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雑誌目次

雑誌文献

総合診療25巻1号

2015年01月発行

雑誌目次

特集 動悸・息切れ─ヤバい病気の見つけ方 そして見つからなかった時の対処法

今月のQuestion & Keyword Index

ページ範囲:P.11 - P.11

より早く,より的確に内容をとらえるために,QuestionとKeywordによるIndexをご利用ください.それぞれ各論文の要点を示す質問とキーワードで構成されています.
Question
Q1 動悸・息切れの患者さんがよく受診しますが,結構高い確率で心因性のような気もします.
  よくある不整脈,心不全やCOPD・喘息以外に,どのようなヤバい病気(Killer Disease)があるのでしょうか? 12
Q2 不整脈疾患が疑われる場合の,診察上の注意点は? 19
Q3 拡張不全の診断には何が必要か? 22
Q4 動脈血ガス分析の結果,PaO2 58Torr,PaCO2 48Torrであり,2カ月前のSpO2も89%であった.この症例の呼吸不全の分類は? 26
Q5 どういった心房細動患者さんにカテーテル治療を勧めたらよいの? 30
Q6 心不全患者において,心房細動を徹底的に抑制して洞調律を維持しなければいけないのでしょうか? 35
Q7 包括的呼吸リハビリテーションとは? 38
Q8 妊娠中の血液検査所見(CBC)で注意すべきことは? 42
Q9 積極的な治療を始めるタイミングは? 46
Q10 動悸・息切れに有効な漢方薬はありますか? 48
Q11 更年期以降の女性にみられる検査異常のない動悸や息切れへの対応は? 51

ONE MORE GM

ページ範囲:P.54 - P.55

Q1 慢性呼吸不全の患者に対して,通院するうえでどのようなアドバイスをしたらよいでしょう?
A1 慢性呼吸不全の基礎疾患として,COPD,間質性肺炎,肺結核後遺症が多くを占めることは本文で述べたとおりです.これらは呼吸器感染症の罹患を契機に呼吸不全の悪化をきたすことが多いため,日ごろから手洗い,含嗽を励行し,インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチン接種も勧めます.また体調悪化時のアクションプラン,例えば喀痰の膿性化があれば,手持ちの抗菌薬を内服したり,呼吸困難の増悪時には速やかに来院する等をあらかじめ患者に伝えておきます.また最近では,市販のパルスオキシメーターが安価で入手しやすくなっています.自宅でSpO2値が測定できると,定期外受診するか否かを決定する有用な情報となります.

【動悸・息切れが主訴の患者に出会ったら】

ヤバい病気の見分け方のコツ

著者: 関藍 ,   志賀隆

ページ範囲:P.12 - P.18

Case
動悸・息切れを主訴に受診し,肺塞栓症の診断に至った症例
患者:20代,女性.
主訴:動悸,息切れ.
病歴:2週間ほど前より,労作時に動悸・息切れが出現するようになった.
失神や胸痛はなし.いつものパニック発作とは違うが,動悸が出現するとパニック状態になることもある.増悪傾向のため受診.
既往歴・内服歴:パニック障害にて抗不安薬数種類内服中,月経困難症にてピルを内服中.
身体所見:SpO2 96%,呼吸数20回/分,心拍数104回/分,血圧100/55mmHg,体温36.8℃,呼吸音清・心雑音なし,甲状腺腫大なし,眼球結膜貧血なし,下腿浮腫なし.
検査:採血・心電図・X線は異常なし.
経過:ストレスも多く精神的なものであろうとのことで経過観察に.翌日胸痛・ショック状態で救急搬送され,造影CTにて肺塞栓症が判明,ICU入院となった.

不整脈を疑ったら

著者: 高橋良英

ページ範囲:P.19 - P.21

Case
植え込み型ループレコーダにより診断に至った一例
患者:78歳,男性.
現病歴:1〜2カ月に1回の動悸と眩暈のために受診.安静時心電図,心臓超音波検査,ホルター心電図では異常所見を認めず,頻拍症とそれに伴う徐脈頻脈症候群などが鑑別疾患として考えられた.ループレコーダ植え込み手術を施行し,その2カ月後に眩暈発作を認め,その際の心電図では心拍数180/分の発作性上室性頻拍が記録され,徐脈は全く認めず,頻脈による血圧低下が眩暈発作の原因と診断された.電気生理学的検査により潜在性WPW(Wolff-Parkinson-White)症候群による房室回帰性頻拍が誘発され,副伝導路アブレーションが施行された.

