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特集 咳を聴きとり,咳を止める 【ジェネラリストのための咳の診断と治療】
急性咳嗽(初期3週間以内)の咳の治療戦略
著者: 亀井雅1 坂東修二2
所属機関: 1亀井内科呼吸器科医院 2香川大学医学部血液・免疫・呼吸器内科学
ページ範囲:P.447 - P.451
文献購入ページに移動非定型肺炎が喘息症状を起こした1例
患者: 51歳,女性.
現病歴:10日前より持続する夜間に強い乾性咳嗽にて初診となる.2年前にも3週間以上続く咳嗽があった.初診時,胸部単純X線写真で異常なくWBC 3,800/μl,CRP 0.3mg/dl,肺機能異常もなかった.喘鳴はなかったがICS+LABA合剤を処方し,咳嗽は著明に減少した.
その後再度咳嗽増強し,37.5℃の発熱を認めた.またその際喘鳴を伴い,夜間喘息発作を起こした.発作後咳嗽が持続したため来院した.WBC 2,900/μl,CRP 1.1mg/dlにて単純X線写真では異常を認めなかったが,咳嗽が強く胸部CTを施行し,非定型肺炎を認めた.過去に長引く咳嗽の病歴からアレルギー性の咳嗽を疑ったが,同一患者でも異なった原因により咳嗽を認めることがあり,胸部単純X線写真では軽度の非定型肺炎を見逃す可能性があることに注意を要すると思われた.
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