文献詳細
特集 アガサ・クリスティーと神経毒
文献概要
『ポケットにライ麦を』はアガサ・クリスティーの創造したミス・マープルが活躍する長編である。殺人に使用されるタキシンはイチイの木の果肉(仮種子)以外に含まれるアルカロイド化合物で,ジテルペンが基になり,多くの骨格構造の1つに,側鎖として窒素元素が組み込まれている。タキシンはナトリウムチャネルに結合するため,筋肉の収縮が調節できず,不整脈を生じる。
参考文献
1)アガサ・クリスティー(著), 山本やよい(訳): ポケットにライ麦を[新訳版]. 早川書房, 東京, 2020
2)清水矩宏, 宮崎 茂, 森田弘彦, 廣田伸七(編・著): 牧草・毒草・雑草図鑑. 社団法人畜産技術協会, 東京, 2005
3)エリザベス・A・ダウンシー, ソニー・ラーション(著), 船山信次(監修), 柴田譲治(訳): 世界毒草百科図鑑. 原書房, 東京, 2018
4)飯塚三喜(編著): 家畜中毒. 農文協, 埼玉, 1988
5)ピーター・クーパー(著), 白川 充, 他(共訳): 薬物中毒必携. 医歯薬出版, 東京, 1989
6)マーク・H・ビアーズ, ロバート・バーコウ(英語版編集), 福島雅典(日本語版総監修): メルクマニュアル 第18版 日本語版. 日経BP社, 東京, 2006
7)鵜飼 卓(監修), 日本中毒情報センター(編): 急性中毒処置の手引: 必須272種の化学製品と自然毒情報 第三版. 薬業時報社, 東京, 1999
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