文献詳細
文献概要
特集 関節が痛いんです!─コモンからレアものまでの診断と治療 【関節痛で疑う比較的レアな疾患】
SLE,MCTD,血管炎症候群
著者: 鈴木紘史1 山本祐1
所属機関: 1自治医科大学附属病院総合診療内科
ページ範囲:P.359 - P.361
文献購入ページに移動患者:25歳,女性.
主訴:発熱,関節痛.
現病歴:3週間前に,誘因なく37℃台の発熱と右膝の疼痛が出現した.市販薬服用でも改善がないため来院し,白血球2,000/μlとCRP 0.2mg/dlからウイルス感染症と診断された.NSAIDsを服用していたが,薬効が切れると37℃〜38℃台の発熱がみられることが続いた.1週間後には右膝の疼痛に加えて右膝腫脹による歩行困難もみられ,左手首の腫脹・疼痛もみられるようになった.また,同時期より顔面の紅潮を自覚したため再診し,多関節炎,顔面紅斑,白血球減少から,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)が疑われた.
検査所見:白血球1,800/μl,赤沈30mm/1時間,CRP 1.2mg/dl,抗核抗体160倍,C3 68mg/dl(基準値86〜160),C4 12mg/dl(17〜45),CH50 21.3U/ml(24.7〜39.5),ヒトパルボウイルスB19 IgM抗体陰性.
経過:抗核抗体陽性,低補体血症もあることからSLEを最も疑い,膠原病科へ紹介した.同科で追加の検査が予定された.
参考文献
掲載誌情報