LVEF(左室駆出率)だけでは心不全を除外できない—拡張不全という考え方

著者: 坂田泰史

ページ範囲:P.22 - P.25

Case
高齢者における急性高血圧性拡張不全
 7年前より当科外来にて高血圧,発作性心房細動にて経過観察中.階段昇降時に軽度の呼吸困難を自覚,降圧薬,利尿薬を投与.外来血圧は140/90mmHg以内.
 1カ月前より体重増加,徐々に安静時呼吸困難出現,トイレ歩行でも強い息切れを自覚,起座呼吸となったため,当科救急外来搬送.
 来院時血圧152/80mmHg,III音聴取,胸部X線写真では全肺野にうっ血像,心エコーでは左室駆出率53%.酸素投与とともに利尿薬,血管拡張薬を用いて,入院5日後には症状改善した.

慢性呼吸不全を見落とさないために

著者: 関谷充晃 ,   瀬山邦明 ,   高橋和久

ページ範囲:P.26 - P.29

Case
CO2ナルコーシスによる意識障害をきたした肺結核後遺症の1例
患 者:85歳,男性.
既往歴:23歳で肺結核に対し,左胸郭形成術を施行.
現病歴:3日前から咳嗽,膿性痰,37℃台の発熱,軽度の息切れを認めていたが,感冒と思い放置していた.本日になり傾眠傾向にあることに家人が気づき,受診した.受診時,意識障害(JCS II-20),口唇のチアノーゼを認め,室内気でのSpO2も82%と低下していた.動脈血ガス分析を行い,PaO2 50Torr,PaCO2 92Torr,pH 6.94とII型呼吸不全を認めた.胸部X線では胸郭形成術後の所見に加え,右下肺野の軽度の肺炎像を認めた.肺結核後遺症に肺炎を合併しCO2ナルコーシスに至ったものと診断した.抗菌薬投与と非侵襲的陽圧換気(NPPV)による換気のサポートを行い,軽快した.

【動悸・息切れ症状の標準的マネージメントとプラスワン】

経口抗凝固薬だけが心房細動の治療ではない

著者: 阪上学

ページ範囲:P.30 - P.34

Case
症例:78歳,男性.
現病歴:60歳頃から心房細動を指摘.抗不整脈薬無効のため,アスピリン投与にて経過観察されていた.77歳頃から動悸・息切れの増悪あり,当院紹介となった.アブレーション治療の希望があったが,経食道心エコー(TEE)にて左心耳血栓の疑いがあり,抗凝固薬を継続し,これが認められないことを確認のうえ,アブレーション治療(肺静脈を含めた左房後壁隔離術)を実施した.3カ月後も洞調律が維持され,自覚症状は著明改善した.BNP値は247.2pg/mlから34.2pg/mlへと改善した.

慢性心不全のマネージメント

著者: 長谷川拓也 ,   北風政史

ページ範囲:P.35 - P.37

 慢性心不全の治療に関しては,ガイドライン1)にもあるように,β遮断薬,アンギオテンシン転換酵素(ACE)阻害薬,アルドステロン受容体拮抗薬(ARB)など,標準的な治療は記載されている.これらの処方により多くの心不全患者は特に問題なく経過するが,経過中に体調が悪くなることもあり,息切れ,浮腫,動悸がみられることが多い.
 本稿では慢性心不全患者における息切れ,動悸に対する考え方,対処法について述べる.

慢性呼吸不全のマネージメント—呼吸リハビリテーションの重要性

著者: 武田昭範

ページ範囲:P.38 - P.41

Case
呼吸リハビリテーションを導入した
中等度COPDの1例
患者:72歳,男性.
喫煙歴:1日40本,45年間.4年前に禁煙.
現病歴:持続する咳嗽,喀痰を主訴に68歳時に初診.画像上,気腫性変化がみられ,呼吸機能検査で%FEV1 51.8%,%FEV1 69.8%と中等度の閉塞性換気障害を認め,COPD(慢性閉塞性肺疾患)の診断となる.禁煙指導を行い,長時間作用型抗コリン薬による吸入療法を開始した.経過中,労作時息切れの増強あり,クリニカルパスを利用し,入院にて包括的呼吸リハビリテーションを導入し,運動療法に加えて吸入指導や栄養指導などを実施した.その後も外来にて定期的に継続している.患者自身の疾患に対する理解が深まったこと,呼吸リハビリテーションを中断することなく継続していることが,自覚症状の軽減,QOLの向上に繋がっている.

