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特集 関節が痛いんです!─コモンからレアものまでの診断と治療 【関節痛で疑う比較的レアな疾患】
血清反応陰性関節症とその類縁疾患
著者: 西迫尚1 根本隆章2 松田隆秀2
所属機関: 1川崎市立多摩病院総合診療内科 2聖マリアンナ医科大学総合診療内科
ページ範囲:P.362 - P.365
文献購入ページに移動患者:57歳,女性.
主訴:両手首が痛い.
現病歴:1週前から両手関節の痛みが出現.近医を受診し蜂巣炎の診断のもと,内服抗菌薬の投与を受けていた.その後も疼痛が持続するため受診.1年前にも同様の症状があり,関節リウマチの診断で整形外科に通院歴あり.お話を聞くと,それ以前にも皮膚科に掌蹠膿疱症での通院歴があった.診察上,両手関節背側に熱感と圧痛を伴う腫脹を認めた.また胸鎖関節にも同様の所見を認めており,頰部に痤瘡,手掌に掌蹠膿疱の痕跡と思われる鱗屑と発赤を認めた(図1).
検査結果と経過:CRP 9.7mg/dl, ESR 102mm/時であったが,抗核抗体・リウマチ因子とも陰性であった.胸部単純X線写真で胸鎖関節に骨硬化像を認めており,SAPHO症候群と診断した.NSAIDsの投与を行い,自覚症状は改善した.
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