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特集 咳を聴きとり,咳を止める 【咳の原因の全体像を捉える】 ●ガイドラインの要点を非専門医が読み解くには
咳嗽ガイドライン(第2版)のエッセンス
著者: 新実彰男1
所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科呼吸器・免疫アレルギー内科学
ページ範囲:P.422 - P.426
文献購入ページに移動ガイドラインの概要と特徴
咳嗽の診療ガイドラインとして,2005年に日本呼吸器学会から『咳嗽に関するガイドライン』,翌年に同じ内容の英語版,そして2012年に『咳嗽に関するガイドライン第2版』が刊行された(英語版準備中).本ガイドラインでは,3 週未満の急性咳嗽,3 週以上8 週未満の遷延性咳嗽,8 週以上の慢性咳嗽に分類している.急性咳嗽の多くは急性上気道炎や上気道炎後に咳だけが残る感染後咳嗽であり,持続期間が長くなるほど感染症に伴う咳の比率は低くなる.遷延性咳嗽でも感染後咳嗽が最多の疾患であるが,慢性ではその頻度は低く,咳喘息,胃食道逆流症(GERD),副鼻腔気管支症候群など,多彩な疾患が原因となる(図1).
初版と異なる第2版の主な特徴は,以下の2点である.
咳嗽の診療ガイドラインとして,2005年に日本呼吸器学会から『咳嗽に関するガイドライン』,翌年に同じ内容の英語版,そして2012年に『咳嗽に関するガイドライン第2版』が刊行された(英語版準備中).本ガイドラインでは,3 週未満の急性咳嗽,3 週以上8 週未満の遷延性咳嗽,8 週以上の慢性咳嗽に分類している.急性咳嗽の多くは急性上気道炎や上気道炎後に咳だけが残る感染後咳嗽であり,持続期間が長くなるほど感染症に伴う咳の比率は低くなる.遷延性咳嗽でも感染後咳嗽が最多の疾患であるが,慢性ではその頻度は低く,咳喘息,胃食道逆流症(GERD),副鼻腔気管支症候群など,多彩な疾患が原因となる(図1).
初版と異なる第2版の主な特徴は,以下の2点である.
参考文献
1)日本呼吸器学会「咳嗽に関するガイドライン」作成委員会(委員長 河野茂):咳嗽に関するガイドライン第2版.メディカルレビュー社,2012. <咳嗽の診断,治療について記載したガイドラインの改訂版>
2)Niimi A : Geography and cough aetiology. Pulm Pharmacol Ther 20 : 383-387, 2007. <慢性咳嗽の疫学(原因疾患)に関する国家間の差異について考察した総説>
3)新実彰男:慢性咳嗽の診断と治療.現代医学 60 : 337-346, 2012. <慢性咳嗽の診断と治療を総論から各論(主要な原因疾患)まで詳述した総説>
4)新実彰男:咳喘息と類似疾患.日本内科学会雑誌 102 : 1419-1425,2013. <慢性咳嗽の最多の原因疾患である咳喘息とその類縁疾患(アトピー咳嗽,好酸球性気管支炎)に関する総説>
5)新実彰男:咳嗽をきたす疾患の診断と治療;胃食道逆流症.綜合臨牀 58 : 2116-2121, 2009. <近年本邦で増加しているGERDによる慢性咳嗽の病態,診断,治療に関する総説>
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