動悸・息切れのある妊婦・婦人科疾患

著者: 明城光三

ページ範囲:P.42 - P.45

Case
子宮筋腫による重症貧血
 さほど稀でなく血色素量(Hb)が2g/dl台となるまで受診しない事例がある.心不全を避けるため輸血は少量ずつ行うのが重要.受診時の出血は多くなかったので,GnRHアナログにより月経を止めるとともに,子宮筋腫の縮小を期待し,その間に貧血を改善し手術療法を行う予定だったが,受診が途絶え,初回時と同様な状態で再受診.すぐに手術を行うことを余儀なくされた症例.
患者:37歳,未経妊.
既往歴:特記すべきことなし.
 3〜4年前から下腹部のしこり自覚,徐々に増大あるも忙しくて放置.月経不順で経血量は多かった.
 月経開始後5日目に動悸,息切れがひどく,近医受診.Hb 2.2g/dlのため当院紹介.当院受診時,性器出血は少量となっていた.内診で子宮は超新生児頭大で可動性は不良.経腹超音波:最大11cmの多発筋腫であった.胸部X線,心電図,心エコーで左室肥大の所見あり.入院のうえ,赤血球濃厚液を1日2単位ずつ3日間投与.Hb 5.5g/dlとなり自覚症状改善したため,一旦退院とし,GnRHアナログを使用しながら貧血の改善を図り,手術治療の検討を行う予定としたが中途で受診しなくなった.
 初診の9カ月後,大量の性器出血と動悸,息切れあり.近医経由で当科受診.Hbは2.8g/dlであり,入院.濃厚赤血球投与し,貧血を改善後手術施行.術式については子宮筋腫核出術も提案したが,より確実な治癒を希望されたため,子宮全摘術となった.病理組織検査では,筋層内や漿膜下の多発子宮筋腫であった.

動悸・息切れをきたす精神科疾患

著者: 原井宏明

ページ範囲:P.46 - P.47

Case
動悸を訴え内科を頻回に受診する高齢女性
患者:70代,女性.
家族歴:数年前に夫が病死.
既往歴:特になし.
現病歴:生来,社交的で活発.子どもたちは結婚し,独立.夫の死後も元気で合唱団,旅行など,一人暮らしを満喫していた.かかりつけの病院もなかった.1年前,夜間に動悸,息苦しさが突然生じ,近くの総合病院内科を受診した.心電図検査で軽い心室性期外収縮が発見された.その後,動悸と息苦しさを気にするようになり,夜間救急を多い時は週に3,4回,受診するようになった.内科的には期外収縮以外には特に大きな問題を認めない.合唱や旅行を止め,人付き合いも避けるようになった.内科医からは抗不整脈薬とエチゾラムを処方されていた.指示以上に服用することはないが,薬の副作用を気にするようになり,記憶が落ちてきた,認知症になるのではないか,足下がふらつく,転倒するのではないか,と心配ばかりするようになった.様子を心配した息子が不安障害を専門にする精神科医をネットで見つけて転医させた.

動悸・息切れを治す漢方治療

著者: 小池宙

ページ範囲:P.48 - P.50

Case
患者:86歳,男性.
病歴:1年前に動悸を主訴に救急搬送され入院,精査を行うも器質的異常は認めなかったが,その後も頻回に動悸を訴えていた.1週間前から毎日動悸があり,救急車を呼んでほしいと家族に訴えるため受診した.
 既往歴は高血圧のみ.しかし最近の頻回な受診の結果,薬剤は降圧薬・脂質異常症薬・抗血小板薬・高尿酸血症薬・抗不安薬・過活動性膀胱治療薬・冠血管拡張薬・気管支拡張薬と,内服薬合計10種類,貼り薬2種類に増えていた.血液検査と心電図を行うも異常は認めず,漢方治療を行うことにした.脈はやや虚.舌は少し大きく,裂紋があり,舌下静脈が目立つ.歯痕はない.腹はとても力が弱いが腹部動悸は触れない.
 全体的に弱々しく気持ちが乱れている印象を受けたので,香蘇散で治療を開始した.高尿酸血症薬,冠血管拡張薬など不要と考えられる薬は中止した.しかし2カ月ほど経つも改善を認めなかった.香蘇散は無効と判断し,半夏厚朴湯に変更した.
 3カ月目,「おかげさまで元気でございます」と,とても穏やか.それまでは受診するたびに堰を切ったように長々と訴えがあったが,こちらから声を掛けなければ症状を話すことはなくなった.
 7カ月目,半夏厚朴湯を続けて焦燥感は消失したが,なんとなく根が弱い不安定な感じを受ける.もともとの症状ものぼせるような動悸であったことも考え,試しに桂枝加竜骨牡蛎湯に変更した.
 7カ月半目,「今までの薬の中で一番良かった!」.
 その後,桂枝加竜骨牡蛎湯を続行中.不安定さが落ち着いたら次の調整をしようと思いながら,治療を続けている.

自分でできる動悸・息切れの予防・対策と一般薬・健康食品

著者: 塚本由弥子

ページ範囲:P.51 - P.53

Case
 更年期以降の動悸・息切れを訴える女性に対して,アルプラゾラムなどの抗不安薬が処方されることがある.ほとんどの患者は動悸時の頓用により改善がみられる.更年期以降の女性に多くみられる動悸や息切れは,自律神経の乱れが原因であることが多く,薬物治療以外の対処方法が健康雑誌,web上でさまざまに紹介されている.安全に利用できる方法もあるが,自然植物を利用したアロマテラピーやハーブ(G2)の利用によるアレルギー症状や相互作用,一般用医薬品の誤用,成分の明らかでない海外の漢方製剤等の使用も問題となり,セルフメディケーションによる安易な治療には注意を要する.

