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文献詳細

雑誌文献

総合診療25巻2号

2015年02月発行

文献概要

特集 総合医のためのスポーツ医学ベーシックス 【総合医が知っておきたいスポーツ医学の知識】

女性とスポーツ

著者: 土肥美智子1

所属機関: 1国立スポーツ科学センターメディカルセンター

ページ範囲:P.145 - P.147

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性差
 スポーツによる身体への影響,障害,外傷や疾患は,女性と男性では異なる.それは当然,男女では身体的・生理学的な差があるからである.
 男女の生理学的な差のなかで,体脂肪率が女性で優位であるのは,女性ホルモンが皮下脂肪の蓄積に働くためで,この体脂肪率の差は乳房,臀部,大腿部につく必須脂肪による.これが第二次性徴の証であり,かつ女性らしさを形づくる.この脂肪は男性では体重の約3%,女性は約9〜12%といわれており,女性アスリートは一般女性よりは低い傾向にある.この時期(つまり思春期)になると性差が顕著になるが,それまでのパフォーマンスはほぼ男女同じである.その他,有・無酸素能力,スピード,一回心拍出量など,スポーツに関わる生理学的項目は男性が優位である.

参考文献

1)亀井明子,他:ロンドン五輪日本代表選手の血中の鉄関連指標に関する検討.第60回日本栄養改善学会学術総会,2013.
2)American College of Sports Medicine position stand : The female athlete triad. Med Sci Sports Exerc 39(10): 1867-1882, 2007.
3)Welt CK, et al : Recombinat human leptin in women with hypothalamic amenorrhea. N Engl L Med 351(10) : 987-997, 2004.
4)Laughlin GA, et al : Hypoleptinemia in women ath-letes : absence of a diurnal rhythm with amenorrhea. J Clin Endocrinol Metab 82 : 318-321, 1997.
5)Takeda S, et al : Leptin regulates bone formation via the sympathetic nervous system. Cell 111(3) : 305-317, 2002.
6)中村真理子:女性アスリートのコンディション評価.臨床スポーツ医学 30 : 121-126, 2013.
7)能瀬さやか,土肥美智子,他:女性トップアスリートにおける無月経と疲労骨折の検討.日本臨床スポーツ医学会誌 22 : 67-74, 2014.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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