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特集 高齢者救急の落とし穴─紹介する時,される時 【高齢者救急を防ぐ─プライマリ・ケア側の課題】
在宅・施設ケアからの救急受診を防ぐためのパール
著者: 石川美緒1
所属機関: 1東京ほくと医療生協 鹿浜診療所
ページ範囲:P.567 - P.569
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微熱があると救急車を呼んでしまう独居高齢者
患者:80歳,男性.独居.
現病歴:A病院からの紹介で,訪問診療開始となった.COPD(慢性閉塞性肺疾患),気管支拡張症による慢性呼吸不全でHOT(在宅酸素療法)を導入されている.肺炎で2度A病院に入院してから,「また肺炎になるのではないか」と不安になり,自宅で頻回に体温を測っては,37℃を超えると救急車を呼び,A病院に搬送されていた.対応に困ったA病院呼吸器内科主治医から紹介.月2回の定期訪問診療開始と同時に,訪問看護を導入.
その後,年に何度か肺炎に罹患し,在宅加療で治癒したこともあれば,在宅加療では改善乏しくA病院へ紹介入院としたこともある.抗菌薬の連日点滴が必要な際は,訪問看護と連携して治療にあたった.体調悪化時,不安時に電話で相談できる環境があること,定期的な訪問診療・訪問看護,臨時往診を受けられることへの安心感から,自己判断で救急車を呼ぶことはなくなった.
微熱があると救急車を呼んでしまう独居高齢者
患者:80歳,男性.独居.
現病歴:A病院からの紹介で,訪問診療開始となった.COPD(慢性閉塞性肺疾患),気管支拡張症による慢性呼吸不全でHOT(在宅酸素療法)を導入されている.肺炎で2度A病院に入院してから,「また肺炎になるのではないか」と不安になり,自宅で頻回に体温を測っては,37℃を超えると救急車を呼び,A病院に搬送されていた.対応に困ったA病院呼吸器内科主治医から紹介.月2回の定期訪問診療開始と同時に,訪問看護を導入.
その後,年に何度か肺炎に罹患し,在宅加療で治癒したこともあれば,在宅加療では改善乏しくA病院へ紹介入院としたこともある.抗菌薬の連日点滴が必要な際は,訪問看護と連携して治療にあたった.体調悪化時,不安時に電話で相談できる環境があること,定期的な訪問診療・訪問看護,臨時往診を受けられることへの安心感から,自己判断で救急車を呼ぶことはなくなった.
参考文献
1)金子直之:救命救急センターからみた高齢者救急搬送の現状と問題点.日本老年医学会雑誌 48(5): 478-481, 2011. <介護施設からの搬送の問題点についても触れている.高齢者の一般診療を行う医師に対しての提言が述べられている>
2)太田 凡:ER型救急における高齢者救急の現状.日本老年医学会雑誌 48(4): 317-321, 2011. <湘南鎌倉総合病院に,ある日救急搬送された65歳以上の患者31名のデータから高齢者救急の特徴を分析>
3)安藤大樹:高齢者救急の現状.Modern Physician 29(10): 1375-1378, 2009. <高齢者救急についての総論>
4)Yokobayashi K : Retrospective cohort study of the incidence and risk of fever in elderly people living at home : A pragmatic aspect of home medical management in Japan. Geriatr Gerontol Int 13 : 887-893, 2013. <在宅医療を受けている高齢者の発熱の原因や危険因子などについて調べた,前向きコホート研究>
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