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特集 動悸・息切れ─ヤバい病気の見つけ方 そして見つからなかった時の対処法 【動悸・息切れが主訴の患者に出会ったら】
慢性呼吸不全を見落とさないために
著者: 関谷充晃1 瀬山邦明1 高橋和久1
所属機関: 1順天堂大学医学部大学院医学研究科・呼吸器内科
ページ範囲:P.26 - P.29
文献購入ページに移動CO2ナルコーシスによる意識障害をきたした肺結核後遺症の1例
患 者:85歳,男性.
既往歴:23歳で肺結核に対し,左胸郭形成術を施行.
現病歴:3日前から咳嗽,膿性痰,37℃台の発熱,軽度の息切れを認めていたが,感冒と思い放置していた.本日になり傾眠傾向にあることに家人が気づき,受診した.受診時,意識障害(JCS II-20),口唇のチアノーゼを認め,室内気でのSpO2も82%と低下していた.動脈血ガス分析を行い,PaO2 50Torr,PaCO2 92Torr,pH 6.94とII型呼吸不全を認めた.胸部X線では胸郭形成術後の所見に加え,右下肺野の軽度の肺炎像を認めた.肺結核後遺症に肺炎を合併しCO2ナルコーシスに至ったものと診断した.抗菌薬投与と非侵襲的陽圧換気(NPPV)による換気のサポートを行い,軽快した.
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