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文献詳細

雑誌文献

総合診療25巻1号

2015年01月発行

文献概要

特集 動悸・息切れ─ヤバい病気の見つけ方 そして見つからなかった時の対処法 【動悸・息切れ症状の標準的マネージメントとプラスワン】

動悸・息切れをきたす精神科疾患

著者: 原井宏明1

所属機関: 1和楽会なごやメンタルクリニック

ページ範囲:P.46 - P.47

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Case
動悸を訴え内科を頻回に受診する高齢女性
患者:70代,女性.
家族歴:数年前に夫が病死.
既往歴:特になし.
現病歴:生来,社交的で活発.子どもたちは結婚し,独立.夫の死後も元気で合唱団,旅行など,一人暮らしを満喫していた.かかりつけの病院もなかった.1年前,夜間に動悸,息苦しさが突然生じ,近くの総合病院内科を受診した.心電図検査で軽い心室性期外収縮が発見された.その後,動悸と息苦しさを気にするようになり,夜間救急を多い時は週に3,4回,受診するようになった.内科的には期外収縮以外には特に大きな問題を認めない.合唱や旅行を止め,人付き合いも避けるようになった.内科医からは抗不整脈薬とエチゾラムを処方されていた.指示以上に服用することはないが,薬の副作用を気にするようになり,記憶が落ちてきた,認知症になるのではないか,足下がふらつく,転倒するのではないか,と心配ばかりするようになった.様子を心配した息子が不安障害を専門にする精神科医をネットで見つけて転医させた.

参考文献

1)原井宏明:対人援助職のための認知・行動療法─マニュアルから抜けだしたい臨床家の道具箱.金剛出版,2010. <パニック障害の患者を取り上げ,患者によかれと思って行った治療が医原性の慢性化につながる場合と,エビデンスに沿った認知行動療法と薬物療法が社会復帰につながる場合とを並列して示している>
2)原井宏明:方法としての動機づけ面接.岩崎学術出版,2012. <動機づけ面接に関する概説書である.強迫性障害の患者に対し,認知行動療法を動機づける面接場面が逐語で解説されている>
3)原井宏明:うつ・不安・不眠の薬の減らし方.秀和システム,2012. <ベンゾジアゼピンやSSRIの作用や依存などについて,行動薬理学の立場から解説している.実際の患者の体験談を元にして,依存症からの離脱,認知行動療法の適用の仕方を示す>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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