文献詳細
文献概要
特集 動悸・息切れ─ヤバい病気の見つけ方 そして見つからなかった時の対処法 【動悸・息切れ症状の標準的マネージメントとプラスワン】
動悸・息切れをきたす精神科疾患
著者: 原井宏明1
所属機関: 1和楽会なごやメンタルクリニック
ページ範囲:P.46 - P.47
文献購入ページに移動動悸を訴え内科を頻回に受診する高齢女性
患者:70代,女性.
家族歴:数年前に夫が病死.
既往歴:特になし.
現病歴:生来,社交的で活発.子どもたちは結婚し,独立.夫の死後も元気で合唱団,旅行など,一人暮らしを満喫していた.かかりつけの病院もなかった.1年前,夜間に動悸,息苦しさが突然生じ,近くの総合病院内科を受診した.心電図検査で軽い心室性期外収縮が発見された.その後,動悸と息苦しさを気にするようになり,夜間救急を多い時は週に3,4回,受診するようになった.内科的には期外収縮以外には特に大きな問題を認めない.合唱や旅行を止め,人付き合いも避けるようになった.内科医からは抗不整脈薬とエチゾラムを処方されていた.指示以上に服用することはないが,薬の副作用を気にするようになり,記憶が落ちてきた,認知症になるのではないか,足下がふらつく,転倒するのではないか,と心配ばかりするようになった.様子を心配した息子が不安障害を専門にする精神科医をネットで見つけて転医させた.
参考文献
掲載誌情報