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文献詳細

雑誌文献

総合診療25巻3号

2015年03月発行

文献概要

特集 神経難病ケアのコペルニクス的転回 【症状コントロールの進歩】

パーキンソン病と関連症状コントロール—ウェアリングオフ現象に対するcontinuous dopaminergic stimulation

著者: 大田健太郎1 池田哲彦1

所属機関: 1独立行政法人 国立病院機構新潟病院神経内科

ページ範囲:P.227 - P.229

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Case 1
患者:70歳,女性.
病歴:62歳パーキンソン病発症.発症後8年目の某日,朝,内服薬を飲み忘れて動けなくなり,翌日の朝に発見された.
家庭環境:独居.介護者は独身の息子のみで,遠距離通勤者(4時間/日).
神経学的所見:on時(ヤールⅢ);寡動,すくみ足,前傾姿勢,姿勢保持障害を認めた.右足関節が底屈(ジストニア).off時(ヤールⅤ);ほぼ無動無言,右足のジストニアがさらに悪化.
経過と考察:当初ロピニロール3mg/日(分3)が投与されていたが,ウェアリングオフ現象(G1)が残存したのでロピニロール除放剤4mg/日に切り替えたところ,ウェアリングオフ現象は消失.介護環境が不良で,offの存在が致命的になる状況下においてはCDS(G2)の概念を持って治療に当たり,off時の短縮に努めるべきである.右足のジストニアにはA型ボツリヌス毒素を筋肉注射し,改善を認めた.歩行障害の治療は複合的なアプローチが重要である.

参考文献

1)「パーキンソン病治療ガイドライン」作成委員会:パーキンソン病治療ガイドライン.医学書院,2011.
2)Global Parkinson's Disease Survey Steering Committee : Factors impacting on quality of life in Parkinson's disease ; results from an international survey. Mov Disord 17(1) : 60-67, 2002.
3)Fahn S, et al : Levodopa and the progression of Parkinson's disease. N Engl J Med 351 : 2498-2508, 2004.
4)藤本健一:Parkinson病に伴う首下がり症候群.神経内科 81(1):9-14, 2014.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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