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文献詳細

雑誌文献

総合診療25巻6号

2015年06月発行

文献概要

特集 高齢者救急の落とし穴─紹介する時,される時 【症状別ピットフォール─atypical presentationを中心に】

このところ元気がない,食欲がない—「歳だから」では済まない複数の疾患の可能性

著者: 宮道亮輔1

所属機関: 1聖路加国際病院 救急部

ページ範囲:P.553 - P.555

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Case
外傷を契機に受診した電解質異常の1例
患者:77歳,女性.
現病歴:来院3日前に重い箱を持った時に腰背部痛が出現.その後から元気がなくなり,食欲もなくなった.来院当日,料理中に突然倒れた.夫が駆け寄ったところ,普段との違いはなさそうだが後頭部からの出血があり,救急車にて来院された.
診断・経過:身体診察では,後頭部挫創と腰背部棘突起上の叩打痛あり.その他,体幹・四肢に圧痛や動揺なし.神経学的巣症状を認めなかった.
 頭部CTでは,頭蓋内出血や頭蓋骨骨折は認めなかった.腰椎単純X線では,L1圧迫骨折あり.血液検査では,Na 120mmol/lと低ナトリウム血症を認めた.
 頭部を縫合した後,ICUに入院.低ナトリウム血症の原因精査と加療を行った.

参考文献

1)岩田充永:高齢者救急について.現代医学 61(1) : 121-125,2013. <高齢者救急医療の大家である岩田先生による総説.短いがしっかりとまとまっていて勉強になる>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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