文献詳細
文献概要
特集 総合医のためのスポーツ医学ベーシックス 【総合医が知っておきたいスポーツ医学の知識】
スポーツと脳震盪
著者: 小林裕幸1
所属機関: 1筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター
ページ範囲:P.142 - P.144
文献購入ページに移動 近年,スポーツ医学の発達とともに脳震盪の重要性が指摘されるようになった.過去には,スポーツの試合で「魔法の水」といって,やかんに入れた水を脳震盪で倒れている選手の頭にかけ,意識を取り戻させて競技に復帰させる光景があった.しかし,second impact syndromeをはじめ,短期間に繰り返す頭部打撲により,不可逆的な神経機能障害を起こすことが明らかになってきた.すなわち,受傷により神経・グリア細胞が修復しないうちにもう一度受傷すると,細胞死に陥ることが報告されている.現在,日本ラグビーフットボール協会では,脳震盪の診断や疑いがあった場合には,医師の非管理下では原則3週間は競技に復帰できない厳格な規則を設けている1).
参考文献
1)日本ラグビーフットボール協会:脳震盪ガイドライン. http://www.rugby-japan.jp/about/committee/safe/concussion/index.html <日本ラグビーフットボール協会の脳震盪の項目集,日本語SCAT2あり>
2)British Journal of Sports Medicineホームページ http://bjsm.bmj.com/content/47/5/259.full.pdf <SCAT3のダウンロード先,英語>
3)McCrory, et al : Consensus statement on concussion in sport : the 4th International Conference on Concussion in Sport held in Zurich, November 2012. Br J Sports Med 47(5) : 250-258, 2013. <脳震盪について国際会議で定めたガイドライン>
4)Scorza, et al : Current concepts in concussion : evaluation and management. Am Fam Physician 85(2) : 123-132, 2012. <脳震盪の現場でのアプローチ>
掲載誌情報