Editorial

鑑別診断に続くカオスへの処方箋

著者: 伊藤澄信

ページ範囲:P.3 - P.3

 先日,UCSFのローレンス・ティアニー先生が来日され,国立病院機構東京医療センターのMorning conferenceで再会した.1992年にティアニー先生がサバティカル(使途に制限がない職務を離れた長期休暇)期間に日野原重明先生の招きで来日し,奥様と娘さんと一緒に東京医療センターの宿舎に8か月間滞在された.その間お世話係をさせていただいたが,診断学の面白さを毎日体験する幸運を得た.今回のconferenceの症例は意識障害だったが,低血糖対策,ご自分の財布を出しながらのwallet biopsy(財布の中にある,運転免許証の昔の顔写真,診察券,社員証,レンタルショップの会員証などからの生活歴)の有用性を解説された後,くだんの鑑別診断分類リスト[Vascular(血管病変),Infection(感染症),Neoplasm(腫瘍),Toxic-Metabolic(中毒・代謝・内分泌),Autoimmune(自己免疫・アレルギー),Trauma-Degeneration(外傷・変性疾患),Congenital(先天性),Iatrogenic(医原性),Idiopathic(原因不明) ]を用い,病態生理に応じて鑑別診断していく手法は久しぶりだったが,20年前と変わりないキレだった.心雑音の口真似も出てきて,ティアニー先生はエンターテイナー顔負けの医学教育者だと再認識させられた.
 私事だが,4階まで階段を昇ると息切れがするようになった.健康診断を受けても,特に心肺機能に異常があるわけではない.年齢のせいであろうが,「動悸,息切れに○○」と流れてくるTVの宣伝には自然に注意が向いてしまう.本特集は,初診患者の主訴の2%を占める動悸・息切れを対象に,見逃してはいけない病気の見つけ方と,器質的疾患が見つからなかった時の対処法を幅広く解説していただいた.

What's your diagnosis?[145]

ここが気になる

著者: 金森真紀 ,   酒見英太

ページ範囲:P.6 - P.9

病歴
患者:21歳,女性.
主訴:下腹部痛.
現病歴:生来健康な大学女子サッカー部員.来院7週間前より両側股関節と膝関節痛が出現し,39℃の発熱も伴ったため近医を受診.解熱剤を処方されて膝の痛みは改善するも,股関節痛および微熱は残存した.その後徐々に痛みは下腹部正中に移動してきたが,普段通り過ごせていた.来院10日前より下腹部痛の増強あり,3日間休養するも症状変わらず,自分では子宮の痛みと考え産婦人科を受診した.採血にてCRP 9.13mg/dlが認められたため,精査目的で受診を勧められ,1週間後に総合診療科外来を受診した.この時点で痛みは肛門付近まで広がっており,運動やくしゃみで増悪する持続痛で,発熱以外の随伴症状は認めなかった.月経周期は規則的で,来院3週間前に普段通りにあった.
陰性ROS:悪寒戦慄,残尿感,頻尿,排尿時痛,血尿,帯下の変化,下痢,黒色便,血便.
曝露歴:喫煙歴・飲酒歴なし,性交渉歴なし.
既往歴:特記すべきものなし.
内服薬:ロキソプロフェンを1回使用したのみ.

高齢者エマージェンシー—プライマリ・ケア医のためのスキルアップ大作戦・1【新連載】

知っておきたい「高齢者エマージェンシー表技・裏技」その1

著者: 今明秀

ページ範囲:P.56 - P.59

 私はいま救命救急をやっており,臨床研修の指導もしています.本連載のメインテーマとなる内科は,若干不得意なのですが,私がいま気をつけていることをCaseからお話ししていきたいと思います.

憧れのジェネラリストが語る「努力はこうして実を結ぶ!」・1【新連載】

立ち枯れのジェネラリストが語る「努力はこうも徒労に終わる?」─医療コミュニケーション編

著者: 本村和久

ページ範囲:P.60 - P.60

 私の周囲には,まさに「憧れのジェネラリスト」がたくさん,幸せな環境で仕事をしているが,「憧れのジェネラリスト」なんて医師には到底なれそうになく,この原稿依頼はかなりキツイものがあった.そこで,上記のように改題させて頂き,駄文を連ねる失礼をお許し願いたい.

