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文献詳細

雑誌文献

総合診療25巻5号

2015年05月発行

文献概要

特集 咳を聴きとり,咳を止める 【随伴症状と咳:診断アプローチを理解する】

胸やけを伴う咳を見た際には?

著者: 外間昭1 藤田次郎2

所属機関: 1琉球大学医学部附属病院 光学医療診療部 2琉球大学医学部附属病院

ページ範囲:P.476 - P.478

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Case
プロトンポンプ阻害薬によって軽快した慢性咳嗽の1例
患者:55歳,男性.
現病歴:1年前から乾性咳嗽を認めていた.咳嗽は,起床時や食後によく生じた.方々の医院を受診するも胸部聴診所見,胸部X線および血液検査に異常なく,鎮咳剤を処方されたが改善しなかった.2カ月前から起床時に胸やけと呑酸が生じたため,総合病院を受診して上部消化管内視鏡検査を受けた.逆流性食道炎と食道裂孔ヘルニアと診断され(図1),プロトンポンプ阻害薬(PPI)を投薬された.数日で胸やけは軽快し,3週間後には咳嗽も消失した.

参考文献

1)Irwin RS : Chronic cough due to gastroesophageal reflux disease ; ACCP evidence-based clinical practice guidelines. Chest 129(1 Suppl) : 80S-94S, 2006.
2)日本呼吸器学会(編):咳嗽に関するガイドライン第2版.日本呼吸器学会,メディカルレビュー社,2012.
3)新実彰男:GERDと慢性咳嗽・喘息・COPD.medicina 50 : 798-802, 2013.
4)曾根三千彦,他:耳鼻咽喉科疾患でGERDの関与を考えるべき病態は? 治療 92 : 475-479, 2010.
5)Kusano M, et al : Development and evaluation of FSSG ; frequency scale for the symptoms of GERD. J Gastroenterol 39 : 888-891, 2004.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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