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特集 咳を聴きとり,咳を止める 【咳の原因の全体像を捉える】 ●病態生理を理解する
線毛運動の視点から見た咳
著者: 澤祥幸1
所属機関: 1岐阜市民病院がんセンター
ページ範囲:P.432 - P.434
文献購入ページに移動はじめに
気道には種々の生体防御機構があり,特に下気道においては,①咳反射,②粘液線毛輸送系,③肺胞マクロファージが相互に機能し,気道クリアランスを構成している.咳は乾性咳嗽と湿性咳嗽に分けられるが,湿性咳嗽は気道に侵入した外的異物(細菌や粒子)および気道粘膜分泌物の排出のための生理的反応であり,線毛運動(G1)の機能と障害の理解が重要である.
気道には種々の生体防御機構があり,特に下気道においては,①咳反射,②粘液線毛輸送系,③肺胞マクロファージが相互に機能し,気道クリアランスを構成している.咳は乾性咳嗽と湿性咳嗽に分けられるが,湿性咳嗽は気道に侵入した外的異物(細菌や粒子)および気道粘膜分泌物の排出のための生理的反応であり,線毛運動(G1)の機能と障害の理解が重要である.
参考文献
1)Afzelius BA : Cilia-related diseases. J Pathol 204(4) : 470-477, 2004. <ヒト線毛の構造の遺伝性障害について,PCD中心に解説>
2)中張隆司,他:線毛運動画像解析のブレークスルー.呼吸 30(10) : 872-877, 2011. <高速度カメラを用いた線毛運動評価と薬剤効果が解説されている>
3)田中裕士:呼吸器病原体-病原因子-生体反応 マイコプラズマ-細胞付着・傷害-Dry cough.呼吸器内科 19(1):45-50, 2011. <マイコプラズマ感染による線毛機能障害と,乾性咳嗽出現について解説>
4)澤 祥幸:喘息と気道分泌 粘液線毛輸送能とマクロライド剤.喘息 9(2):45-48, 1996. <下気道感染における粘液線毛輸送能とマクロライド剤の効果を解説>
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