みるトレ

Case 80

著者: 岩崎靖

ページ範囲:P.61 - P.63

Case 80
患者:51歳,男性.
病歴:生来健康であったが,約2年前から顔面や肩,四肢先端が不随意に動くようになった.次第に性格が変化し,怒りっぽくなったため,家族に連れられて受診した.父親,従兄弟に同様の不随意運動があり,叔父が自殺している.
神経学的所見:一般内科所見に異常はなかった.意識は清明であったが,顔面をしかめ,舌を突出し,頸部を左右に振り,肩をすくめるような不随意運動がみられ(図1),四肢の舞踏様運動も目立った.明らかな筋力低下,筋強剛はなく,腱反射は正常で,病的反射はなかった.小脳症状,感覚障害は明らかでなかった.
検査所見:血液生化学検査では特記すべき異常は認めなかった.頭部単純MRI(図2)を示す.

Case 81

著者: 岩崎靖

ページ範囲:P.65 - P.66

Case 81
患者:70歳,男性.
現病歴:高血圧と糖尿病を近医にて加療中である.一昨日の夕方,急に右口角と右手I〜III指から手掌にかけてのしびれ感を自覚した(図1).右手のIV,V指にはしびれ感がなく,日常生活にも影響はないため様子をみていたが,症状が改善しないため神経内科を受診した.
身体所見:一般内科所見に異常はなかった.意識は清明で,構音障害や失語はなかった.四肢の筋力低下や手指の巧緻運動障害は明らかでなく,四肢の腱反射にも左右差や異常を認めなかった.

Case 82

著者: 岩崎靖

ページ範囲:P.67 - P.69

Case 82
患者:76歳,男性.
既往歴:特記事項なし.
現病歴:1年ほど前から物忘れが目立つようになった.半年前から歩行が小刻みになり,動作が次第に緩慢となってきた.1カ月前から「虫が壁を這っている」,「台所で小さな子が遊んでいる」などの幻視が出現したため,家族に連れられて来院した.
神経学的所見:一般内科所見に異常はなかった.意識は清明で,脳神経に明らかな異常はなく,眼球運動障害は認めなかった.失語は明らかでないが,小声で単調な話し方であった.表情は乏しく,仮面様の顔貌であった.腱反射は正常で病的反射はなかった.四肢,体幹に筋強剛を認めたが,左右差や振戦はなかった.歩行姿勢は前傾で(図1),すくみ足,姿勢反射障害がみられた.
画像所見:頭部単純MRIでは年齢相応の脳萎縮を認めた.脳血流シンチグラフィ(図2)を示す.改訂長谷川式簡易知能スケールは18/30点,mini mental state test は19/30点で,見当識の障害や記銘力の低下を認めた.

Dr.山中のダイナマイト・レクチャー・3

問題5

著者: 山中克郎 ,   寺西智史

ページ範囲:P.70 - P.71

問題5 以下の患者について,予後を改善する治療法を6つ述べよ.
 76歳女性.1時間前から発症した左上下肢の麻痺を主訴に救急搬送された.脳MRIで脳梗塞の診断.

Dr.徳田と学ぶ 病歴と診察によるエビデンス内科診断・5

呼吸困難の診断 その2─心不全? COPD? 肺塞栓?

著者: 徳田安春

ページ範囲:P.72 - P.75

徳田:皆さん,こんにちは.この連載では臨床疫学的アプローチを用いた診断プロセスを学んでいきます.症例に基づきながら,レジデントの皆さんとの対話形式で進めていきます.今回は,前回の続きで呼吸困難の症例についてみていきます.前回の心不全と同様に,臨床現場で遭遇する頻度が高く,重篤度と緊急度の高い慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)の診断について考えていきます.COPDは,喘息,心不全,間質性肺疾患などとともに,「慢性の」呼吸困難の原因としても多い疾患となっています.では,前回の症例の病歴と身体所見をもう一度みてみましょう.胸部CT検査などにのみ頼ることなく,呼吸困難が診断できるようになることが今回の学習目標です.

臨床の勘と画像診断力を鍛えるコレクション呼吸器疾患[39]

発熱,および呼吸困難を呈した75歳男性

著者: 藤田次郎 ,   宮城征四郎

ページ範囲:P.76 - P.84

本連載では,沖縄県臨床呼吸器同好会の症例検討会をもとに,実況中継形式で読者のみなさんに呼吸器内科疾患を診る際のポイントとアプローチ方法を伝授したいと思います.宮城征四郎先生の豊富な臨床経験に基づいたコメントに注目しながら読み進めてください.画像診断のポイントと文献学的考察も押さえています.それでは早速始めましょう.今月のテーマは,発熱,および呼吸困難を呈した75歳男性に対するアプローチです.

