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特集 咳を聴きとり,咳を止める 【随伴症状と咳:診断アプローチを理解する】
後鼻漏を伴う咳を見た際には?
著者: 黒野祐一1
所属機関: 1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
ページ範囲:P.472 - P.475
文献購入ページに移動慢性副鼻腔炎により湿性咳嗽を生じた1例
患 者:62歳,女性.
現病歴:3カ月前から咳嗽が続くため近医内科を受診したが,喘息等の下気道疾患はないと言われた.鼻汁がのどに流れる感じがあるため,耳鼻咽喉科受診を勧められ来診した.鼻閉があり,前鼻鏡検査で鼻茸を認めた.中咽頭の視診で咽頭後壁に粘稠な分泌物の付着があるため,鼻咽腔電子内視鏡検査を行ったところ,粘膿性の後鼻漏を認めた(図1).副鼻腔X線およびCTで両側上顎洞に陰影があり(図2),慢性副鼻腔炎と診断し,マクロライドと消炎酵素剤を投与したところ,2週間で咳嗽が軽快し,後鼻漏も消失した.しかし,鼻茸を伴い再燃の可能性があるため手術を勧めた.
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