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特集 外来で「複数の疾患」をもつ患者を診る─マルチモビディティの時代のプライマリ・ケア 【併存疾患のある慢性疾患管理】
慢性腎臓病と併存疾患—「疼痛」を伴う場合の薬物療法
著者: 杉本俊郎12
所属機関: 1滋賀医科大学総合内科学講座(地域医療支援) 2東近江総合医療センター 統括診療部総合内科部
ページ範囲:P.1112 - P.1115
文献購入ページに移動鎮痛薬の投与とアンジオテンシン阻害薬の増量にて腎障害をきたした慢性腎臓病の一例
患者:60歳台,男性.
既往歴:高血圧,高コレステロール血症,慢性腎臓病,膝変形性関節炎で近医受診中.
現病歴:ここ数週間で,「全身倦怠感」「運動時呼吸困難」「両下肢の浮腫」が増悪し,地域中核病院の総合内科初診外来を受診.
過去5年間,ロンゲスⓇ10mg,リピトールⓇ10mg,モービックⓇ5mg屯用にて安定していた.しかし3カ月前から,転倒を機に膝の痛みが悪化し,モービックⓇ5mg×3に増量.その後,次第に血圧が上昇し,ロンゲスⓇ20mgに増量されていた.
腎機能は,血清クレアチニン(Cr)3.51mg/dl,血中尿素窒素(BUN)61mg/dl(半年前はCr 0.96mg/dl,BUN 18mg/dl)と「腎障害」を呈していた.
この患者の腎障害の成因は何であろうか?
※本例は『JAMA internal medicine』のhigh value care(米国Choosing Wiselyキャンペーンの一環に関する連載「teachable moment Less is More」1)の一例を参考にした.
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