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文献詳細

雑誌文献

総合診療25巻1号

2015年01月発行

文献概要

特集 動悸・息切れ─ヤバい病気の見つけ方 そして見つからなかった時の対処法 【動悸・息切れ症状の標準的マネージメントとプラスワン】

経口抗凝固薬だけが心房細動の治療ではない

著者: 阪上学12

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構金沢医療センター臨床研究部 2独立行政法人国立病院機構金沢医療センター循環器科

ページ範囲:P.30 - P.34

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Case
症例:78歳,男性.
現病歴:60歳頃から心房細動を指摘.抗不整脈薬無効のため,アスピリン投与にて経過観察されていた.77歳頃から動悸・息切れの増悪あり,当院紹介となった.アブレーション治療の希望があったが,経食道心エコー(TEE)にて左心耳血栓の疑いがあり,抗凝固薬を継続し,これが認められないことを確認のうえ,アブレーション治療(肺静脈を含めた左房後壁隔離術)を実施した.3カ月後も洞調律が維持され,自覚症状は著明改善した.BNP値は247.2pg/mlから34.2pg/mlへと改善した.

参考文献

スコアによって心房細動の脳卒中リスクを評価することの有用性が示された>
-VAScスコアやHAS-BLEDスコアによる評価法等が有用として採用されている>
3)井上博,他:心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)/日本循環器学会ホームページ,2014年1月27日発行. <日本循環器学会のガイドライン改訂版.日本独自の臨床研究結果も採用されている>
4)Wilber DJ, et al : Comparison of antiarrhythmic drug therapy and radiofrequency catheter ablation in patients with paroxysmal atrial fibrillation ; a randomized controlled trial. JAMA 303(4) : 333-340, 2010. <有症候性薬剤抵抗性発作性心房細動に対して,アブレーション治療が抗不整脈薬投与よりも心房細動抑制効果が高いとした論文>
5)Morillo C, et al : Radiofrequency Ablation vs Antiarrhythmic Drugs as First-Line Treatment of Symptomatic Atrial Fibrillation : (RAAFT 2) ; a randomized trial. JAMA 311(7) : 692-700, 2014. <初期治療としてアブレーション治療と抗不整脈薬投与とを比較した論文>
score. Heart Rhythm 10(9) : 1272-1277, 2013. <同塞栓リスクの患者でも,アブレーション治療を受けた症例群の塞栓発症率が,受けない患者群よりも低く,心房細動のない患者群と同程度であることを示した>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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