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文献詳細

雑誌文献

総合診療25巻2号

2015年02月発行

文献概要

特集 総合医のためのスポーツ医学ベーシックス 【プライマリ・ケアで遭遇するcommonなスポーツ傷害】

上肢

著者: 馬見塚尚孝1

所属機関: 1筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター

ページ範囲:P.114 - P.117

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Case
患者:15歳男性,高校1年生.硬式野球部投手.
現症と検査所見:肘痛のため塁間以上の投球が困難になり来院.肘痛初発は小学校5年生の時で,近医で上腕骨内側上顆に骨折があるといわれた.2週間の休息で肘痛は消失したため,自己判断で通院を中止した.その後も肘痛が時々あったが,自分が休むとチームが負けるため休むことができなかった.当院初診時,圧痛は肘内側側副靱帯部にあり,外反ストレステスト,moving valgus stress testが陽性であった.単純X線写真では上腕骨内側上顆下部に遊離骨片を認めた.MRIでは図1のように靱帯の肥厚や靱帯付着部の骨片を認めた.図2のように長掌筋腱をドナーとする再建が必要となる例があるため,ジュニア期の障害予防対策が重要である.

参考文献

1)馬見塚尚孝,平野 篤,他:投球肘障害の高分解能MRI.岩本幸英(編):小児整形外科疾患─診断・治療の進歩.別冊整形外科64 : 2-6,2013.
2)馬見塚尚孝:『野球医学』の教科書.p159,ベースボール・マガジン社,2012.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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