メンタルクリニック便り・31

いまどきの「うつ」の背景

著者: 市村公一

ページ範囲:P.85 - P.85

 前々回と前回は,広汎性発達障害(アスペルガー症候群)のため適応障害を起こした男性の例をご紹介しました.広汎性発達障害ではほかに注意欠陥・多動性障害(ADHD)のためにミスが多く,周囲から叱責されて受診してくる例もあります.また意外に多いのが,パートナーがアスペルガー症候群のために「意思の疎通がうまくいかない」「気持ちを汲んでもらえない」と配偶者,特に妻が相談してくるケースです.以下に一番衝撃的だった例をご紹介します.

誰も教えてくれなかった不定愁訴の診かた・15

ちょっと変わった患者さん

著者: 太田大介

ページ範囲:P.86 - P.88

 今回は精神病圏の病態が疑われる不定愁訴患者への対応について取り上げたいと思います.

シネマ解題 映画は楽しい考える糧[91]

「Tommy/トミー」

著者: 浅井篤

ページ範囲:P.89 - P.89

三重苦を負ったトミーの幼少期の悲惨な家庭生活から,救世主としての活動までのオペラ
 本作は英国のロックバンド,ザ・フーが1969年に発表した同名アルバムを映画化したものです.このアルバムはロック・オペラという新しい概念を打ち立て,一世を風靡しました.本作も当時の第一線のアーティストが多数出演したこともあり,大きな話題になりました.映画の歴史を振り返ると,倫理や医療,宗教などを考えさせてくれるミュージカル作品がたくさんあります.劇中でトミーが歌う「feel me, see me, touch me, heal me」は,一度聞いたら忘れられません.名曲です.
 トミーが幼い時,軍人である父が戦死しました.残された母ノラは悲しみのあまり抑うつ的になりますが,やがてキャンプ場でフランクと知り合い結婚します.しかしある日,死んだはずの父が突然帰宅し,取り乱したフランクは彼を殺してしまいました.物音で目を覚ましたトミーは父親が義父に殺されるところを目撃してしまいます.慌てたノラとフランクはトミーに「おまえは何も見なかった,聞かなかった,そして何も言わない」と繰り返し言い聞かせ,その結果トミーは盲目の聾唖者になってしまうのでした.映画は三重苦を負ったトミーの悲惨な家庭生活,天賦の才能の開花,覚醒,そして救世主としての活動を,ザ・フーの楽曲に乗せてオペラとして描いていきます.

血液内科学が得意科目になるシリーズ・10

危ない? 大丈夫? 多すぎる白血球(後編)

著者: 萩原將太郎

ページ範囲:P.90 - P.95

 次の症例ではリンパ球の増加を考えてみましょう.

New Books

『レジデントのための血液診療の鉄則』—岡田 定(編著),樋口 敬和,森 慎一郎(著)

著者: 木崎昌弘

ページ範囲:P.45 - P.45

 このたび,聖路加国際病院血液内科部長の岡田定先生を中心に,同病院のスタッフである樋口敬和先生,森慎一郎先生により,レジデントおよび血液内科医を対象とした本書が医学書院より上梓された.本書を拝見してまず感じたのは「よく練られた内容で,読者のことを真っ先に考えたよくできた本だなあ」ということである.さすがに臨床経験が豊富で,場数を踏んでいる3人が書かれただけのことはあると感じ入った.
 われわれ血液内科(小児科)医は,実際の診療の現場では生命に直結する疾患を扱うことも多く,常に適切かつ迅速な判断を求められている.その上で特に造血器腫瘍の治療に関しては,化学療法や造血幹細胞移植のみならず,分子標的治療薬や抗体医薬などの新しい薬剤を用いた治療法をいかに用いるかについても適切に選択しなくてはならない.そのためには,多くの疾患を経験するとともに,常に最新の病態解析研究や治療薬の臨床試験のデータ,ガイドラインなどを頭に入れておく必要があるが,日々忙しいレジデントや血液内科(小児科)医は時間がないのも事実である.これらの知識を取得するためには,多忙な医師のことを考えたテキストが必要であるが,本書は「かゆいところに手が届くように」多忙な医師の立場に立って書かれた好書である.

『“実践的”抗菌薬の選び方・使い方』—細川 直登(編)

