文献詳細
特集 Common diseaseは神経学の主戦場である—revisited
【鼎談】脳神経内科はcommon diseaseを診ているか?
著者: 下畑享良1 髙尾昌樹2 神田隆3
所属機関: 1岐阜大学大学院医学系研究科 脳神経内科学分野 2国立精神・神経医療研究センター病院 臨床検査部・総合内科 3脳神経筋センターよしみず病院
ページ範囲:P.895 - P.901
文献概要
神田 本誌では2013年9月号に「Common diseaseは神経内科の主戦場である」という特集を組み,読者の先生方から多数のご意見や建設的なコメントをいただきました。今回の特集では11年が経過した今,再度その問題について考察することを目指しています。この間,「神経内科」から「脳神経内科」への名称変更(2018年)という大きな変化がありました。この変更がどれほどのインパクトを与えたのか,また頭痛やめまい,しびれのゲートキーパーとしてわれわれがなり得ているのか,今日は議論したいと思います。
日本の脳神経内科はいわば後発の領域です。変性疾患は当初から脳神経内科で扱われていたものと思いますが,common diseaseと呼ばれるてんかん,頭痛,脳卒中,めまいなどは脳神経内科プロパーの病気だったわけではありません。てんかんは精神科,しびれは整形外科で,頭痛は脳神経外科が主体となって診ていました。認知症も精神科の病気という認識が長らくありました。
参考文献
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