文献詳細
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文献概要
本号はアロスタシスの特集号で,1つ総説を寄稿した。アロスタシス,そしてホメオスタシスの概念が近年拡大している傾向を伝えたかった。その中で十分触れられない項目があり,このあとがきで少し述べてみたい。
ホメオスタシスもアロスタシスも個人の中での生理学的調節機構として捉えられてきた。しかし,その意義を捉え直す研究が現れてきている。それがAikaterini Fotopoulou & Manos Tsakirisによるメンタライジングホメオスタシスという概念である(Neuropsychoanalysis 19: 3-28, 2017)。この概念によれば,人は身体を通じて社会心理的側面と恒常性維持が結びついている。マズローの欲求5段階説でも,まずは生理的欲求,ついで安全欲求,社会的欲求と続く。例えば,生後すぐにホメオスタシスなどは重要で,個体が自分の身体状況に気づき,適切にその生理的欲求を他者に伝えるために,内感覚への気づき,すなわちメンタライジングが求められる。ただし,当初は難しく経験による学習が必要である。
ホメオスタシスもアロスタシスも個人の中での生理学的調節機構として捉えられてきた。しかし,その意義を捉え直す研究が現れてきている。それがAikaterini Fotopoulou & Manos Tsakirisによるメンタライジングホメオスタシスという概念である(Neuropsychoanalysis 19: 3-28, 2017)。この概念によれば,人は身体を通じて社会心理的側面と恒常性維持が結びついている。マズローの欲求5段階説でも,まずは生理的欲求,ついで安全欲求,社会的欲求と続く。例えば,生後すぐにホメオスタシスなどは重要で,個体が自分の身体状況に気づき,適切にその生理的欲求を他者に伝えるために,内感覚への気づき,すなわちメンタライジングが求められる。ただし,当初は難しく経験による学習が必要である。
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