著者: 青木眞

ページ範囲:P.69 - P.69

●初学者から,「もう感染症の本は十分」と思われるベテランにもお薦め
 現在,世界のカルバペネムの7割を消費するわが国に戻ったのは20年ほど前.当時,評者は「西欧かぶれ」の感染症医と呼ばれるにふさわしく,参加する学会,購読するジャーナル,棚に並ぶ成書,全てが「洋物」であった.理由はわが国でメトロニダゾールがアメーバ赤痢や嫌気性菌に使えるようになったのが2012年,わずか2年前(本書p197)という極めてユニークな風景と無関係ではなかったと思う.しかしこの20年で臨床感染症を取り巻く風景は一変した.わが国にも抗菌薬の適正使用を熱く語れる真の臨床感染症の訓練を受けた医師が次々と生まれたからである.グローバルスタンダードを意識した本書は,そのような評者と価値を共有する仲間によってのみ執筆された.評者は各章を読み始めるとき,ついつい章末の執筆者の名前を見ては得心するのだった.
 しかし,本書の特徴を「グローバルスタンダードに基づいた抗菌薬の本」と定義するだけでは不十分となる.なぜなら本書は今までにない新しい切り口で書かれているからである.具体的には添付文書が同じ菌,同じ疾患に適応を示す抗菌薬同士の比較が記載されている.一見似たような抗菌薬を,より精密に使い分けるのが目的である.序文で編者いわく「抗菌薬の選択には理由が必要である」.広域抗菌薬を手にした社会が,思考停止にならないための警鐘から始まっている.

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雑誌『総合診療』のスタート—『JIM』から『総合診療』への誌名変更にあたって

ページ範囲:P.1 - P.1

 総合診療誌『JIM』は2015年から,誌名を『総合診療』に変更いたしました.医療技術・情報技術が急速に発展を遂げる一方で,未曾有の高齢社会が現実のものとなるなか,『JIM』創刊にあたって25年前に掲げた「既存の専門科にとらわれないアプローチ」「患者のニーズに対する具体的な対応」への高い必要性は,むしろ今日,より強く感じられています.新たな専門医育成の準備も始まり,この「総合診療」という分野への社会的な期待が一段と高まるなか,我々は,真に役立つ総合的な臨床情報を提供するという創刊時の志を引き継ぎ,発展させるためにも,より読者にわかりやすい誌名が必要だと判断し,誌名を変更いたしました.
 誌名変更にあたり,『総合診療』誌の編集方針を以下に掲げます.

バックナンバー

ページ範囲:P.64 - P.64

次号予告

ページ範囲:P.96 - P.96

基本情報

総合診療

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 2188-806X

印刷版ISSN 2188-8051

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バックナンバー

33巻12号(2023年12月発行)

特集 海の外へ渡る航行者を診る—アウトバウンドにまつわるetc.

33巻11号(2023年11月発行)

特集 —続・総合診療外来に“実装”したい—最新エビデンスMy Best 3

33巻10号(2023年10月発行)

特集 ○×クイズ110問!日常診療アップグレード—Choosing WiselyとHigh Value Careを学ぼう

33巻9号(2023年9月発行)

特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門

33巻8号(2023年8月発行)

特集 都市のプライマリ・ケア—「見えにくい」を「見えやすく」

33巻7号(2023年7月発行)

特集 “消去法”で考え直す「抗菌薬選択」のセオリー—広域に考え、狭域に始める

33巻6号(2023年6月発行)

特集 知っておくべき!モノクロな薬たち(注:モノクローナル抗体の話ですよ〜)

33巻5号(2023年5月発行)

特集 —疾患別“イルネススクリプト”で学ぶ—「腹痛診療」を磨き上げる22症例

33巻4号(2023年4月発行)

特集 救急対応ドリル—外来から在宅までの60問!

33巻3号(2023年3月発行)

特集 —自信がもてるようになる!—エビデンスに基づく「糖尿病診療」大全—新薬からトピックスまで

33巻2号(2023年2月発行)

特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き!

33巻1号(2023年1月発行)

特集 COVID-19パンデミック 振り返りと将来への備え

32巻12号(2022年12月発行)

特集 レクチャーの達人—とっておきの生ライブ付き!

32巻11号(2022年11月発行)

特集 不定愁訴にしない“MUS”診療—病態からマネジメントまで

32巻10号(2022年10月発行)

特集 日常診療に潜む「処方カスケード」—その症状、薬のせいではないですか?

32巻9号(2022年9月発行)

特集 総合診療・地域医療スキルアップドリル—こっそり学べる“特講ビデオ”つき!

32巻8号(2022年8月発行)

特集 こんなところも!“ちょいあて”エコー—POCUSお役立ちTips!

32巻7号(2022年7月発行)

特集 —どうせやせない!? やせなきゃいけない??苦手克服!—「肥満」との向き合い方講座

32巻6号(2022年6月発行)

特集 総合診療外来に“実装”したい最新エビデンス—My Best 3

32巻5号(2022年5月発行)

特集 「診断エラー」を科学する!—セッティング別 陥りやすい疾患・状況

32巻4号(2022年4月発行)

特集 えっ、これも!? 知っておきたい! 意外なアレルギー疾患

32巻3号(2022年3月発行)

特集 AI時代の医師のクリニカル・スキル—君は生き延びることができるか?

