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特集 神経難病ケアのコペルニクス的転回 【トピックス─多専門職種チーム(MDT)ケアのために】
MDTのための,神経難病ケアにおける心理サポートと集団アプローチ
著者: 後藤清恵1
所属機関: 1独立行政法人国立病院機構新潟病院 臨床研究部臨床遺伝心理室
ページ範囲:P.252 - P.254
文献購入ページに移動難病における心理サポートの必要性
進行性で治癒の見込めない難病患者の療養生活は,連続する機能喪失の中で不安との戦いであり,重篤な病を患う身体と共に過ごす時間でもある.そのため,MDT(多専門職種チーム)による幅広い支援により,その時々の機能を積極的に生かしながら,患者・家族の生活の質(QOL)を高める必要がある.その際,心理的サポートは医療の本質に関わる支援として,家族や医療福祉従事者の疲弊を支える支援として,その機能を果たす.
難病を患う患者・家族は,病気自体と文化的・社会的文脈にある健康志向的価値観の両者により,二重のストレス状況に置かれている.患者・家族への支援方法を検討するには,患者・家族のQOL評価が重要となる.しかし,今までのQOL評価は,客観的な身体機能レベル評価が中心であり,患者・家族の主観的・個別的評価に視点が向けられることは少なかった.近年のPatient Reported Outcome(PRO)による医療アウトカム評価の動きにより,患者・家族のQOLは状況や考え方,価値観により変動する構成体であり,どんな難病であっても適切な支援さえあれば,患者・家族のQOL向上は可能であると考えられるようになり(本特集222頁,大生・中島論文参照),心理的サポートの必要性が再認識された.
進行性で治癒の見込めない難病患者の療養生活は,連続する機能喪失の中で不安との戦いであり,重篤な病を患う身体と共に過ごす時間でもある.そのため,MDT(多専門職種チーム)による幅広い支援により,その時々の機能を積極的に生かしながら,患者・家族の生活の質(QOL)を高める必要がある.その際,心理的サポートは医療の本質に関わる支援として,家族や医療福祉従事者の疲弊を支える支援として,その機能を果たす.
難病を患う患者・家族は,病気自体と文化的・社会的文脈にある健康志向的価値観の両者により,二重のストレス状況に置かれている.患者・家族への支援方法を検討するには,患者・家族のQOL評価が重要となる.しかし,今までのQOL評価は,客観的な身体機能レベル評価が中心であり,患者・家族の主観的・個別的評価に視点が向けられることは少なかった.近年のPatient Reported Outcome(PRO)による医療アウトカム評価の動きにより,患者・家族のQOLは状況や考え方,価値観により変動する構成体であり,どんな難病であっても適切な支援さえあれば,患者・家族のQOL向上は可能であると考えられるようになり(本特集222頁,大生・中島論文参照),心理的サポートの必要性が再認識された.
参考文献
1)後藤清恵:厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業「特定疾患の生活の質(Quality of Life, QOL)の向上に資するケアの在り方に関する研究」班.①ナラティブ・ベイスドメディシンの実践的有用性,2006,②患者・家族のQOLを支える要因とその援助,2007,③神経難病患者と主介護者のQOLの相互関連性,2008.
2)後藤清恵:厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業「希少性難治性疾患患者に関する医療の向上及び患者支援のあり方に関する研究(研究分担社 中島孝)」) 神経難病患者・神経筋疾患患者のためのサポートグループ.集団支援アプローチに基づく研究2012, 2013.
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