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文献詳細

雑誌文献

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩76巻10号

2024年10月発行

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あとがき フリーアクセス

著者: 酒井邦嘉

ページ範囲:P.1192 - P.1192

文献概要

 私は小学生低学年のときから,ドイツ式の音名でヴァイオリンを教わったが,cis(ツィス)やh(ハー)などの呼び名にはなかなか馴染めなかった。何より,運指の記憶が,楽譜やソルフェージュの記憶と結びつかないため,暗譜(楽譜を見ないで演奏すること)が苦手になってしまった。ところが最近になって,英語圏で広く使われている「移動ド・ソルフェージュ」を知って,これまでの疑問が氷解したのだ。

 ソルフェージュとは,楽譜を見て「ドレミファ……」で歌う練習のことである。Cの音を「ド」に固定して音名で読む「固定ド」が今なお一般的だが,♯(シャープ)や♭(フラット)などの臨時記号を含めると歌えなくなってしまう。ところが,相対音感に基づく移動ドではキー(調)が変わっても同じメロディーと捉えることができ,さらに英語圏のソルフェージュとなると,♯は母音を「i」に,♭は母音を「e」に変えることで,臨時記号つきで歌えるようになる。鼻歌やハミングで頼りなく覚えるのとは雲泥の差なのだ。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1344-8129

印刷版ISSN:1881-6096

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