32巻2号(2022年2月発行)

特集 —withコロナ—かぜ診療の心得アップデート

32巻1号(2022年1月発行)

特集 実地医家が楽しく学ぶ 「熱」「炎症」、そして「免疫」—街場の免疫学・炎症学

31巻12号(2021年12月発行)

特集 “血が出た!”ときのリアル・アプローチ—そんな判断しちゃダメよ!

31巻11号(2021年11月発行)

特集 Q&Aで深める「むくみ診断」—正攻法も!一発診断も!外来も!病棟も!

31巻10号(2021年10月発行)

特集 医師の働き方改革—システムとマインドセットを変えよう!

31巻9号(2021年9月発行)

特集 「検査」のニューノーマル2021—この検査はもう古い? あの新検査はやるべき?

31巻8号(2021年8月発行)

特集 メンタルヘルス時代の総合診療外来—精神科医にぶっちゃけ相談してみました。

31巻7号(2021年7月発行)

特集 新時代の「在宅医療」—先進的プラクティスと最新テクノロジー

31巻6号(2021年6月発行)

特集 この診断で決まり!High Yieldな症候たち—見逃すな!キラリと光るその病歴&所見

31巻5号(2021年5月発行)

特集 臨床医のための 進化するアウトプット—学術論文からオンライン勉強会、SNSまで

31巻4号(2021年4月発行)

特集 消化器診療“虎の巻”—あなたの切実なギモンにズバリ答えます!

31巻3号(2021年3月発行)

特集 ライフステージでみる女性診療at a glance!—よくあるプロブレムを網羅しピンポイントで答えます。

31巻2号(2021年2月発行)

特集 肺炎診療のピットフォール—COVID-19から肺炎ミミックまで

31巻1号(2021年1月発行)

特別増大特集 新型コロナウイルス・パンデミック—今こそ知っておきたいこと、そして考えるべき未来

30巻12号(2020年12月発行)

特集 “ヤブ化”を防ぐ!—外来診療 基本の(き) Part 2

30巻11号(2020年11月発行)

特集 診断に役立つ! 教育で使える! フィジカル・エポニム!—身体所見に名を残すレジェンドたちの技と思考

30巻10号(2020年10月発行)

特集 —ポリファーマシーを回避する—エビデンスに基づく非薬物療法のススメ

30巻9号(2020年9月発行)

特集 いつ手術・インターベンションに送るの?|今でしょ! 今じゃないでしょ! 今のジョーシキ!【感染症・内分泌・整形外科 編】

30巻8号(2020年8月発行)

特集 マイナーエマージェンシー門外放出—知っておくと役立つ! テクニック集

30巻7号(2020年7月発行)

特集 その倦怠感、単なる「疲れ」じゃないですよ!—筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群とミミック

30巻6号(2020年6月発行)

特集 下降期慢性疾患患者の“具合”をよくする—ジェネラリストだからできること!

30巻5号(2020年5月発行)

特集 誌上Journal Club—私を変えた激アツ論文

30巻4号(2020年4月発行)

特集 大便強ドリル—便秘・下痢・腹痛・消化器疾患に強くなる41問!

30巻3号(2020年3月発行)

特集 これではアカンで!こどもの診療—ハマりがちな11のピットフォール

30巻2号(2020年2月発行)

特集 いつ手術・インターベンションに送るの?|今でしょ! 今じゃないでしょ! 今のジョーシキ!【循環器・消化器・神経疾患編】

30巻1号(2020年1月発行)

特集 総合診療医の“若手ロールモデル”を紹介します!—私たちはどう生きるか

27巻12号(2017年12月発行)

特集 小児診療“苦手”克服!!—劇的Before & After

27巻11号(2017年11月発行)

特集 今そこにある、ファミリー・バイオレンス|Violence and Health

27巻10号(2017年10月発行)

特集 めまいがするんです!─特別付録Web動画付

27巻9号(2017年9月発行)

特集 うつより多い「不安」の診かた—患者も医師も安らぎたい

27巻8号(2017年8月発行)

特集 見逃しやすい内分泌疾患─このキーワード、この所見で診断する!

27巻7号(2017年7月発行)

特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 3 カリスマ編

27巻6号(2017年6月発行)

特集 「地域を診る医者」最強の養成法!

27巻5号(2017年5月発行)

特集 コミュニケーションを処方する—ユマニチュードもオープンダイアローグも入ってます!

27巻4号(2017年4月発行)

特集 病歴と診察で診断できない発熱!—その謎の賢い解き方を伝授します。

27巻3号(2017年3月発行)

特集 これがホントに必要な薬40—総合診療医の外来自家薬籠

27巻2号(2017年2月発行)

特集 The総合診療ベーシックス—白熱!「総合診療フェスin OKINAWA」ライブ・レクチャー! 一挙公開 フィジカル動画付!

27巻1号(2017年1月発行)

特集 総合診療の“夜明け”—キーマンが語り尽くした「来し方、行く末」

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