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特集 高齢者救急の落とし穴─紹介する時,される時 【ミニレクチャー】
救急現場でもできる高齢者総合的機能評価—comprehensive geriatric assessment:CGA
著者: 本村和久1
所属機関: 1沖縄県立中部病院 プライマリケア・総合診療科
ページ範囲:P.571 - P.574
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重篤疾患であるにもかかわらず治療継続を希望しなかった1例
患者:94歳,女性.長男夫婦と3人暮らし.
ADLは自立.通院歴はない.
現病歴:突然の意識消失発作があり,長男が119番し救急センターに搬送された.来院時には意識は清明で,バイタルサインにも問題はなかった.身体所見で心音異常(収縮期駆出性雑音)があり,心エコー検査で,重度の大動脈弁狭窄症が見つかった.他の検査からも,意識消失発作の原因は大動脈弁狭窄症による可能性が高いという診断となった.本人は「早く家に帰してほしい」「どこも悪いところはないので(医療機関には)通院しない」との訴えがあった.今後の方針をどうしたらよいか?
重篤疾患であるにもかかわらず治療継続を希望しなかった1例
患者:94歳,女性.長男夫婦と3人暮らし.
ADLは自立.通院歴はない.
現病歴:突然の意識消失発作があり,長男が119番し救急センターに搬送された.来院時には意識は清明で,バイタルサインにも問題はなかった.身体所見で心音異常(収縮期駆出性雑音)があり,心エコー検査で,重度の大動脈弁狭窄症が見つかった.他の検査からも,意識消失発作の原因は大動脈弁狭窄症による可能性が高いという診断となった.本人は「早く家に帰してほしい」「どこも悪いところはないので(医療機関には)通院しない」との訴えがあった.今後の方針をどうしたらよいか?
参考文献
1)総務省消防庁:平成26年版 救急救助の現況.22, 2014. http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/kyukyukyujo_genkyo/h26/01_kyukyu.pdf(2015年5月11日現在)
2)Fried LP, et al : Frailty in older adults : evidence for a phenotype. J Gerontol A Biol Sci Med Sci 56(3): M146-156, 2001.
3)Kennelly SP, et al : Characteristics and outcomes of older persons attending the emergency department : a retrospective cohort study. QJM 107(12): 977-987, 2014.
4)西永正典:高齢者の機能評価と包括医療.日老医誌 39(3): 279-281, 2002.
5)Stuck AE, et al : Comprehensive geriatric assessment : a meta-analysis of controlled trials. Lancet 342(8878): 1032-1036, 1993.
6)Ellis G, et al : Comprehensive geriatric assessment for older adults admitted to hospital. Cochrane Database Syst Rev 7 : CD006211, 2011.
7)Rolfson DB, et al : Validity and reliability of the Edmonton Frail Scale. Age Ageing 35(5): 526-529, 2006.(Epub 2006 Jun 6. http://ageing.oxfordjournals.org/content/35/5/526.full?sid=9ce8a64d-d365-4be3-9939-c4d7f03d1dc0〈2015年5月11日現在〉).
8)西永正典:高血圧疾患に対するCGA.日本老年医学会:老年医学update 2008-09,29,メジカルビュー社,2008.http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/publications/other/pdf/update_08_09.pdf(2015年5月11日現在)
9)ジョン・P.スローン(著),藤沼康樹(訳):プライマリ・ケア老年医学.プリメド社,2001.
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