文献詳細
連載 スーパー臨床神経病理カンファレンス・2
転倒ののち,歩行困難となり意識障害が出現した85歳女性例
著者: 足立正12 鈴木有紀2 田尻佑喜2
所属機関: 1鳥取大学医学部脳神経医科学講座神経病理学分野 2鳥取大学医学部附属病院脳神経内科
ページ範囲:P.301 - P.308
文献概要
体温35.9℃,血圧111/39mmHg,脈拍127回/分,整,SpO2 95%(室内気),胸部にラ音を聴取せず。神経学的にはJapan Coma Scale 10の意識障害,腱反射は両下肢で消失し,両下肢は近位から弛緩性麻痺と感覚鈍麻を認め,両側バビンスキー徴候を認めた。頭部単純MRIでは,拡散強調画像にて右前頭葉,左小脳に急性期脳梗塞を認めた(Fig. 1)。胸部単純CTにて,両側肺野全体に多発する粒状陰影を認めた(Fig. 2)。全脊椎単純MRIでは,Th11圧迫骨折以外,下肢麻痺をきたす髄内病変は認めなかった。
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