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特集 レアだけど重要な「痛み」の原因─システム1診断学 【部位別システム1診断アプローチ】
背部痛・頸部痛でレア疾患のシステム1診断
著者: 中西研輔1 金城光代1
所属機関: 1沖縄県立中部病院総合内科
ページ範囲:P.1027 - P.1030
文献購入ページに移動慢性腰痛で発症した脊椎関節炎
患者:30歳,男性.
現病歴:2年前から腰痛があり,整形外科に通院していた.3カ月前から手・膝・足関節の疼痛が出現し,関節リウマチを疑われ紹介となった.来院時じっと座っていることができず,立位で足踏みをしながら診察を待っていた.腰痛と踵の痛みは安静時や夜間増悪し,動いているとやや軽快する.
身体診察では,PIP関節(proximal interpharangeal joint:近位指節間関節)および両足関節腫脹と両踵と左仙腸関節の圧痛を認めた.血液検査では炎症反応の上昇はなく,骨盤X線で明らかな異常を認めなかったが,MRIで左仙腸関節に炎症所見を認め,脊椎関節炎(spondyloarthritis : SpA)と診断した.NSAIDs・サラゾスルファピリジン内服にて末梢の関節炎は軽快した.腰痛が持続したため,抗TNF製剤を導入し軽快した.
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