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文献詳細

雑誌文献

総合診療25巻6号

2015年06月発行

文献概要

特集 高齢者救急の落とし穴─紹介する時,される時 【症状別ピットフォール─atypical presentationを中心に】

腹痛—血管系疾患,悪性腫瘍,ヘルニア,腹部外臓器にご用心

著者: 竹之内盛志1 佐田竜一2

所属機関: 1帝京大学ちば総合医療センター 2亀田総合病院 総合内科

ページ範囲:P.547 - P.549

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Case
患者:82歳,女性.認知症.
現病歴:5日前からの持続的な腹痛を主訴に,家族とともに救急外来を深夜に受診した.認知症と難聴により病歴聴取は困難であった.バイタルサインは安定し,腹部は平坦で軟らかく,明らかな圧痛は認めなかった.血液検査では軽度の貧血以外に特に異常は認めず,問題なしとして帰宅とした.2日後,他院の内科外来を受診し,造影CTで膵臓癌と診断された.患者はここ1カ月で約4kgの体重減少を認めていた.

参考文献

1)de Dombal FP : Acute abdominal pain in the elderly. J Clin Gastroenterol 19(4) : 331-335, 1994. <42,000人の急性の腹痛患者を,若年者と高齢者で比較したレビュー文献>
2)Laurell H, et. al : Acute abdominal pain among elderly patients. Gerontology 52(6) : 339-344, 2006. <急性腹症での若年者と高齢者の違いを比較した前向き研究>
3)Lewis LM, et al : Etiology and clinical course of abdominal pain in senior patients. J Gerontol 60(8) : 1071-1076, 2005. <救急外来における腹痛を伴った高齢者の原因疾患と臨床経過を調べた前向き研究>
4)Esses D, et al : Ability of CT to alter decision making in elderly patients with acute abdominal pain. Am J Emerg Med 22(4) : 270-272, 2004. <救急外来における高齢者の急性の腹痛に対するCTの有用性を検証した前向き研究>
5)Smyth E, et al : Prognosis of elderly patients with non-specific abdominal pain. J Accid Emerg Med 13 : 44-45, 1996. <原因不明の腹痛高齢患者の長期予後を追った前向き研究>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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