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文献詳細

雑誌文献

総合診療25巻6号

2015年06月発行

文献概要

What's your diagnosis?[150]

待てば海路の日和あり

著者: 横江正道1 吉見祐輔1 久田敦史1 末松篤樹1 野口善令1

所属機関: 1名古屋第二赤十字病院総合内科

ページ範囲:P.520 - P.522

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病歴
患者:84歳,男性.
主訴:発熱,意識レベル低下.
現病歴:3日前から40℃の発熱,下痢・嘔吐を認め,近医を受診.抗菌薬を処方されるも内服せず,当院救急外来を受診.急性腸炎の診断にてラックビーRやロキソニンR・ムコスタ錠Rを処方されて帰宅.その後,下痢・嘔吐は改善したが,昨日,呼びかけに対する反応が低下し,本日になって電気の消し忘れや,朝食の準備を忘れる,床に座り込んでしまうなどと,いつもと違う状況になったため,再度当院救急外来を受診された.
Review of Systems:陽性症状:発熱,下痢,嘔吐,下肢脱力.陰性症状:悪寒戦慄,頭痛,呂律困難,痙攣,咽喉頭痛,呼吸困難,咳,痰,鼻汁,胸痛,動悸,関節痛,しびれ,発汗,体重減少,便秘,血便,頻尿,残尿感,排尿時痛,肉眼的血尿.
職業:お弁当屋さん(立ち仕事).
生活習慣:ADL自立.
嗜好品:喫煙;なし,アルコール;機会飲酒.
既往歴:高血圧,脂質異常症,糖尿病,慢性心不全,脳梗塞,心筋梗塞(冠動脈バイパス術後).
内服薬:①ブロプレスR,②アーチストR,③ラシックス細粒R,④ベイスンODR,⑤ファスティックR,⑥マドパーR,⑦ドプスR,⑧アスピリン末R,⑨パナルジンR,⑩ガスターDR,⑪リバロR,⑫マーズレンS顆粒R,⑬パントシン散R,⑭酸化マグネシウムR,⑮キサラタン点眼液.

参考文献

1)Brastianos PK, et al : Tuberculosis-associated haemophagocytic syndrome. Lancet Infect Dis 6(7) : 447-454, 2006. <研修医にもわかりやすい総説>
2)良元章浩:結核起因性血球貪食症候群の1例.日本呼吸器学会雑誌 40:889-893, 2002. <この症例に類似した症例報告>
3)Eya Cherif, et al : Haemophagocytic syndrome with disseminated intravascular coagulation associated with tuberculosis. BMJ Case Rep 2013 : bcr2013008743 <この症例に類似した症例報告(英文)>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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