究を紹介しながら,この分野における最新知見を提供する。また,神経系の疾患によってそのシステムが損なわれた際にどのようにして回復を目指すのか,人工神経接続やニューロリハビリテーション,そしてiPS細胞を用いた再生医療の取組みを解説する。
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