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文献概要
特集 関節が痛いんです!─コモンからレアものまでの診断と治療 【関節痛で疑うレアな疾患】
Whipple病
著者: 綿貫聡1
所属機関: 1東京都立多摩総合医療センターリウマチ膠原病科
ページ範囲:P.376 - P.377
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患者:50歳,女性.
現病歴:3年前から食欲低下とともに,多い時は1日4〜5回程度の不消化便が出現,徐々に体重が減少し,1年間で10kgほどの体重減少を認めた.膝,手関節を中心とした移動性の関節炎も認められ,精査目的に紹介となった.
検査結果と経過:血液検査では軽度の白血球増加と貧血を認め,CTでは腸間膜リンパ節の腫大を認めた.精査目的に入院となり,上部・下部消化管内視鏡検査では異常所見を認めず,小腸内視鏡を施行したところ,十二指腸から上部小腸にかけて白色絨毛の散在を認め,同部位から生検を行ったところ,脂肪が抜け落ちたような空隙状のスペース形成とともに,大型マクロファージの集簇を認めた.Whipple病を疑って追加染色を施行したところ,PAS染色陽性の顆粒状物質を認めた.腸管の病理標本についてTropheryma whippleiのPCR検査を提出したところ,陽性の結果が得られ,Whipple病と診断した.
患者:50歳,女性.
現病歴:3年前から食欲低下とともに,多い時は1日4〜5回程度の不消化便が出現,徐々に体重が減少し,1年間で10kgほどの体重減少を認めた.膝,手関節を中心とした移動性の関節炎も認められ,精査目的に紹介となった.
検査結果と経過:血液検査では軽度の白血球増加と貧血を認め,CTでは腸間膜リンパ節の腫大を認めた.精査目的に入院となり,上部・下部消化管内視鏡検査では異常所見を認めず,小腸内視鏡を施行したところ,十二指腸から上部小腸にかけて白色絨毛の散在を認め,同部位から生検を行ったところ,脂肪が抜け落ちたような空隙状のスペース形成とともに,大型マクロファージの集簇を認めた.Whipple病を疑って追加染色を施行したところ,PAS染色陽性の顆粒状物質を認めた.腸管の病理標本についてTropheryma whippleiのPCR検査を提出したところ,陽性の結果が得られ,Whipple病と診断した.
参考文献
1)Whipple GH : Bulletin of the Johns Hopkins Hospital 18 : 382-391, 1907.
2)Fenollar F, et al : N Engl J Med 356 : 55-66, 2007.
3)Puécheal X : Ann Rheum Dis 72 : 797-803, 2013.
4)Schneider T, et al : Lancet Infect Dis 8 : 179-180, 2008.
5)Fenollar F, et al : J Infect 69 : 103-112, 2014.
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